表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神器を飲み込んだら魔磁石人間になりました。  作者: rayi
第1章 ピアータの街編
1/7

第1話

1章事の投稿となります。誤字脱字などありましたらすみません。


『引き寄せの法則』いいことを考えれば、いいことを引き寄せ、悪いことを考えれば悪いことを引き寄せるという。「思っているコトやモノと同じものを引き寄せる」と言われている法則。


僕は望んでいたのだろうか。いいや、そこまで病んでもないし、それ程この法則に意味があるとは思っていなかった。



ーー話は僕がこの異常な空間にて理不尽な目に遭わされる数時間前。


僕の名前は藍田磁石(あいだじーく)。誰にも本名で呼ばれた事はなく常にじしゃくと呼ばれて来たが実はキラキラネームである。名前でからかわれそう、そんな風に思われるかもしれないが意外と誰も弄ってくる事もなく平穏に過ごし今日無事に大学を卒業する事になった。


あまり人に関わり過ぎず適度な範囲で接する。こんな生活をしていたので興味を持つ人間が少なくからかわれたりしなかったのかも知れない。今思うと少しくらい弄られるくらいが充実していたのかもしれないそんな風に思う程何もない人生。


卒業式を終え僕は、いつも通りの帰り道を歩きながら駅へと向かっていた。何が磁石だ、何も引き寄せない、本当に平凡だ。この先もこれが続くのだろうか。この際車でも突っ込んで来て僕の人生の平凡を変えてくれないだろうか。


何気なく退屈凌ぎに起きて欲しくはないけど、退屈に対する僻みのようにそんな事を考えて歩いていた。今歩いているのは、歩道だ。横断歩道の真ん中でそんな事を考える程の度胸もない。


「まあ、こんな所に車が突っ込んで来る訳ないけどね。磁石か……何も引き寄せない磁石。なんでこんな名前にしたんだろうな」


何気なく、壁に持たれた僕。信号が変わるまでの暇つぶしだ。携帯電話を片手に通知の来ないメッセージアプリをスルーして、面白そうなアプリを探す。


『引き寄せの法則』


何だか引き寄せられない僕に対する当て付けかのような名前のこのアプリ。数分後には信号も変わる、それまでの暇つぶし。そう思いダウンロードをし開く僕。


アプリを開くと引き寄せと書かれたボタンが一つあるだけだった。占いアプリ的なのだろうかと思いボタンを押してみる。


画面には『あなたの引き寄せたいと思った直近の出来事を引き寄せ致します。暫くお待ちください。』と表示されていた。


「うん、ゴミアプリ。と言うか何でストアに登録出来たの!ってくらいだな」


信号が青に変わり僕は横断歩道を渡る。駅はもう目の前。ふと、先程のアプリの事を考えていた、直近の出来事って何だろう、と。すると僕の少し上、2m程だろうか。黒い渦の様なものが見える。僕は目をこすり、自分の見間違いだと再度確認する。


「えーっと、一体何が……」と上を眺めていると何かが出てくる。うん、車だ。


あぁ、そうか。直近に引き寄せたいと考えていたのは……。落ちてくる車に最後まで考える間もなく僕は命を絶たれる。



『そろそろ目を覚ますのじゃ、我も忙しい』


幼女なような、老婆のような声が聞こえる。僕は目を開き、辺りを見回す。


「お菓子の家と幼女?」


目の前にいる幼い女の子。ドーナツを片手に、僕の方を見ている。


『誰が幼女じゃ、失礼な』


「あっ、すみません。突然の事で動揺していて……あの、その」


『まあ、何でもいいのじゃ。我は忙しい、簡単に説明するからよく聞くのじゃ』


「はい……」


幼女とは思えない迫力に僕は何も言えなくなってしまった。この非日常空間に突っ込むどころではなく只只何が起きるのか待つしかなかった。


『お主は死んだのじゃ。原因は不明、お主は死ぬ予定ではなかったのじゃ。何故ここにおるのか我にもわからぬ。しかしじゃ、我は忙しい。この後新作のスイーツの試食をせねばならぬ。お主の魂は非常に面倒じゃから他の世界に転移させる事になるのじゃが詳しい説明は必要か?』


「詳しい説明お願いします」


『ぬぅ……仕方ないのう。お主はシュトリアスと言う世界に転移して貰う。お主の世界とは違い少しばかり危険が多いが、その代わりに役立つ物とすぐに死なぬように我の加護をやろう』


「えっ、そんな危険な所行きたくないんですけど」


『面倒くさいのう。藍田磁石、お主に相応しい物がここら辺にあったはずじゃ……』


お菓子が山積みにされた中から何かを探している。僕の意見は無視されたようだ。


『おおぅ、これじゃ、ほれこれをやろう』


「へっ?あ、ゴクン」


突然すごい速さで飛んでくる何かにびっくりして対応が遅れる。びっくりして口を開いたのが良くなかったのだろう。小さなその何かを僕は飲み込んでしまった。


『な、お主それくらいとらんか。まさか神器である魔磁石を飲み込むとはのう……これはまずいかの?我は見ておらん、そうじゃ。ええい、面倒じゃ転移』


僕は何かを飲み込んだ。幼女が凄く慌てていたが、幼女が僕に触れた瞬間意識がまたも途切れる。



ーー目が覚めると甘い香りの漂う石造りの神殿のような場所にいた。


「ここは、何処だろう……確かあの幼女に触れられて」


次第に思い出す記憶。そうだ、あの幼女僕の体に変な物を入れやがって!魔磁石とか言ってたけど……体に変化はない。そのうち出るよね。何処からとは言わないけれど。


落ち着いて見て分かる。ここは神殿。それも先程の幼女が祀られている。神官服に包まれた女性、そして僕同様ベンチに座り祈りを捧げる人達。祀られている像は僕が見た幼女よりも足は長く、胸が大きくまさに女神の様な像が置かれている。いきなり

現れた僕って大丈夫なんだろうか?周りを見渡していても特に何も言う人もいない。神様パワーと言うところだろうか。


とりあえず、ここを出ないと行けないが情報が何もない……確かこの世界の名前はシュトリアス。そして、少し危険。


「うーん、どうしようもないなこれ」


周りにいる人も、日本人ぽい人は誰もいない。そして、種族が明らかに人間とは違う、猫耳に尻尾まである者や、小さな背丈に髭を生やした物語で知るドワーフの様な者までいる。まず言葉が通じるのか……通じなければジェスチャーしかないが、僕は人に対して積極的な人間ではなかった。きっと追い詰められない限りジェスチャーで伝えてみるとか出来ないだろうな。


人の流れに沿って扉を出て神殿を後にする。甘い香りの原因は、みんなの奉納するお菓子などの香りだったようだ。そう言えば、あの幼女のいた場所、お菓子で埋もれていたな。奉納物だったとは。


あんな如何にも駄女神な感じだったけど、割と信仰されている女神なのだろうか、お祈りの列が出来ている。


「そんな事よりも、誰かと話して見ないとだよなー」


別にコミュ障じゃないが、こうも日本人離れした人達がいる中。言語も伝わるか分からない状況で率先して「ハロー」とか言える程の度胸はないんだよな。


『あのう、どうかされましたか?』


「えっ、あ。別に」


『そうですか、なら良かったです。お悩みがあるように見えましたので……』


言葉が聞こえるのは、周囲の会話で分かっていたが僕の言葉に対して反応があった。これって話が通じるって事だよね。


「悩みが今解決しました。ありがとうございます」


『それは良かったです。スイーツ神様のご加護がありますように』


ってあの幼女。スイーツ神様だったのか。名前がスイーツだからお菓子などの奉納?それとも、お菓子などの商売的なのを司っているのだろうか。あまり聞いた事がない神様だが……需要があるんだな。


あっ、と思った時には既に神官服を纏った女性は僕の側を離れていた。ここが何処なのかなど色々聞いておけば良かった。そして無一文な僕。生きていけるか不安だ。就活は無事に終わっていたが、働くのは初めてだ。バイト経験はあるが居酒屋くらいだ。どんな仕事があるのだろうか、そもそも僕って身分証もないし、この世界に来たばかりと言うかどう言う存在なのだろうか。


外へ出ると広がるのは、日本とはあまりにも違う世界。行き交う人もそうだが、殆どの造りは石造りのようで、高い建物も殆どない。ビルやマンションが並ぶ僕のいた世界程進んでいないようだ。


さて、どうしよう。本来なら宿を探して今日休める場所を確保するのだろうが、僕にはお金がない。日雇いの仕事でも良いからしなくては野宿になってしまう。それにそんなに食べる方ではないが何も食べずに過ごした経験すらないのだ、餓死だけはしたくない。


異世界にきて、猫耳!エルフ!ドワーフ!とかはしゃいだり出来る余裕のある主人公が羨ましい。


「冒険者ギルド……あるのかなー」


異世界に行き、身分の保証がない者が仕事を求めていく場所の定番。とりあえず余裕のあるうちに街を散策する事にした。暫く歩くと大きな屋台街を見つける。美味しそうな果物や、いい香りが漂う串焼き屋などが並んでいる。お金を稼いだら絶対くる!と誓って惜しみつつも素通りし中心街から見て冒険者のような鎧姿や魔女のようなローブに杖を持っている人が多いエリアへと向かう。


危険ってまさか、魔物でも出るんじゃないだろうか。冒険者のような姿の人達を見て仕事にありつけるかも知れないと言う安堵と、魔物がいるような危険な世界に飛ばされたのではと言う不安が混ざり合う。


後を付けて行く僕。別にストーカ的な事ではない。まあ、魔女姿の女性の後ろを歩いているがわざとじゃないよ?剣士の男の人も隣にいるし。


後をつける事数分、剣と盾のマークの看板が掲げられた大きな建物に入っていくではありませんか。本当にあったんだ、冒険者ギルド。


僕は覗き込むように中を見ている。入って良いよね?と覚悟を決められずにいた。


『おい、邪魔だぞ。入るなら入れ』


「あっ、すみません。入ります」


僕は勢いで入ってしまった。だって顔が怖いんだもん。ヤクザかと思った。


『ちょっと、バロンが怖いからびっくりしちゃってるじゃない。ごめんね僕、顔と声は怖いけど悪い人じゃないの許してあげてね』


バロンと呼ばれる怖いおっさんの横から顔を出したのは、紫色の綺麗なロングヘアーの美人さん。ちょっと僕には刺激が強い二つの双丘が首元の大きく空いた魔女服から飛び出て揺れている。


「は、はい。大丈夫です……」


緊張して何が大丈夫か分からないけど、視線を逸らしそう答えた。


『はっはっは、こいつ一丁前にお前の胸見て照れてやがるぜ。此奴はこう見えてなななじゅ……』


ボコッっと痛そうな音がしたと思うと先程のお姉さんは笑顔のままだが何故かこれ以上関わってはいけない気がした。倒れ込んでいるバロンさん、僕には見えなかったがこのガタイのよいバロンさんが倒れるような一撃をこのお姉さんがしたのだろう。


ななじゅ、と聞こえたがこんな綺麗なのにお婆ちゃんくらいの歳だとは異世界恐るべし。


『僕、変な事考えなかった?』


心が読まれた!?


「い、いえ、綺麗なお姉さんと出会えて良かったなと」


『あら、良い子ね。私はミルクール分からない事があれば聞くと良いわよ。これでもBランクの冒険者なんだから』


Bランク、ランクの事は分からないけど普通に考えたら高ランク冒険者なのだろう。知り合いが出来て良かったと見るべきだな。


「ありがとうございます。ミルクールお姉さん、冒険者登録って僕でも出来ますかね?」


『15歳を超えていれば誰でも出来るわよ。変な事を聞くのね。丁度15歳くらいかしら?』


ん、僕が15歳くらい?いやいや、22歳だし、童顔かと言われると微妙な……そう言えば体を用意するとか言ってたような。ここにきてまさかの若返り。僕って今どんな容姿してるんだろうか。22歳からのスタートよりは若い方が馴染みやすいし有り難く思っておくか。


「はい、15歳なったばかりです」


『じゃあ、あそこの受付で登録出来るわよ。ステータスの情報は全部書かなくても良いけど、書くとパーティーとかに入れてもらいやすくなると思うわよ』


ステータスって。まるでゲームだ。


「あの、こんな事聞くのも変なのかも知れませんがステータスってどうやったら見れますか?田舎から来たので……」


『……あら、ステータスと念じれば見れると思うけど。凄い田舎から来たのかしら』


やっぱりこの世界では常識だったようだ。驚いた顔をしている。お姉さんの驚く顔が見れてラッキーと思っておくか。


「ありがとうございます、登録して来ますね」


『え、ええ。行ってらっしゃい』


何か考える素振りをしてこちらを見送るお姉さん。しかし、まだこの世界のことを把握していない以上変な事は言わない方が良いと思う。


「こんにちは、冒険者登録したいんですけど」


『冒険者登録ですね。こちらの紙にご記入ください。代筆は必要ですか?』


代筆……日本語で大丈夫かな?書いてみてダメなら頼めばいいか。書けるのかどうかも早めに知っておく方が良いだろう。


さてと先程から見ている僕のステータスから必要そうな所を書いていくか。


ーーーーーーーーーーーー


藍田磁石(あいだじーく)

年齢15歳


レベル:1 種族:人族

生命力100/100 魔力150/100


体30

力30

知30

敏30


スキル:


EXスキル:魔磁石(マジックマグネティック)[1]

EXスキル:スイーツバック

EXスキル:言語理解


加護:スイーツ神の加護

ーーーーーーーーーーーー

年齢が15歳になっている。名前は変わってない見たいだけミルクールさんや、バロンさんを見る限りだと藍田磁石って書くのは躊躇われる。ジークで良いかな。


レベルは1で種族は人間っと。レベル1って多分物凄く弱いんだろうな……誤魔化すのもあれだし書いておくか。


体 力 知 敏と並んでいるが。30と言う数字が高いのか低いのかサッパリだ。数字的に高すぎる事はまずないと思うけど。低すぎたら少しショックだな。スキルは無し、スキルって後天的に覚えれるよね!?不安だ。


EXスキル。魔磁石……これって僕が飲み込んだやつ。吸収しちゃった感じか、副作用ないと良いけど。スイーツバックはお菓子でも入る鞄かな?何と無駄なスキルを。後は言語理解、これのお陰で言葉が通じるようだしこれは感謝かな。EXスキルは明らかに特別感があるから書かない方がいいかな。加護は書く欄すらない。合っても書かないけれど。


ーーーーーーーーーーーー


ジーク

年齢15歳


レベル:1 種族:人族


体30力30知30敏30


スキル:


ーーーーーーーーーーーー


「すみません、書けました」


『はい、確認させて頂きますね。ジークさん、15歳で人族ですね。レベルは1?!能力は問題ないようですが。スキルは無しですか』


15歳でレベル1はおかしいのかな?能力は問題ないと言われたから平均くらいはあるのかな。スキルの所で落胆されてるけど、みんなどれくらいのスキルを所持してるのだろうか。聞けるとしたらミルクールさんくらいかな……。


「レベル1だとダメでしたか?スキルが登録に必要とか……」


僕は少し落胆したような表情で受付のお姉さんを見てみる。


『い、いえ。ジークさんそんなに悲しまないでください。レベルは15歳くらいであれば5〜7程度にはなりますが。貴族の方の中には偶にいるそうですし、可笑しくありませんよ。スキル無しについても気にしなくても大丈夫ですよ。今から覚えていけば良いのですから』


ようするに、ニート見たいな引きこもり生活してるようなお金持ちのボンボン的な子以外はレベル5〜7が普通なのか。スキルは後天的に覚えれるみたいだけど、難しくないと良いな。才能とか関係して冒険者に必要な戦闘系スキルが覚えれないとかなったらかなり生活していくのが厳しそうだ。別の道も考えるべきだろうか。


「はい、頑張ります」


『では、こちらのパネルに手を置いてください』


黒い謎のパネルに手を置くと何かが吸い取られたような感覚がした。個人認証か何かだろう。


『登録完了しました。此方がジークさんの冒険者証です。詳しい説明は此方の冊子に目を通してくださいね。冒険者証は初回のみ無料で作らせて貰いますが失くした場合銀貨5枚必要になりますので失くさないでくださいね』


大きくFと書かれた銅の冒険者証。名前と年齢、種族が表示されている。


冒険者になれた事に思わず笑みがこぼれる。22歳だったとは言え、冒険者という職業は年齢問わず元の世界では密かに憧れてる人は多かったはずだ。何せ異世界物の小説や漫画が大流行していた世界なのだから。


僕は隣に併設されている、酒場兼、待機場的な場所の椅子に腰掛け冊子を読んでいる。


ーーーーーーーーーーーー


◆冒険者ギルドについて


ランクはF.E.D.C.B.A.Sとあり。Cランクからは昇格試験がある。そしてCランクからは専属契約をする事が出来る。ランクについてはこなした依頼によりポイントが加算され一定に達するとランクが上がる。


冒険者証はヒューイット大陸では共通の身分証として使える。


ギルド内での暴力行為や依頼での不正行為は罰金や冒険者証剥奪などペナルティーが課せられる。


依頼失敗の際は報酬の20%のペナルティーが発生する。


ロール王国 ピアータ支部

ーーーーーーーーーーーー

重要そうなのはこれくらいだろうか。


ランクは現在一番下のFランク。まずはCランクを目指すことになるだろう。専属契約については別紙と書いてあったので多分Cランクになったら渡されるのではないだろうか。


この大陸はヒューイットと言うらしい。そしてロール王国のピアータと言う街にいる事が分かった。情報大事!


ペナルティーについては悪い事する気もないし、依頼失敗だけ気をつけたらいいかな。


一通り目を通した所で依頼掲示板へと向かう。意外と発展しているのか電光掲示板のような感じで依頼が大きなモニターに表示されている。受けたい依頼に冒険者証をかざすと仮受付となり、受付にて提示すると依頼が受けれると冊子に書いてあったので受け方はバッチリだ。


僕でも出来そうな依頼は……っと。Fランクと書かれている依頼をみる。


依頼一覧


ーーーーーーーーーー

ランク:F

ヒーリング草採取×5本


報酬:銅貨30枚


ーーーーーーーーーー

ランク:F

荷物運び


報酬:銅貨50枚


ーーーーーーーーーー

ランク:F

下水掃除


報酬:銅貨50枚

ーーーーーーーーーー


ヒーリング草採取の依頼と後はいくつかの荷運びと下水掃除の仕事が主なFランクの依頼のようだ。下水掃除は……ちょっと無理。潔癖ではないが、多分耐えられない。荷運びは、自慢じゃないが非力だ。となると薬草採取になる訳か。Eランクの依頼にちょっとだけ目を通す。


ーーーーーーーーーー

ランク:E

ウルフ退治×3匹


報酬:銀貨1枚

ーーーーーーーーーー

ランク:E

スライム退治×5匹


報酬:銀貨1枚

ーーーーーーーーーー

ランク:E

ハッピー退治×3匹


報酬:銀貨1枚

ーーーーーーーーーー


討伐依頼ばっかりのようだ。Fランクの依頼が銅貨30枚〜50枚。Eランクの依頼が銀貨1枚って事は銅貨100枚で銀貨1枚って所か。流石にランクが上がると報酬差が大きい、倍もある。ヒーリング草採取を受ける時に宿の事を相談してみるか。軽いご飯と寝床の確保これが第1課題だ。


ヒーリング草採取の依頼に冒険者証をかざすと。ピッと分かりやすい音がした。自動販売機に電子マネーカードをかざした時と同じ感覚だ。


依頼の報告と受注を行う受付は、登録と違い結構な人が並んでいた。窓口は4つあるが……僕は迷わず一番長い列に並んだ。


他の列なら今頃、受付終わっていたなとか思いながら長い列に並び続ける事1時間程だろうか。ようやく僕の番がやってきた。


『こんにちは、初めての方ですね。依頼の受注でよろしいですか?』


薄水色の綺麗な長い髪の笑顔が素敵なお姉さん。華奢な体には不釣り合いな胸を持ち、薄茶色の大きな瞳から溢れる優しい眼差し。並んでいるのはほぼ男性冒険者だ。同じ男として思わず並んでしまうのは理解出来る。


「はい、ジークと言います。これからよろしくお願いしますね。お姉さん?」


『こちらこそ、ルミアージュです。長いのでルミアとお呼びくださいね。まだこれでも10代なのでお姉さんよりはルミアと呼んで欲しいかな?』


「分かりました。ルミアさんよろしくお願いします」


『はい、ではヒーリング草採取受注しました。ヒーリング草については2Fの資料庫に図鑑が御座いますので確認してくださいね。では頑張って来てください』


一つ一つの言葉に笑顔で対応するルミアさん。思わずドキッとしてしまう。日本でこんな美少女と会話なんてした事がないのだから。これは、男なら勘違いしてしまうだろうな……。僕?僕はそんな事思ってないよ?僕に向ける笑顔が一番特別に見えたなんて事は。


受付を後にした僕は2Fの資料庫に向かう。沢山ある棚から新米冒険者と書かれた棚から植物図鑑を取り近くに座る。今回の目的は、薬草なので他の植物はスルーだ。採取に失敗すれば野宿が待ってるからね時間は有限だ。


ヒーリング草の特徴を確認し僕は街の外へと向かう。本当はスコップ的な物やら袋も欲しかったが無一文だからね。


門を出ようとすると知っている顔を見つける。バロンさんとミルクールさんだ。軽く頭を下げて外へと行こうとする僕。


『おい、坊主。ちょっと待て』


あれ、なんかしたかな僕。相変わらず怖い。


『そんな怖い顔で言ったら可哀想よ?』


『バカ言えこの顔は元からだ』


夫婦漫才か!と突っ込みたくなるくらいに息が合っている。ちょっと嫉妬しちゃうくらいに。


『あら、そうでしたわね。今回は私も同感よ。そんな格好でしかも手ぶらで門を出るつもり?』


あー、確かに。Tシャツに、薄い麻生地のパンツ。そして手ぶら。採取は浅い所とは言え奥には魔物が存在する森に入る。普通は行かないよな。


「えーっと。お恥ずかしい話。無一文でして。とりあえずヒーリング草採取なら何とかなるかなと」


『お前な……森を甘く見過ぎだ。下水掃除やら荷運びの仕事もあるだろう?』


「いえ、下水はちょっと苦手と言いますか精神的に厳しいと言いますか。荷運びは非力な僕では多分……っという事でヒーリング草採取しか残らなくて」


『あらあら、分からなくもないけどヒーリング草採取はどうやるつもり?根本から抜かないと報酬は下がるから結構掘らないとダメよ?』


「手で何とか掘ろうかと……」


2人は呆れているようだ。全くと言いたそうな表情で僕を見ている。2人が目を合わせ頷いている。


『お前名前は?』


「ジークです」


『そうか、ジーク。金貨1枚、これをお前に貸してやる』


「えっ、そんな大金借りれないですよ。それに、殆ど僕の事知らないじゃないですか、持ち逃げするかもですよ?」


金貨1枚って銀貨10枚?それとも100枚?流石に100枚分は貸さないか。それでも無一文の僕からしたら大金だ。


『そうだ、分かった上でお前を信じて言っている。冒険者の勘ってやつだな。これで逃げられても俺の落ち度だ気にする必要はねえよ』


ここまで言ってくれてるし、逃げる気もないし、先を考えれば借りておいた方がきっと良いのだろう。本当気がきかない神様だよな、最低限くらい持たせてくれって話だ。バロンさんとミルクールさんと出会えてなかったら今頃、土をひたすら手で掘り続けて爪の中が土まみれだった。


「ありがとうございます。ご好意に甘えさせて貰います。ちなみに何ですが、金貨1枚って銀貨何枚ですか?」


2人はまたも呆れているが仕方ないなと言った顔で色々と説明してくれた。


『話し方は貴族のような話し方をする割に常識はねえ。変な奴だな全く。まあ、頑張れよ返済は好きなタイミングでしてくれたら良い』


僕は2人にお礼を良い、勧められたギルド直営の武具屋兼雑貨屋さんで、バロンさんに言われた物を揃える。


購入したのは、皮の鎧、ブーツ、鉄のショートソード、短剣、そして皮のリュック、とスコップ。途中で休憩中に食べる干し肉と水を入れる水筒だ。全部で銀貨30枚、内訳は皮袋が銀貨10枚、ショートソードが銀貨10枚で残りが銀貨10枚と言った感じだ。


麻の袋が銅貨50枚で売られていたが、バロンさんに皮のリュックは高いが絶対に損はしないから絶対買うべきだとお勧めされたので皮のリュックにしたが高い……薬草採取34回分。宿など考えるとかなり貯めるのに時間がかかりそうだ。お金を稼ぐって大変だな、バイト経験はあるが両親に養われてた身だ。今更ながら感謝だ。両親は元気だろうか、車が落ちてきて死んだとかあまりにも可笑しい出来事だが向こうの世界では僕はどう言う風に扱われているのだろうか。


一通り買い物を済ませお勧めされた宿へとチェックイン。『豚の足』名前はともかく、低価格でそこそこ美味しいご飯が売りでバロンさんやミルクールさんも新米の頃お世話になった宿らしい。


「こんにちは」


『見ない顔だね、宿泊かい?』


一言で言えば老婆な女性が僕に尋ねる。


「はい、宿泊でお願いします」


『1泊50銅貨だよ、何泊だい?食事付きなら銅貨75枚、お湯は桶に1杯までは無料だよ』


少し無愛想な人だが、何故か悪い気はしない。残り、銀貨70枚。余裕はあるが無駄使いダメ。返済を考えると長期間滞在は確定だし、一月でいいかな。


「1月でお願いします。食事も付きで」


僕は銀貨を23枚渡し、お釣りを待つ。


『ほいよ、3枚のお釣りだよ』


「すみません、銅貨50枚のお釣りではないですか?」


『長期のお客へのサービスだよ』


長期にしておいて良かった。銀貨3枚って結構大きいからね。残りは半分銀貨50枚。随分と減ったな。今日から頑張らないと……部屋へと案内してもらい部屋を確認した僕は今度こそ森へと向かう。


部屋は3畳程だろうか、ベットが置かれているだけで後は僅かなスペースと狭いが食事は食堂でとの事だったので寝るだけなら十分だ。


門を出て向かうのは、アルトの森。浅い所は新米冒険者の薬草採取場所として利用されるが、それ以降はEランクの討伐魔物が蔓延る新米には危険な場所。森の奥にはCランクの魔物がいるらしい。奥へは絶対に行かないでおこう。


森への道はしっかりと整備されており、迷う事なく辿り着いた。20分程歩いたが疲れも少ないのは若返りの影響だろうか?日本のようなジメジメとした暑さではなくカラッと気持ちの良い暑さなのも歩きやすい要因だろう。


ーーアルトの森に辿り着く。


うん、日本でも良くある田舎の森って感じだ。特に不気味そうな気配もなく、自然豊かで深呼吸してしまう程に穏やかな緑だ。


森に入って2時間くらいは経っただろうか。必死にヒーリング草を探し回る僕。アドレナリン全開だったのだろうか、一旦休憩をと思ったのだがドッと疲れが押し寄せ木に腰掛ける。夢中になり過ぎて自分の疲れ具合の把握が出来ていなかった。冒険者としては3流以下だな。


「ふぅー、それにしても心地良いな」


これ程動いたのも久しぶり。自然の中でゆったりとした時間を過ごすのなんて何年ぶりだろうか。とりあえず集まったのは20本。5本1組なので4束分だ。今なら分かる、バロンさんがリュックにしとけと言った理由が。両手が空いた状態と言うのは想像以上に楽なのだ。麻袋片手に薬草の束を潰さないように持ち歩くのはかなりしんどかっただろう。新米冒険者はみんなその苦労をしているのだろうが、僕はラッキーだったと思う事にしよう。


4束で銀貨1枚と銅貨20枚。うーん、宿が約70銅貨くらいで借りている事を思うともう少し粘りたい。もう少し沢山見つかると思っていたのだが、1.2本生えてる所は見つかるが沢山生えている所は全くない。同じような新米冒険者達も採取するだろうし浅い所では当然か。


「初日だし、無理する必要はないよな」


森から出る準備を始める。と言っても殆どはリュックの中なのでちゃんと20本あるかどうか確認程度だ。


『だから、私は止めたのよ……』


『俺のせいだと言いたいのかよ!』


少し離れた先で言い争う声が聞こえてくる。悪いとは思いつつも少し近付き木の陰から様子を伺う。


『リッツ君は死んだんだよ。なのに、なのになんで2人は喧嘩してるの。誰が悪いとかじゃないよ』


少女が2人と少年が1人。揉めているようだ。


『ラナ泣かないでごめんね。サク、やめようこんな話するの。リッツが逃してくれなかったら私達も……』


『あぁ、悪かったよ。ギルドに報告しに行こう。そしてリッツの骨だけでも回収して貰って弔ってやらなきゃな』


これは、何とも言えない現場に居合わせてしまった。年齢的に新米冒険者が無理して魔物退治または興味本位で見に向かって遭遇した魔物からみんなを逃がす為にリッツという少年が囮になり死んだのだろう。死と隣り合わせの職業だと改めて実感する。リッツと言う少年の遺品を回収してあげたい、が。僕が行っては同じ事を繰り返すだけ。今はリッツという少年の勇気ある行為に対して冥福を祈ろう。


3人が動き出す前にそぉっとその場を後にする僕。ギルドへと帰って来たが何だかモヤモヤが拭えない。早めに帰ったからか、ルミアさんの受付もそれ程並んでおらず少し並んだだけで依頼の報告が出来た。依頼の報告も終わり、ルミアさんから初依頼の頑張りを褒められて嬉しいはずなのだが心から喜べず作り笑顔で挨拶を済まし宿に戻る。


宿のベッドでゆっくりと考えていた。この先も冒険者をして行くなら通る道なのだろう。この世界では多分当たり前のように死が傍にある。少年、少女が魔物を殺し、殺されてしまう世界。それでも生きる為に仕事をする。そして高ランク冒険者に憧れて上を目指す。


「剣すら振るった事ない僕が冒険者として生きていけるのかな……」


ピコンッと突然脳に音が響く。


『一応我の加護を与えた者じゃから確認してみれば何をしておるのじゃお主は。しかも、せっかく我が与えた能力も使わないだけじゃなく気付きもしないとは』


「この声は、スイート様?」


『それ以外に誰がおるのじゃ』


「能力と言われても、スイート様何も説明してくれなかったじゃないですか!無一文で放り出されたこっちの身にもなって欲しいです」


『そ、そうじゃったかの。我も忙しいのだそんなに責めなくてもよかろう?』


どうせ、新作スイーツの試食だよね。


「分かりました、今度はしっかり説明お願いしますね」


『分かったのじゃ、一応我の使徒とも言えるお主がこのまま薬草採取をして人生を終えるような生活をされては我としても困るのでな』


今度はしっかりと聞きたい事を聞く事が出来た。


EXスキルのスイーツバックは何と僕の知ってるアイテムボックスと同じようなもので生きてるもの以外は何でも入り容量無限で時間経過しない優れものだった。紛らわしいスキル名を付けないで欲しい。


そして魔磁石については、スイート様もよく分かっていないのだとか。神器である魔磁石、本来の効果は魔力回復の向上と魔力探知の効果を持つ物で何故吸収されスキルとして現れたのかは分からないとの事。


ステータスから詳細を見れる事を知り、見てみると。引き寄せと反発と言う2つの使い方が出来るスキルだという事が分かった。


ーーーーーーーーーーーー


◆魔磁石[1]


・引き寄せ

魔素を引き寄せる。


・反発

魔素を反発させる。


ーーーーーーーーーーーー

詳細を見ていて気付いたが、どうやらスキルにはレベルがあるらしい。少しずつ色々出来るようになるのは楽しみだ。


スキルについても聞いてみた。一生懸命すれば身につくのじゃ。の一言で終わった。魔法については1つだけなら覚えられるようにダンジョンなどで稀に出るスクロールをくれるという事で、磁石と相性の良さそうな雷のスクロールを頂いた。


『して、お主が悩んでおるのは見ておったから分かっておる。だがのう、この世界ではそれが当たり前じゃ。悩むくらいなら強くなってもっと安心して生活出来るような仕事をお主が与えてやれば良いのじゃ。我の使徒ならそれくらいしてみせよ』


僕が安心して生活出来る環境をか。時間がかかりそうだ。僕に出来るだろうか?でもなんだかしっくりくる気がする。スイート様からスイーツバックと言う名のアイテムボックスを貰っているし、商売をしても成功出来るだろう。まずは地盤を固める為に冒険者として成長する。うん、まずは一歩踏み出そう。


『少しはマシな顔になったようじゃのう。それと言い忘れておったがのう。我の加護には経験値補正とレベルUP時の能力補正、そして最大の魅力はスイーツを食べた時に使った素材が全て分かるのじゃ。感謝していいのじゃよ?』


経験値補正とUP時の補正はかなり助かる。何せレベル1で平凡な能力しかないからね。スイーツ補正とか無駄過ぎる……やっぱり駄女神なのか。


『お主失礼な事を考えておらぬか?』


「い、いえ。素晴らしい加護で感激してました」


『そうじゃろ、そうじゃろ。では我はそろそろ限界なのでな』


そう言い残して、スイート様の気配も声も消える。宿の部屋で実際にスイーツバックを使ってみる。間違いなく僕はスイート様とお話ししていたようだ。中には金貨が3枚と初心者向けの装備、そしてケーキやドーナツなどのスイーツ。最後に先程頂いた雷のスクロールが入っていた。念じるだけで物を出す事が出来るとか便利過ぎる。馬鹿にして申し訳ない。


早速雷のスクロールを使ってみる。何となく使うと念じたら出来る気がした。すると、スクロールが光になって消え僕の体に何かが入ってくる感覚がした。



ーーーーーーーーーーーー


ジーク

年齢15歳


レベル:1 種族:人族

生命力100/100 魔力250/100


体30

力30

知30

敏30


スキル:採取[1] 雷魔法[1]


EXスキル:魔磁石[1]

EXスキル:スイーツバック

EXスキル:言語理解


加護:スイーツ神の加護

ーーーーーーーーーーーー


おおおおお、魔法覚えてる。と言うか採取スキルいつの間に覚えたんだろう。そう言えば後半急に見つけやすくなったり、掘り出しやすくなりスムーズだった記憶がある。スキルの効果が出ていたのだろう。


「んっ?」


魔力が250/100?普通は100/250だよな。限界値よりも魔力が多くなっている?これって大丈夫じゃないよね。きっと限界値ってその人の体が正常に保てる量だと思うし。今の僕、異常……って事か。えっ、僕病気なの!とか思ってみたけど特に健康被害はないし、とりあえず限界値が増えれば何か変わってくるだろう。


では早速、雷魔法を使ってみよう。宿で使うのは最初はマズイかな?と思ったのだがレベル1だし流石に雷ズドーンはないだろうと考えた結果だ。


何となくだが使い方は分かる。これがスキルの恩恵なのだろう。小さな電流を指先から出すイメージ。


「スタン」


スタンガンをイメージしたのでスタンと思わず言ったが別に名前がある訳ではない。


僕の指先から電流がビリリと音を鳴らす。視覚で捉える事が出来る程の強さの電流なのか青紫色の光が確認出来た。どれくらいの強さ……なのだろうか。実際に使うなら実験は必要だ。


「軽くなら大丈夫だよね……」


僕は自分の指に、なんて危ない事はせず、神様から貰った初心者鎧に向けて電流を放つ。


バンッと弾ける皮の鎧。青紫色の光が四方八方広がって見えたと思った瞬間弾けたのだ。これには僕もマジカ。と思わず嘆いてしまった。

ーーーーーーーーーーーー

魔力180/100

ーーーーーーーーーーーー

そして魔力を確認すると、70程魔力が減っていた。スタンの魔法2回で70使っているみたいだ。本来の魔力のままだと3回目は不発になるのか、気絶するのかは分からないがコスパはかなり悪いらしい。2発しか魔法を撃てない魔法使いとか話にならないだろう。やっぱり剣を頑張るか?


続いてやっぱり気になる魔磁石スキル。


ーーーーーーーーーーーー


◆魔磁石[1]


・引き寄せ

魔素を引き寄せる。


・反発

魔素を反発させる。


ーーーーーーーーーーーー


魔素ってそもそもなんだろう?魔法の素。魔力の素となるものって認識でいいのかなー。


とりあえず、周囲から引き寄せるイメージをしてみる。とても曖昧なイメージだがそこはスキル補正で……。


ーーーーーーーーーーーー

魔力300/100

ーーーーーーーーーーーー


おおお、魔力が増えてる!周囲から魔素を引き寄せて回復出来るって事かな。反発は、何となくここでやらない方が良さそうだ。森に行ったら試してみる事にしよう。


そうこうしているうちに夕食の時間となった。今日は兎のステーキ。そこそこ美味いの意味がよく分かる。美味しいけどちょっと惜しいそんなお味だった。初魔物のお肉だったが見た目は普通のTボーンステーキ。味はそこそこ美味いし魔物だと言われてもあまり気になる事はなかった。


おやすみ前に僕はしておきたい事があった。ベッドに寝転び周囲の魔素を取り込めるだけ取り込んでいく。


ーーーーーーーーーーーー

魔力600/100

ーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーー

魔力800/100

ーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーー

魔力1000/100

ーーーーーーーーーーーー


1000を越えた所で魔素が吸収されなくなった。そして体がとても重く感じる。10倍までは取り込んでも何とかなる事が分かった事だしよしとしよう。外では魔力を使えば問題ないしね。明日は反発を試してみる予定だ。取り込んだ魔力どうしよう?と思ったが体のだるさもあり、そのまま耐えきれず眠りにつくのだった。
























まだ始まりの第1章ですが、少しでも興味を持ってくれた方は評価頂けると嬉しいです。


第2章を書き始めてますが、励みになりますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ