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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
魔導帝国の興亡

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ここから兜の解除を試みる。

「ミハイル、今確かに聞こえたな?」


「ああ間違いない。剣戟の音だ。」


僕はジュリアに指示を仰ぐ。

「ジュリア大変だ。

この先の森で戦闘の音がする。」


「・・・ 黒騎士との戦闘かもしれないわね。

ニコラ、ミハイル、シオリ、キョウカ、偵察をお願い。

残りの者はこの場で待機、」


強く降り注ぐ雨の中を音の方向へ急ぐ。

後ろからミハイルとシオリ、キョウカが僕に続いて走っている。

シオリが驚嘆しながら、


「ニコラくんの”銀の盾”は便利ね。

こんなに早く走っているのに、全く雨がかからないわ。」


僕は左手の銀の盾を進行方向に出していた。

弾く対象は”風雨”だ。

指定が”風”と”雨”に二つ同時では展開に若干時間がかかるが、

”風雨”と指定すると展開の時間は一瞬になる。

ギフトには研究の余地がまだまだあるのだろう。


森の中は雨で霧が立ち込めたようになり視界が悪い。

僕達は音を頼りに森の奥へと進む。

森の奥に近づくにつれ剣戟の音がだんだん大きくなってきた。

霧の向こうに何かが動くのも見える。


音の方向をよく見ると、二つの影と素早く動く一つの影が見える。

多分、素早く動く影が黒騎士なのだろう。

止まっている二つの影は動きが鈍い。

何処か怪我をしているのかもしれない。


僕は影が見える位置で歩みを止めた。

ミハイルとシオリ、キョウカも同じように止まる。


「おいニコラ。なんで止まるんだ?」


「ここから兜の解除を試みる。」


ゲルギオスさんの言葉が正しければ、あの黒騎士も洗脳の兜を装備しているはずだ。

それならば、その兜を解除すればその動きは止まるだろう。

問題はその後の処理だ。

前回はその辺りにあった植物を対象にした。

今回も周りの木々を対象にするしかないだろう。


僕は右手に洗脳の兜を対象にした銀の盾を出す。

それを拡大し動き回る影の範囲ごと盾で収納する。


ズギュギュギュギュン!!


右手が“黒騎士の兜の効果”を収納する。

前と同じ様に膨大な何かが流れ込んできた。

だが今回は前回と違い、少し楽だ。

吐き気もしない。


「ウガァアアアアアアア!!」


黒い影は苦しそうな雄叫びを上げたかと思うと、

全く動かなくなり、その場にうずくまったように見えた。


僕たちは急いで止まっている二つの影のもとへ向かう。

二つの影は親子らしく小さい影の方が大きい方の影に何か言っている。


「アディ、よく聞きなさい。

私はもうだめだ、ここへ私を置いてゆくのだ。」


「できません。お父様をこの様な所に置いてゆくなど・・・

お父様、しっかりしてくださいまし!

誰か!誰か!!」


僕たちが到着した時には父親らしい男の顔は青ざめていて息も絶え絶えの様だった。

話からすると少女は娘らしい。

手を握り言葉を交わしているが、まだ意識があるようだ。

娘を守るためにケガを負ったのだろう。

血みどろになり、流れ出た血の量から判断すると危険な状態だ。

近づいた僕達に気付いたのか男の方が


「おお、そこの旅の方すまないが頼まれてくれないか。」


「ちょっと黙って。」


男を黙らせるとシオリが手早く止血処理を行う。

傷口に油のような物を塗り止血する。


「とりあえず止血処理を行ったけど、

動かすと傷口大きなるかもしれまへん。

すんまへんが、キョウカ、カオリを呼んできておくれやす。」


「あ、それならついでにマロリオンも、

この黒騎士、様子が変だ。」


「わかった、まかしとき。」


キョウカは急いで今来た道を引き返した。

問題は黒騎士だ。

先ほど雄叫びを上げてからピクリとも動かない。

キョウカが戻ってくるまで、黒騎士を観察することにした。


黒騎士の両手にはそれぞれ黒い武器が握られているが、

握りがHの型をしていて、手に持つと拳の先に刀身が来る様な造りになっている。

その刀身は幅広で突くだけではなく斬ることにも使えそうだ。


「これは何という武器だ?」


「ジャマダハルだ。

たしか、北の方の民族が使う武器のはずだ。

俺もこいつにするか迷ったから覚えている。」


ミハイルは自分の剛拳をたたいた。

素手に近い武器なのだろう。


「使うか?」


「いや、遠慮しておく。

黒騎士が味方になった時に無いとまずいだろ?」



一時間もかからずマロリオンたちがやって来た。

キョウカの足の速さもあるが、マロリオンが移動速度を上昇させる呪文を使用した結果だ。

一緒にやって来たカオリは男の方に治癒呪文を使っている。

呪文の効果か、男の顔色も少し良くなっていった。

これなら、動かしても大丈夫だろう。

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