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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
魔導帝国の興亡

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他に情報は無いのか?

黒騎士

それは魔導皇帝によって改造された改造人間である。

人の倍の力と敏捷性、耐久性を持ち魔力により動く黒い魔道騎士。


だがそれは皇帝のギフト“複製”により多重複製された剣士だ。

多重複製によって人を越える肉体を手に入れたのは、

それは皇帝を多重複製するために行った実験の副産物に過ぎない。


実験体となる者は志願者だけでなく降伏した敵国の騎士、犯罪者などが使われた。

皇帝による実験は秘密裏に帝都の地下深く行われた。

皇帝グレゴワールはベッドに縛り付けられた実験体の前に立つ。


「クククク、わしのギフトでお前自身に重ねてを複製することで

お前の持つ力は数倍になるだろう!!

複製コピー!!」


皇帝がギフトを使うと実験体の体が多重にぼやける。


「う?うぐぅは、私の体の中に私が割り込んでくるっ!!」


実験体の男の体が軋む。


バキャバキャバキャバキャ


「うぎゃぁ!!」


男の体はあり得ない方向に曲がり物言わぬ肉塊となる。

既に男は絶命しているようだ。


「ふむ、十倍だとあまりの負荷に骨格が絶えれぬか。」


グレゴワールが手を振ると空間に穴が開き、肉塊となった男が吸い込まれる。

ベッドの上にはシミ一つない綺麗な状態になり、その上であった惨劇など連想できない。


クレゴワールの目的は自らを多重複製して問題が無いかの確認である。

今の複製も単なる人体実験に過ぎなかったのだ。


「負荷に耐えるための骨格、この場合、外骨格が必要か。

そして、我が命令に逆らわぬような措置も必要になるな。」


実験中に人を超える力で反乱を起こされた場合、彼自身も無事では済まない。

崩壊を防ぐ為、複製体には黒い鎧が取付けられた。

力は通常の人間の三倍。

兜の力で洗脳し、皇帝の命令通りに動く。

鎧が外部から魔力を供給することで、半永久的に稼働。

皇帝からの命を黙々と遂行し、反乱どころか文句さえ言わない。


正に理想的な兵士であった。


この黒騎士が量産されていないのは、多重複製自体に耐えうる素体の少なさである。

皇帝の手により作り出された“黒騎士”は全部で12体しかいないのだ。



―――――――――――――――――――――



黒騎士が“ゲルギオス・デミル”と言う名前の貴族であることは分かった。

僕たちには聞き覚えの無い名前だ。

貴族の名前に詳しいジュリアに尋ねても聞いた事が無いと言った。

多分、魔導帝国出身の貴族なのだろう。


「マロリオン。

他に情報は無いのか?」


マロリオンは呪文を集中し唱えるが名前以外の情報は手に入らない。

黒騎士の反魔法結界アンチマジックの魔力が高すぎるのだろう。

流石は魔導皇帝と言ったところである。


だが、このまま手をこまねいてみているわけにはいかない。

他に何を調べれば良い情報になるだろうか?


僕は黒騎士を見た時にある考えが浮かんだ。


“黒騎士の武器の名前は何だろう?“


ひょっとしたら、何かの手がかりになるかもしれない。

再度、識別呪文をするようにマロリオンに頼む。


「武器は“エクスキュショナー”、鎧は“活力の鎧”、兜は“洗脳の兜”だ。」


武器には物騒な処刑人エクスキュショナーという名前が付いていた。

首を斬る黒騎士の武器らしい名前でもある。

マロリオンは武器だけでなく他の物も識別してくれたのだ。

そのおかげで攻略に役に立ちそうな情報が手に入った。


兜が“洗脳の兜”なら、あの兜によって洗脳され、帝国の為に動いているのだろう。

では、兜は無くなった場合、黒騎士はどの様な行動に出るのだろうか?

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