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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
時代の始まり

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18/89

何も問題はない。人数分は確保されている。

さて、ゴブリン退治の結果だが問題なく終わった。

斥候が二人、盾役一人、攻撃役が二人、遊撃役一人、回復役一人、攻撃魔法役一人。

ゴブリン退治を行うには十分すぎる戦力だ。

マッピングもつつがなく終わり、僕たちは帰路についた。


スカディ先生を見ると誰かと話し込んでいる様な姿をしている。

その隣に体の細い人物がいるのが見えた。


「あれは誰だろう?」


「あれはスカディ先生とキュアさんやね。」


二人を見たキョウカが僕の疑問に答える。

どうやらゼフィール達を影ながら守っていた様だ。

僕たちに対するスカディ先生の様な人なのだろう。


二人は手紙を見ながら何事かを話している様だ。

残念なことにここからでは声は聞こえない。

時々頷いているが表情からすると深刻な話をしていないように思える。


しばらくするとスカディ先生達は僕らの所へやって来た。

その後ろにはキュアさんも一緒だ。


「よし、全員揃っているな。

今日はこの後に訓練は特に予定していない。


が、別邸の広間で伝達事項がある。


全員、宿舎に戻り広間に集合せよ。」


「宿舎?」


町に宿を取るか別邸の一室を使うものと思っていた為、聞き返した。


「別邸の別棟を宿舎にしている。

入口に向かって右が男子、左が女子だ。

間違えるなよ。」


と言って、スカディ先生は少し恐ろしい顔をした。

ミハイルはよからぬことを考えていたのか少し青い顔をしている。


「別邸は大き過ぎませんか?

ここに居る人数は両方合わせても八人ですよ?」


確かに、ジュリアの言う通り、この人数で別邸を使うには大きすぎる。

だがそんな疑問を払拭するかのようにスカディ先生は言い切った。


「ああ、何も問題はない。人数分は確保されている。」


「「「「「???」」」」」


スカディ先生の話に何か思うところはあったが別邸に移動することにした。

その帰り道、今日の探索内容について話す。


「ゴブリンは初めてだったけど、意外に簡単な相手だったな。」


「だが、ミハイル君。

あんなゴブリンでも上位種に率いられると今よりもずっと強くなるそうだよ。

魔法を使ってくるものも増えると聞くしね。」


「魔法か・・・俺は苦手だな。」


ミハイルとゼフィールが意気投合したのか色々話している。

タイプは違うが同じ前衛同士、何か通じるところがあるのだろう。

僕がそんなことを考えているとゼフィールがこちらを見る。


「そう言えば、ニコラ君。

君が最後に使ったあの技。あれは何だい?

ゴブリンが勝手にダメージを受けたように見えたけど?」


ゼフィールが言っているのは

僕がゴブリンの槍の攻撃を収納しそのまま返した事だろう。


「“オートリバース”ですね。

ゴブリンの攻撃を吸収してゴブリンに返したのです。」


と言ったら、ゼフィールは驚いた顔をした。


「君の収納は何も収納できないのではないのか?」


僕は答えるのに少し躊躇した。

だが、一緒に訓練していくと判る事だ。

言っても問題は無いだろう。

だけど、正確に言う必要はない。


「長い間収納は出来ませんが、一時的には収納できます。

それを利用して、収納即反撃の技として“オートリバース”を使ったのです。」


ゼフィールは頷くと


「なるほど、攻撃をそのまま返す技か・・・ よくわかった。

それとニコラ君はその技を弱いゴブリンに使って効果を確かめた様に見えたが、

違うかい?」


「ゼフィール君はよく見ているな。

その通りですよ。

弱いゴブリンで試してみないと・・・

いきなり強敵に使うのは無謀ですからね。」


効果は訓練で確かめている。

実戦で確かめてこその技であるというのはスカディ先生の教えでもある。

微妙に違うところもあるが大した違いは無いので

そう思ってくれていても問題は無いだろう。


僕たちはその他にもろいろな事を話しながら歩いていた。

別邸が近くなると、どういうわけか周囲に人が増えてくる。

人種も様々で、エルフ、ドワーフ、獣人族ビースト有角族ホーン等々

その場にいる様々な種族の人間がみんな同じ方向へ歩いていた。


僕が疑問に思っていると別邸が見えてくる。

その時、スカディ先生がなぜ“人数分確保している”と言ったかをよく理解できた。


別邸の周りには僕たちと同じぐらいの人々が大勢集まっていたのだ。

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