父の背中を追って
〜ガタンゴトン〜
〜ガタンゴトン〜
今日も電車に揺られて一日が始まる。
電車の窓からいつ度となく同じ景色が流れる。
案外、乗り慣れていても
窓から眺める好きな景色を待ち遠しく思ったりする。
今日は、○○駅で随分と人が乗る。
スーツを来てる年配のおじさんの集団。
「ここからどのくらいかかるんですか?」
濃いめのネイビーを着こなすおじさんが聞いた。
「一時間くらいですかねぇ。」
ベーシックなスーツを着こなすおじさんが答えた。
会話が続く中、集団を目にすると
亡き父の姿を思い出した。
きっと‥生きていたら
こんな風になっていたのかな。
平凡そうな、代わり映えのなさそうなサラリーマン。
でも、私にはなぜか、とっても幸せにそうに
映った。
きっと、乗り慣れた電車の窓から見える
景色に私がワクワクするように
一見、代わり映えなさそうなサラリーマンも
過ごす日々の中で何かにワクワクしたりするのだろう。
生きてることは、ただそれだけで
素晴らしい。