第2章 運命との戦い ※クレア視点※
投稿が大変遅れてしまい申し訳ありません…
体が弱く少し入院をしていました…
これからも時々投稿できないことがあるかもしれません。そのため投稿できるときに多く投稿致します。不定期投稿ではありますがこれからも温かい目で見守っていただければと思います。
それでは7話をお楽しみください。
授業は午前4時間、午後2時間の計6時間だ。
今は4時間目が終了して昼休みに入ったところ。私達は食堂に来ていた。と言っても、食堂で何か買うわけではなくアリア特性サンドウィッチ弁当を食べるためだ。
4人で落ち着いて食事をしようと話していたのだがすっかり私たちは注目を集めてしまい、落ち着いて食事どころか食事を取る暇さえないほど視線を集めていた。何人かは一緒に食事をしようと声をかけてきたが4人で食べたいと伝え引いてもらった。
「流石にこれほどの身分の奴らが集まれば厄介だな。」
「確かそうですわね。いくら公爵・侯爵家と言えども一家臣。陛下や他の有力貴族が束でかかれば即一族郎党取り潰しですもの。」
私とラザーは周りに人がいなくてもこの国で片手で足りる程しかない王族の血を引く公爵家の子息令嬢。故に人目があるところではお猫様を何十人も引き連れて仕草も言葉遣いも精錬されたものにしている。そんな私達を見ているアリアとアレクは苦笑いをしながらも同じようにお猫様を何人か引き連れる。
「さて、情報交換といこうか。」
「そうね。まずは転生前の事からかしら?」
「そうだな。まずは俺から。」
そう言ってラザーが話しはじめた。
「俺は前世では普通の一般家庭の長女だった。兄が1人と弟が1人いてな。で、このゲームをやりはじめたのが16歳の時だ。そして死んだのが18歳の時。交通事故だった。そしてこっちの世界に来た時…正確には思い出したのは15歳のときは今から約半年前だ。」
「そう、一つ質問をいいかしら?」
「ああ、いいぞ?」
「今さっき聞き捨てならないことが聞こえたのよ。」
そう、聞き捨てならない事だ。隣ではアレクとアリアも固まっている。
「前世が…女ですって?」
「ああ、女だ。」
私が微笑みながら聞き、それを同じく微笑みながら返すラザー。隣ではアレクが青白い顔をしている。
「俺は…女性と一緒に風呂に入ったり剣技の練習をしたのか…?」
と言う独り言とともにアレクは血がなくなるのではないかと言うほど更に顔を青白くさせていった。可哀想に、そりゃあ女性に向かって思い切り剣を交わらせ、挙げ句の果てにお風呂に一緒に入ったんですものね。
「今は男なんだからいいだろう?」
「それにしてもラザー様は何故そんなに男性として過ごせているのですか?普通なら女性の様になると思うのですが…」
「ああ、さっきも言った通り俺は男兄弟に挟まれていたから男勝りだったんだ。」
「男性の様な女性?」
アリアの頭にはてなマークが飛んでいる。それはそうだ。この世界ではいくら男兄弟に挟まれていたとしても女性は女性教育を受けるため、男性の様になることはない。
「私たちがいた世界では男女関係なく同じ教育を受けるのよ。ちなみに女性も働くわ。」
「ええ⁉︎女性も働くのですか⁉︎」
「ああ、男を部下にすることもあるぞ。女がトップって言う会社もあるしな。」
「かいしゃ?ですか?」
「会社って言うのはこちらの世界でいう商団のようなものですよ。」
「凄い時代だったのですね。」
たしかに。この世界からして見れば地球は凄いところだ。男尊女卑もあまりないし王政だって敷かれていない。女でも働くことができる世界なんて滅多にないだろう。
「では、次は私ですね。」
そう言って一拍置いてから話し始めたのはアレクだ。
「私は少し裕福な家庭の長男生まれました。父が会社の社長でして、私はその後を継ぐために毎日勉強漬けでした。そしてフラフラになって階段から落ちてしまいまして…不運な事故と言う感じの最後でしたね。」
「なるほどね。ちなみに私も交通事故で死んだのよ。つまりこっちの世界に来る人は…」
「理由はなんであれ『事故』で死んだやつか。」
アリアは私の後ろで黙って話を聞いている。が、その手は青ざめ震えている。当たり前だ。ここにいる者たちの死んだ時の話をしているのだ。
この世界の女性は深窓の令嬢として大事に大事にされている。下手をすれば『血』を見たことが無いという令嬢もいるかもしれない。
アリアもメディチ家に仕えているだけあって下級ながら男爵家の出だ。アリアは私をたまたま見かけたときに私に惹かれたらしく(自分で言うのは恥ずかしいけどね)男爵に無理を言ってメディチ家に使用人として私に使えるようになったらしい。
もし私に会わなければこの学校で『公爵令嬢』と『男爵令嬢』として会っていただろう。そんな元は深窓の令嬢だったアリアが死ぬという人類で一番の恐怖を味わった私達の話のみで体を震わせるのもある意味当たり前のことだ。
さて、次の議題は…
「これからどうするか、ね…。」