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第1章 自分の運命

ふと、クレアは思い出した。

今は夜の入浴中。従者のアリアに髪を洗ってもらっていると、ここは前世でどハマりしたゲームの中だと言う知識がなだれ込んできた。それはもう、ドバーッと。


ゲーム内容はと言うと、貴族と平民が通うロウデ学園に1人の転入生がやってきた。その転入生こそが、ゲームのヒロインである。


そのヒロインは天真爛漫で貴族にも怯えない強い心を持っている。その真っ直ぐな心に惚れた学園の王子が恋に落ちていく。そして、最終的には結ばれて可愛い子供が生まれる。と、ありきたりな王道ストーリーだ。


クレアはと言うと、ヒロインと結ばれる王子の婚約者であり、王国一の権力と財力を誇るメディチ家の長女。


普段はおおらかな美しい少女なのだが、婚約者に心底惚れているため、婚約者を奪おうとするヒロインに嫉妬していじめを行う。最終的には治安の悪い隣国に嫁がされるとある意味悲劇の悪役令嬢なのだ。



その全てを思い出したのはロデア学園の入学式2日前。鏡を見ると、やはりそこには悪役令嬢クレアの顔が。


流れるような美しい金髪は腰まで届くほど伸びている。透き通すような銀の瞳に、人間かと疑うほど真っ白な肌と不健康に見えないギリギリの細さを保つすらっと伸びた手足。薔薇色の頬に同じく薔薇色の唇。この美しい美少女がなぜ悪役令嬢なのか。



しかしここまできては仕方がない。もともとクレアはおおらかな性格で紳士淑女の憧れと世間では言われている。ならば取る行動は1つ。



「絶対に悪役令嬢にはならないわ!私は、絶対平和主義よ!」


「どうなさいました?」


「アリア!私、悪役令嬢なのよ!隣国に嫁ぐなんてまっぴら!」


「は…?とりあえず紅茶を用意しますので、そこでご説明ください。」



アリアは髪を乾かし終えてから紅茶を優雅にすすった。それはさながら、一枚の絵画だ。



「それでお嬢様、その前世…とは?」


「ええ、私は転生したのよ。この世界は、前世でどハマりしたゲームの中よ。」


「…そのゲームとは?」


「何だったかしら…そう!学園王子と平民少女〜身分差を乗り越えて育む恋〜よ!」


「それはそれは…これまたベッタベタですね。内容は先程ブツブツ言っておられたことですか?」


「ええ。だからアリア、私は絶対平和主義よ。平和に!平穏に!暮らしたいのよ‼︎」


「そうですか、まあ頑張ってください。」


椅子をガタンと言わせ立ち上がり、力強く自分の決心を語ったクレアと呆れ顔のメイドのアクア。赤い髪に黒の瞳と言う珍しい組み合わせを持った美少女だ。丁度彼女もクレアと同い年だったため、ロデア学園に入学が決まっている。



「しかしお嬢様、そのような事は信じられませんが…」


「無理もないわ。いきなりだものね。」



確かに常識を持ち合わせているならば病院に行ってこいと言いかねない内容だ。



「何か証拠があればいいのだけど…」


「それでは、お嬢様、こちらの問題を解いてくださいませ。」



アリアが出してきたのはクレアが前世で住んでいた日本では小学生レベルの問題だった。



「バカにしてるの?これくらい解けるわよ。」



クレアは心底不満そうな顔をしながら問題を解いた。



「…確かに前世の記憶があるようですわね。お疑いしてしまい申し訳ございません。」


「え?なぜ急に信じてくれたの?」


「それはお嬢様がこの問題を解けたからでございます。」

「これくらいは誰でも解けるわ。」


「いいえ、お忘れですか?お嬢様は「バカ」だと言うことを。おいたわしや、勉強以外は完璧ですのに勉強のみが壊滅的だなんて…」


「ねえ酷くない?私一応あなたの主人よ?」



クレアはアリアをにらんだがアリア相手には効かないようだ。

今回から投稿させていただきます。ことちゃんです。先に言っておきますとこれは一種の趣味のような者です。誹謗・中傷などをされると私のHPが大幅ダウンしますのでそのようなことはお控え下さい。では、改めまして私の処女作「悪役令嬢ですが絶対平和主義です!」を今後ともよろしくお願いします‼︎

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