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プロローグ
もう何度も読み返した本のページをめくる。
「花村さーん!花村雪さーん?点滴しに来たよ?」
「あ、看護師さん。そっか…今日点滴の日だっけ?」
「うん。今日はちょっと量多いかも…。」
そう言いながら点滴の準備をしてくれる。
5年前…咳が止まらなくて来た病院。
そこで私は'肺病'と診断された。
もともと体も弱く、心臓も少し悪かった。
そんなこともあり、そのまま入院となった。
そして5年間、入退院を繰り返して今に至る。
「雪ちゃん、ちょっとチクッとするよ?」
「…大丈夫、慣れたもん。」
「あはは、そうだね。」
いつもの場所に針が刺さる。
少しだけ痛いけど、もう慣れてしまった。
点滴は始まったようで、規則正しく液体が落ちている。
「もうすぐしたら先生が来るから、何かあったらその時に言ってね?」
「はーい。ありがと。」




