表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

#6 よくある出来事

 食べ物には困らなかった。だが、どうにも理解が出来ないでいた。

「モロー? また空みているのォ?」

 ランがひょいとモローの顔を見る。

「ああ。見てる」

「家が恋しいのね」

「ああ。恋人がいたんだ」

「! っそ、そうなんだァ~~っは、ははは」

 ランの言葉が強張る。

「デリカシーのない男な」

 たまたま、通りかかったギィドロニカが呟いた。聞こえるように。

「! あ、どこ行くんだよ」

「? 食糧見てくんだよ。手前はランと、うふふ! ってお花畑してろよ」

 トットットッ。

「行く! 俺も行く‼」

 ギィドロニカが嫌そうな顔をする。

 ランの顔を見たを上でだ。


(こいつ、もうちょっとよ~~はァ…)


 無言で行く。

「あ! 待てよ‼」

 それにモローもついて行く。

 ランが泣きべそになりながら「何よぉう」とぼやいた。


 ◆


「何か。最近空気、淀んでねェか?」

 モローが手を宙に持ち上げた。

「ま、いつもこんなんだぞ? あ゛ッ」

「?! え、何? 何??」

 ギィドロニカが思い出しように身体をびくつかせた。

「もうちょいしたら、エラい目に合うぞ……」

「!? なななな。何だよ、ソレッ」

「だから。腹はいつもいっぱいにしとけな」

 手元にあったパンをモローに投げつけた。

「っと! 脅すなよな‼」

 ガジ!

 モグモグ。

「ま。もうちょいしたら分からァ」

 ゴックン!


 ◆

 

 間もなくして、ギィドロニカが言うようなことが起きた。

 空が荒れだした。


 大きく揺れるような地震。

「わ゛ァ゛!」モローの身体が揺れる。

「おい、落ち着けっての」

「そぅだよ~~モロー」

 シロズニィも微笑ましく、のほほん、と言う。

「でも~~うちもいつも怖いよぉ~~う」


 シロズニィがランの頭を撫でた。


 そして、身体が横に浮かんだ。

「ぅお゛!?」

 そこからはあっという間で。


 モローたちは空へと吸い込まれていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ