#1 モロー
口をパクパクさせた。
とても息苦しい。
そして、堪らなく熱い。
モローが目を開けた。
「? こ、ここは??」
モローが辺りを見渡すとーー
横に倒れた朽ちた木、に
それに巻きつく雑草の蔓、や
白い家が二軒
これだけ確認すれば、ここがモローの家でないのは明らかだ。
それ以外は殺風景。
◆
唖然、そして呆然と座っていたモローに、いきなり声がかけられた。
「わー君が新入り君だねー」
突然の事で、モローは寝ていた体を、勢いよく起こした。
「?? 新入り?」
気がつけば、すぐ横に人がいた。
どうして気づかなかったのか。
それもーー複数人。
モローはさらに混乱した。
そりゃあ混乱もするだろうさ。
「あ゛~~男かよ」
垂れ目で筋肉質、いかつい人総の青年、ギィドロニカ。
「ギィドロニカ。男とか女なんて性別は、関係ないだろう」
注意をしたのはギィドロニカよりがたいのいい青年、デン。
「あ゛ん?? っふん」
ギィドロシカは、ぴしゃりと注意されたことに不服なのか、背中を向け家に入ろうとするがーー
「わ~~わ~~戻っちゃダメだってば~~」
そんな彼の背中に、ランが張りつく。
彼女はここにいる彼達より、ワンサイズ小さい。
だから、乗られても重くはない。
「! あんだよっ」
ギィドロニカは、そんな彼女にも容赦なく吠える。
キラキラン。
ランは涙をため、目を潤ませる。
「私たちは家族なんだよー?」
モローはこの状況が、まったく飲み込めない。
こんな無茶苦茶を、どう飲み込めと⁇
モローは、再び体を地面へと倒した。
◆
はた。
ふとモローは地面の不自然な影を見つけた。
そして、おもむろに宙に視線をやるーーとだ。
空に……
「?! 何だってェっ!」
死体が、浮いていた。
ぷかぷかーーと。
「‼--------っつ!」
モローの頭に以前あった、この状況と同じ事と、その対象方が浮かび上がった。
◆
今、すぐにやんないとーーみんな死ぬぞ!
俺は嫌だ!
死にたくなんかない‼︎