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鍵忘れ事件簿 (ノンフィクション)

作者: みづ きづみ
掲載日:2012/08/25

どうも、ユウダイです。

こんな下らない短編を読んでいただきありがとうございます。

このお話は実話です。

どーもー!

狂室を不評連載中のユウダイです!

本日は狂室の執筆をサボってつい先程くらいに体験した実話を書こうと思います。

それではどうぞ。



鍵忘れ事件簿


◇◇◇◇◇


あの時俺は、部活をいつもより早く終えて馬鹿みたいに有頂天になっていた。

「ふぅ~。暑いな。早く家に入ってクーラーつけてネットサーフィンするか~」

 僕はそんな言葉を言ってはいない、が心の中はそんな感じだ。

 家のドアの前に立ち、鞄の中を弄る。そう、この人間は(俺だけど)鍵を探していた。

(ふんふふーん。鍵は何処だ~い?ふんふ……………ふ?んあ?)

 ごそごそごそ。

 がつん!

 「いて!」

今の音は水筒に手が当たった音だ。

いや、そんなことより鍵が無い。

 俺は炎天下の下、鞄をまさぐりまくった。

「…………………。」

真剣になり、口数が減る俺。

やはり無い…………。

 ごそごそごそごそごそごそ。

 鍵が無いのを認めたくないので、俺はわかっていながらも鞄を探す。

無かったら……俺は物凄い時間の無駄使いになる………。

 今日……いやいつもだが、両親は仕事…母は午後7時まで父親は午後7時どころではない。妹も部活で大概友達と喋って帰ってくるので午後7時近くになる。

 つまり俺はこの暑い中を何時間も待たなければいけない。

 俺は絶望の底に突き落とされた。

だが、俺はあることを思い出した。

そうだ、母は確か……。

 母親はたまに俺が鍵を忘れるので(情けない)自転車小屋に入れてくれている時がある。

 俺はうきうきしながら自転車小屋を思いきり開けた。

 途端に手に激痛が走った。小屋の鍵が閉まっていた。だがこれは焦ることではない。ちゃんと鍵の番号を合わせれば開く。

 俺はその番号を知ってるので難なく鍵を開けた。

「よし……あるか?」

 俺はいつも鍵が置いてある場所を見た。

「………………………。」

うおおおおおおおおおお!!

 鍵マジで無いいい!!

やべえよ!どうするよ!こんなあちい中を待つのかよ!

 俺は再びさっきより深い絶望の底に落ちた。

うあああ。もう無理……。

 何が無理だったのかは分からないが、その時はそんなことを思っていた。

 俺は家の前で立ち尽くしているのは何か恥ずかしいと思い、家の裏に入った。何となく裏口のドアを引いてみたが無駄だった。

 行く宛もないので、愛犬の犬小屋にお邪魔することにした。犬はでかいので人一人が余裕に入れる大きさの犬小屋だ。

「よお。○○」

 俺は半べそをかきながら犬小屋にお邪魔した。

「またかよ」と声が聴こえてきそうな目を向けられて俺は居心地は悪くなったが、日光を遮れるのはここしかない。仕方なくそこで辛抱した。

 しかし、またこの犬は落ち着きがない。

 あんな冷たい目で見てきたくせに、顔をべろべろ舐めたり、ボールをわざとらしく俺の顔面にぶつけてきたり。

 遊んで欲しいらしいが、そんな労力を無駄にするようなことは出来ない。

 何故なら昼飯が喰える可能性はほぼゼロだからだ。

 俺は耐えた。犬の嫌がらせに。顔面べろべろ。ボールがべちゃっ。顔面べろべろ。顔面べろべろ。顔面にボールどこーん。顔面べろべろべろべろべろべろべろべろ。

 べろべろはもういいよ!

 俺はべとべとになった顔を体操服で拭きながら犬の頭を叩いた。

すると「ゥワウ!」とか言い出してなんか怒りだしたではないか。

「はいはいわーったよ」俺は犬をなだめるが効かない。当たり前だ。

結局吠えられて犬小屋を追い出され、俺は裏口のドアの下にいた。

 そこは少し屋根の様になっているので日光を最低限防げる。俺はそこで待つことにした。ああー暇。

 裏山を見ても面白くないし、蚊にぶすぶすと刺されるし。ここは地獄に最も近かった。だが俺は耐えた。時折家の前に行き、平静を装って鞄から水分を取り出して飲んだ。水分だけは有り余る程持って行っていたので、それだけは救いだった。

 こんなとこで熱中症にでもなったら、一生後ろ指を指される人生になるかもしれない。

「おい、あいつって鍵忘れて熱中症になったらしいぜ!」

「えー? マジかよ! 馬鹿じゃん」

みたいなことが……考えるだけでも恐ろしい。

 でも取り敢えず鍵忘れて熱中症はダサい。水筒には心から感謝した。

 そしてそれが何回か続き、5、6回目というところで俺の目にあるものが映った。

 水やりホース。

 ……何か俺はむしょうに草花達に水やりをしたくなった。

それにこれは良い!暇潰し&熱中症対策だ!

 俺は直ぐ様水やりホースに食い付いた。(別に喰ったわけじゃないよ)

 ホースを全部出して、蛇口を捻る。

「何がいいかな」

 何が、とは水の出方についてだ。

シャワーとかジョロとかあれです。

 俺は取り敢えずジョロにしてみた。

 水やりはジョウロでやるイメージあるし。

俺はカチカチとホースの先端を回し、ジョロに合わせた。

そしてレバーを押す(握る)。

ビュウウウウウウウウン!!

「うわ!」

 ジョロは予想以上に強かった。

普通にジョウロのなん十倍の威力だ。

 おかげで顔面に水がかかり、ついでに花がぼろりと取れた。これは親には言えない。

 俺は気を取り直し、どれが一番適しているかを試すことにした。

 そして一番良いのが………『キリ』。うん。霧。あの寒い朝にむぁーってなってるあれ。

あれが一番弱くて丁度良かった。

それに自分にも掛けれた。

霧だからびちゃびちゃにならないから丁度いい。もうキリ以外はいらないんじゃないだろうか。

 と、まあそれは置いといて、俺は水やりを開始した。

何かたまに親子連れが歩いてくるので、飽くまで平静を装って「こんちは~」とか言った。

 正直……めちゃくちゃ恥ずかしい。

俺は何とか水やりを終えて、ホースを元に戻した。

 腕の時計は現在1時を示している。

なんかやけに時間経過が早いと思った人はすいません。その間にも色々……無かったんです。ただ、犬小屋で寝てました。

そして…水やりから少しした頃。

そう、そうです。あの展開です。

 俺の頬を不意に何かが打った。

それに触れてみる。

ぽつぽつぽつ、ざざざーーーーーーーーーーーー

うっそおおおお!!!

雨かよ!!!!

 俺は持ち物の危険を察知して家のドアの前まで走った。

 予想通り、風のせいで雨が斜めに降っており、鞄が濡れていた。だが、そこまで重症ではない。まだ間に合う。

俺は外に折れた捨てる予定の傘を見付け(神の思し召しだと、その時は本気で思った)、鞄の上に重ねた。

取り敢えず助かった。

俺は胸を撫で下ろす。

それから数十分。

中々止まない雨。

 そんな中、一人の男性が家を訪ね回っているのが見えた。

 俺はその時はセールスか何かだろうとシカトしていた。シカトする前に近くにまだ来てなかったけど。

で、段々と家から家へと移り。

遂に俺の家の前まで来た。

しかし…………。

おい!

スルーかい!

まあ、当たり前だろう。

 その男性は俺の格好と鞄を見て家に誰もいないと判断したんだろう。

馬鹿でもこれだけの判断材料があれば分かるだろう。

そして通り過ぎ、右隣の家。

 セールスマンか何かは知らないが、雨の時も頑張ってるとは。

俺は意味もなく関心した。

 俺はそのセールスマンのおっさんを見ていた。

小さく声が聴こえる。

「すいません。○○★●ですが」

「……そうですか。どうもありがとうございました」

ふむ、門前払いされたのに感謝とは。

 物凄く暇だったので、いろんなことに意識がいった。

 俺はその時セールスマンは次の家を目指すのだろうと思っていた……が違った。

おっさんセールスマンは俺の目の前に来た。

俺は身じろいだ。

おっさんが言う。

「どうしたの?」

おお。見掛け通りの優しい声。

俺はこの瞬間に緊張がほぐれた。

「……ああ、あの鍵忘れてしまって入れないんす」

 たしかこんなことを言った気がする。

「わあーそれは大変だね。両親はいつ帰ってくるの?」

「7時くらいっす」

 するとおっさんはやけに驚き「ええ?7時?!」と言った。

「はい。妹も同じくらいなんで」

俺は半ば自嘲気味に言う。

「部活をしてたの?」

おっさんが聴いてきた。

質問多いな。まあいいか。暇だし。

「はい」

 ここで俺は自分がキャプテンであることを明かす。するとおっさんが食い付いてきた。おっさんもどうやら陸上部だったらしい。なんと奇遇なことだ。

それから俺はおっさんと語り合った。

軽く1、2時間は話した。

 おっさんは俺の通う学校と近い別の学校の陸上部だったらしい。

最後におっさんが俺に握手を求めて来た。そういえば話してるときも君を注目して見るよ!とか言ってたな。俺もおっさんも年代を越えて友達になれた気がする。俺も快く握手に応えた。何かその時は涙が溢れそうだった。

そしておっさんが去って行く。

 俺は去り際に親父の会社のことを言っておいた。云わば宣伝。一応小遣いアップの為に。おっさんは笑いながら家族おもいなんだね!とか言ってた。 そういうつもりじゃないし、このおっさん56歳のくせに何か無邪気だった。俺はおっさんに苦笑して手を振った。

 何だか幸せな気分になった。でもまだ4時。俺はまたもや暇地獄に落ちた。

はあーしかも腹減ったぁあ。昼飯喰ってねぇんだなそういえば。

 俺は恥じを忘れて家のドアの前で寝転び、腹を鳴らした。


 そして数分後(いや数十分だったかな)

俺に救いの手をさしのべてくれる女神が現れた。

 それは近所の主婦。よくバーベキューを一緒にする、家族の主婦だ。2児の母親なのにとても美人。俺の母親とは大違いだ。

 女神は俺にアイスと何故か知らないが梅昆布をくれた。

 そして「おばちゃん今から歯医者いくからあれやけど、家にいる?」おばちゃんではない。お姉さんだ。いや、とにかく、家は無理だ。迷惑を掛けてしまう。

 俺は丁重にお断りし、そのアイスと昆布のお礼を言った。

 女神は最強の微笑みを浮かべて去っていった。俺は有り難くその天からの供物(?)を頂いた。すかすかの腹にアイスと昆布が染みた。

そこからはまた暇地獄だ。でももう少しの辛抱。あと2時間程で帰ってくる。

 俺はあることを思い出した。

5秒ストップ。この時点でアホだ。

タイマーで5秒丁度で止めるという他愛もない遊びだ。だが、今の俺にはゲームと同等の価値がある。俺は家の前でやるのは恥ずかしいので裏ですることにした。

まずは5秒ストップ。

いけ!

5”10

くそ!次だ!

5”05

5”03

5”06

5”21

5”03

そんなタイムが続いた。

かなり長い戦いだった。

だがついに

5”00

「はっ!」

俺は嬉しくて声も出せなかった。

この記録は今も大事にとってある。

そして俺は次のランクに挑んだ。

10秒ストップ…。

だが、これはあっさり終えた。

5回目くらいであっさりと丁度のタイムが出た。

次は15だ。

俺は天才かも!とか自負していた。

 だが、15秒の壁は厚かった。

 結局飽きるまで、ラップがまんぱんになるまでやったが、丁度は出ず、そこで諦めた。

「ふうう。」

 無駄に気力を使い、疲れた。

 俺はウッドデッキの階段に座って少し休むことにした。

 座って壁にもたれかかる。

そして数分が経過したとき俺は何かに気付いた。

ハンマーがある。

そしてネジも。

 親父がそういう仕事に勤めているので工具は多い。

俺はあることを考えた。

まあ、単なる暇潰しだが。

ハンマーとネジで石を割る。

これだけ。

でも以外と楽しくて次々と石を割っていく。

これで大分暇潰し出来た。あと数分というところ。

俺は待った。

とにかく待った。

ハンマーで石を殴りながら。

そして7時を越えた。

あれ?おかしいな。

俺は腕時計を確認する。

7時10分。

うーん。

あいつ、またちんたら帰ってるな。

妹に毒付く最低な俺。

そしてふと家の方向に目をやった。

!!!!!!!!!!!!

そこには煌々と輝く明かり。

家から漏れていた。

いるじゃん!!!!

俺はこの日、8時間もの間家の外をぐるぐると遊んでいた。






泣く。

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