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廃線
あの日から
電車は
通らなくなった
銀色に
光っていた
レールに
いつしか
さびが浮かび
やがてさびたレールも
取り外されて
跡地には
レールの跡だけが
うっすら残っているばかり
しかしレールの鉄よ
満員電車を支え
赤い夕日を反射し
真夏の太陽にもめげず
よく働いた
きっと忘れない人もいるさ。
それを喜びとせよ。
溶けてお前は
今度はなにになるのかなあ
大昔、お前は、どこかの星だったという
星には戻れないだろうから
釘や鉄骨になって
お役に立つのだろうか