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漂流船
少なくとも人生の
65パーセントは終わってしまった
今こうして元気でいるという事は
ほぼ日々がつつがなく過ごされてきたということさ
だから残りの35パーセントについて
思い煩うことはやめよう
これから先
自分がどうなろうと
知ったことではないさ
できるだけ
身を軽くして
文字の友となって
日々を
生きよう
電子辞書や
キンドルにさえ
数千の小説が
読まれずに
私を待っている
もはや
作品を書いて
有名になろうとか
収入を得ようとか
そんなことはどうでもよい
私は千億の
文字の星々の銀河を
漂う
船となるのだ