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遺された二文字


実家の空気は、線香の匂いと静寂に包まれていた。 上手から、次男が緊張した面持ちで歩み寄ってくる。その手には、重々しい白い封筒が握られていた。

「兄さん・・・これ、父さんからの遺書」 「遺書、書いてたんか。生前あれだけ喋ってたくせに、死んでもまだ喋り足りんとは、あの人らしいな」 「兄弟を代表して、兄さんが開けてよ」

長男は震える指で封筒を切り、中身を取り出した。 墨痕鮮やかに、力強い書体で、たった二文字だけが記されていた。 長男はその紙を高く掲げる。

「「友よ」」

二人の声が重なった。 感動か、困惑か。父が最後に遺した言葉は、あまりにも唐突で、けれど何かの予感を孕んでいた。

「「友よ・・・!?」」


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