2/3
遺された二文字
実家の空気は、線香の匂いと静寂に包まれていた。 上手から、次男が緊張した面持ちで歩み寄ってくる。その手には、重々しい白い封筒が握られていた。
「兄さん・・・これ、父さんからの遺書」 「遺書、書いてたんか。生前あれだけ喋ってたくせに、死んでもまだ喋り足りんとは、あの人らしいな」 「兄弟を代表して、兄さんが開けてよ」
長男は震える指で封筒を切り、中身を取り出した。 墨痕鮮やかに、力強い書体で、たった二文字だけが記されていた。 長男はその紙を高く掲げる。
「「友よ」」
二人の声が重なった。 感動か、困惑か。父が最後に遺した言葉は、あまりにも唐突で、けれど何かの予感を孕んでいた。
「「友よ・・・!?」」




