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クラスから追放された最弱の俺。最強スキル【コピペ】で成り上がる。  作者: あーる


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新たな景色

 冒険者ギルドの扉を押し開けると、中の喧騒が一瞬だけ静まり、多くの視線が俺に集まるのを感じた。


 無理もないだろう。全身は泥と汗で汚れ、服には戦いの跡が生々しく残り、そして何より、担いだビッグボアの牙が否応なく人々の目を引いていた。


「お、おい、あれ見ろよ……ビッグボアの牙じゃねえか?」

「マジかよ、誰が倒したんだ? まさか、あのルーキーか?」


 ざわめきが広がる中、俺はそんな視線を振り払い、一直線に受付カウンターへ向かった。


「エマさん、ただいま戻りました! ビッグボア討伐、完了です!」


 カウンターに牙をドスン、と音を立てて置くと、エマさんはその大きさと見事さに息を呑んだ。


「そ、ソウマさん! これを……本当に、お一人で!? 信じられない……! とにかく、お疲れ様でした! そして……おめでとうございます! 試験、見事合格です!!」


 エマさんは、自分のことのように喜び、満面の笑みで祝福してくれた。


 エマさんは手際よく手続きを進め、俺のギルドカードを受け取ると、カウンターの下にある魔道具らしきものにカードをかざした。


「はい、どうぞ! これでソウマさんは、今日から晴れてEランク冒険者です! これまで受けられなかったCランクまでの依頼も受注可能になりますし、依頼報酬の基本レートも少し上がりますよ! 本当におめでとうございます!」


 新しくなったギルドカードを受け取る。たった一文字の変化。だが、その一文字が、今の俺にとってはとてつもなく重く、そして誇らしいものに感じられた。


 その時だった。


「ちょっとソウマ! あんた、もしかして……もうEランクになったの!?」


 聞き覚えのある、少しぶっきらぼうだが快活な声。振り返ると、そこには驚いた表情のリーナが立っていた。どうやらギルドに依頼を探しに来ていたらしい。


「ああ、さっき合格したところだ」


 俺が答えると、リーナは信じられないといった顔で俺とビッグボアの牙を交互に見た後、ふっと笑みを浮かべた。


「へえ……やるじゃない! この前森で会った時とは大違いね! ちょっと見直したわ!」


 素直な賞賛の言葉が、なんだか少し照れくさい。


「まあ、あんまり無茶しないでよね。死んだら元も子もないんだから」


 ぶっきらぼうな口調は相変わらずだが、その言葉には確かな気遣いが感じられた。


 俺たちの周りでは、他の冒険者たちも俺のランクアップに気づき始めていた。


「おい、マジかよ。あの数日前に登録したばかりのガキが、もうEランクだぜ?」

「ビッグボアをソロ討伐って噂は本当だったんだな……」

「へえ、見かけによらねえもんだ。少しは骨のある奴だったか」


 囁かれる声の内容は、以前の嘲笑や無関心とは明らかに違う。


 好奇心、驚き、そしてほんの少しの警戒と尊敬。


 俺を見る周囲の目が、確実に変化しているのを感じた。こ


 俺はリーナに礼を言い、早速Eランクの依頼が貼られている掲示板へと向かった。


「隣町までの商人護衛:道中の魔物や盗賊からの護衛。日数3日、報酬:銀貨1枚」

「廃坑ダンジョン深部調査:未踏破エリアの地図作成と、魔鉱石のサンプル採掘。危険度高。報酬:銀貨2枚+成果報酬」

「貴族からの指名依頼:庭園に出没する凶暴な害獣(名称不明)の駆除。成功報酬:銀貨3枚」


 銀貨! 銅貨100枚分に相当する高額な報酬だ。依頼の内容も、単なる採取や討伐だけでなく、護衛、探索、指名依頼と多岐にわたる。


 これがEランクの世界か……!


 新たな挑戦への意欲が、むくむくと湧き上がってくるのを感じた。


「……よし、今日くらいは、少しだけ祝おう」


 俺は自分へのご褒美として、ギルドに併設されている酒場(で、いつもより少し豪華な食事をとることにした。焼きたての肉とパン、そして冷たいエール。銅貨数枚の贅沢だが、今日くらいはバチは当たらないだろう。


 温かい食事とエールが、疲れた体に染み渡る。


 周囲の冒険者たちの賑やかな会話に耳を傾けながら、俺はこれからのことを考えた。ス


 食事を終え、満足感と共に宿への帰路につく。Eランクのギルドカードをポケットの中で握りしめる。その感触が、俺に新たな自覚と決意を与えてくれた。


(ここからだ。俺の本当の成り上がりは、ここから始まるんだ)


 宿の部屋に戻り、ベッドに倒れ込む。明日はどの依頼に挑戦しようか。護衛依頼で人と関わる経験を積むのもいいかもしれない。あるいは、廃坑ダンジョンに挑んで、未知の素材や情報を手に入れるか。それとも、少し時間を取って、コピーした弓や槍のデータを元に、スキルでの武具生成を試してみるのも面白そうだ。


 Eランク冒険者、相馬巧としての新たな一日。その始まりに思いを馳せながら、俺は心地よい疲労感と共に、深い眠りへと落ちていった。

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