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正義のヒーローと正義のヒーローの頂上決戦  作者: 星狼


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2/2

話し合いで解決しましょう

警察官は少し厳しい表情で続ける。


「正社員だったらこんな事してたらダメじゃないですか? お兄さんだって、お仕事先に迷惑かけたくないでしょ?」


セイギは拳を握りしめ、熱弁する。


「そ、それは分かってる! でも俺にしかできないことなんだ!」


警察官は穏やかに説得する。


「お兄さんにしか出来ない事は、しっかりお仕事先でケーキ作る事でしょ? この辺のケーキ屋さんって言うたら限られてますよ? お兄さん、お仕事先に迷惑かけたくないでしょ?」


セイギは唇を噛み、声を震わせる。


「くっ…確かに職場にバレるのは避けたい。でも、みんなの平和を守らないわけにはいかないんだ!」


警察官はメモ帳をしまい、優しく提案する。


「もうね? 平和を守るのは、我々警察官に任せて下さい。それでお兄さんも、イリファスさんに思う事があるなら、そんな格好でうろちょろせんでも、お仕事帰りに付近の交番に寄ってくれたら僕ら話聞きますから。」


セイギは俯きながら言う。


「わかった…交番に寄るようにする。」


警察官は優しげに答える。


「ほな、お兄さん、今日は見なかった事にするから。ねっ? 最近、銀ピカの変な人が街彷徨いてるって通報相次いでるんですよ。お兄さん、先週の金曜の夜も、その格好でなんかしてたでしょ?」


セイギは肩を落とす。


「まじか…気づかれてたとはな。でも、あの日は本当に人助けをしていただけなんだ。信じてくれ。」


警察官は笑みを浮かべ、メモをしまう。


「もう、それはこっちは何十年と人見てますからわかります。お兄さん、悪い人じゃないです。そんな悪い人はケーキさんの社員になりません。ただ、お兄さん、そんな銀ピカの格好でうろちょろしなくても、何かあったら先ず警察に通報して下さい。通報あったら僕ら動きますんで。」


セイギは銀ピカのマスクを外し、苦笑いを浮かべる。


「すまない、心配をかけちまってな。今後は目立たないよう気をつけるさ。」


警察官は指を差す。


「じゃあ、お兄さん、今日はもう帰りなさい。着替えとか持ってるの? そこのトイレで着替えておいで。」


セイギは頷き、路地の奥へ歩き出す。


「ああ、近くの公園のロッカーに入れてあるんだ。心配かけちまったな。すまない。」


繁華街のネオンが、セイギの銀ピカスーツを照らす。ヒーローの使命は、職務質問で一時休止となった。

この戦いに勝者はいない。

何故なら、二人には同じ『熱き正義の魂』があるからだ。少しの食い違いが起きてただけ。

皆、いい人。うん、凄くいい人。

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