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プロローグ
「逃げて!!」
目の前で僕の最愛の彼女が叫んだ。
「えっ!?でも…」
僕は何もしていない彼女を置いていけない。あたふたしていると、警察官と目があった。
「私のことはいいから!逃げて!!」
僕はスマホとカバンを持ってとっさに走り出した。狭い路地を曲がり、走っていく。頭よりも先に体が動いた。
警察官は僕を追いかけてくる。僕は曲がり道をうまく使って逃げ切ることが出来た。
僕は身を潜める事のできる場所を探し、狭い路地を歩いた。
息が整わないまま、路地を抜ける。
たどり着いた場所は僕の家だった。こんな所にあるはずもない家。