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第3話.教皇様が俺に気があるって本当ですか?

「というわけでドウテイ殿、王様からお許しが出たら、リーナ様と”ベロチュッチュ”をして貰いたい」


「あの〜、”ベロチュッチュ”って、具体的に何をするんですか?」


···

沈黙。


「···今日は、いい天気だな」


話の逸らし方下手くそか。


「なに、ドウテイ殿もまさか”初めて”というわけでもあるまいし、案ずることはない」


「字面から想像するに、多分、初めてだと思われるのですが」


「ははは、ドウテイ殿の冗談は面白いな。君ほどの年頃で、君ほどの男前が、まさかディープキスをしたことが無いとは、そんなわけなかろうて」


あぁ、やっぱり、ディープなキッスの事なのか。


「あの〜、俺、ディープなヤツどころか、普通のキスもしたことなかったりして···」

自分で言ってて、ちょっと悲しくなる。


「なんと!?それは(まこと)か!?」


真です、残念ながら。






「むむむ、そうであったか···これほどの良い男がのぉ。どれ、わらわが少し味見を···いや、いかん、いかんぞティアナ!かの者はこの国を救う伝説の”ドウテイ”なのだ。そのような粗相(そそう)御法度(ごはっと)ではないか···いや、果たしてそうか?減るものでもなし、特に禁じられてないなら別に構わんのでは···いーや、やっぱりダメかのぅ」


「あの〜、ティアナさん?」


「ドウテイ様、気にしないでください。いつもの”発作”みたいなモノです」

「しばらくしたら勝手に自己解決して落ち着きますゆえ、少々お待ち下さい」


「は、はぁ···」






それから3分程経っただろうか、ティアナさんは平常を取り戻したようだ。


「コホン。ドウテイ殿、お見苦しいところをお見せしてすまなかったな」


「い、いえ」


「というわけで、リーナ様とヤる前に、わらわと少し”練習”してみようではないか♡」


ああ、自己解決した結果、そっちに帰結しちゃったんだ···


ヒソヒソ

「10程歳の離れた男に色目を遣う姿は見てられんな」

「いい歳して”♡”など付けおって、見とるこっちが恥ずしいわい」

「”練習”って建前を主張するところが、コザカしいといかズルいというか···」


「コラッ!そこっ!聞こえとるからなっ!」






「ティアナさん、すみません。魅力的な提案だとは思いますが、俺はそれをお受けすることはできません···」


「な、なぜだ?わらわとするのは、その、イヤなのか?」


イヤなわけない。

正直、めちゃくちゃしたい。

だけど···


「そういう事って、なんというか、そう軽はずみにすべきではないと思うんです。ティアナさんが素敵な方だからこそ、雑な扱いをしたくないというか、不誠実な事はしたくないというか···うまく言えないけど、とにかく、俺は”練習”みたいなカタチであなたと”そういう事”はしたくないです、すみません」


こういう”据え膳”を食えないところが、”童貞臭さ”なんだろうな。


多分将来、『あの時ヤっておけばよかったー、もったいねー!!!』と、眠りにつく前にベッドで悶々と後悔するような気もするが、それでも、これが俺の”生き方”だ。


間違っていると気づいていながら、それでも自ら選択し突き進む、天童貞治という男の”生き方”を、俺は否定したくない。






「え、ドウテイ殿、イケメンな上にめちゃくちゃ誠実で真面目な人じゃん。こんなの、わらわ好きになってしまう///···てか、もう好き♡好きになってしもうた♡目の前に”すきぴ”が居るんですけど、ヤバッ♡」


ヒソヒソ

「ありゃあ、惚れたな···」

「ああ、目が♡になっておる、みっともない」

「ドウテイ様も難儀よのぅ。面倒なのに絡まれて···」

「”あんなの”でも容姿だけは申し分ないし、まぁドウテイ様にとっても悪い話では···いや、あまり無責任な事は口にできんな」


「ときにドウテイ殿、その、歳はいくつかの?」

「え、17ですけど」

「じゅ、17か〜、結構若いのぅ···」

「?」


「その、あの、えっと、ドウテイ殿は、歳上って、アリかの///?」

「アリ?」

「だから、その、恋愛対象として見れるかどうかという話なのだが///」

「人を好きになる事に、年齢差は関係ないと思いますけど」

「キュン♡じゃ、じゃあ、9歳上でも···その、大丈夫かの?」

「俺は大丈夫ですけど···」


「ヤッタ♡わらわにもチャンスあるじゃん♡イケるイケる、頑張れティアナ!歳上の色気で押していけ!」


「ただ、俺が今好きな相手は、同じ歳の幼馴染ですけど···」

「ほえ?」

「いや、だから、今は同じ歳の相手が好きなんで、歳の差とかあまり関係ないんですけど···」





うつむいたティアナさんが、プルプルと肩を震わせる。

「ど···ど···ど···」

「ど?」


「ドウテイ殿のバカー!20代後半の女に期待させんなチクショー!うゎあ〜〜ん、バカ、アホ、イケメン!!!」


涙を流しながら、俺に向けて捨て台詞を吐き、走り去る彼女。


···騒がしい人だなぁ。

美人だし、悪い人ではなさそうだけど。


「すみません、ドウテイ様、あのアホ、いえティアナ様は少々(こじ)らせておりますゆえ」

「”あんなの”でも、(残念ながら)我々の上司なので、御手柔らかにお願い致します」

「中身は”アレ”ですが、外見”だけ”は良いので、宜しければドウテイ様が人柱(ひとばしら),もとい恋人になって頂ければ我々の心労も減るかと思うのですが···」


「は、はぁ···」

デカニュウリング教は、色々と気苦労の多い組織のようだ。

代表作「妹よ、俺をオカズに致すなよ!」の方も宜しくお願い致します。

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