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第1話.俺の部屋のゴミ箱が異世界に繋がってるって本当ですか?

代表作「妹よ、俺をオカズに致すなよ!〜変態兄妹の特殊性癖女子攻略作戦〜」の連載の傍ら、異世界モノにも挑戦してみようと連載を始めました。


あくまでも代表作の連載が最優先なので、

こちらの連載は、完全不定期更新の予定です。

代表作の方も、ご一読頂ければ幸いです。

「ふぅ···」

今夜もまた、幼馴染の夏帆(なつほ)平沢(ひらさわ)夏帆(なつほ)をオカズに致してしまった···


5割の疲労感,4割の満足感,1割の罪悪感を感じながら、左手に掴んでいる”使用済み”となったティッシュをクシャッと丸め、ベッドサイドのゴミ箱へ投げ入れる。


···じゃあ、寝るか。


思春期がもたらす病のような欲情を発散した俺は、眠りの体勢に入るべく枕に頭を乗せようとしたが、その直前、いつもと様子が異なるゴミ箱が目にとまった。


何故か、ゴミ箱が光っていた。


青白く、ボヤケたように光るそのゴミ箱の中を、恐る恐る覗き込む。


ティッシュの消費量が異常に多く、家計にダメージを与える俺に対して、意地の悪い姉ちゃんがイタズラでも仕掛けてきたのかと思ったが、どうやらそういう事ではないようだ。


そのゴミ箱の中の様相は、一介の高校生の目から見ても、明らかに異常な状態だったからだ。


な、なんだよ、コレ···


そう、昔見ていたアニメで、似たようなモノがあったような記憶がある。


そんな、ぐるぐると渦巻く、まるで異世界に通じていそうな光輝く”穴”が、俺の部屋のゴミ箱の中に突如として現れた。






俺は、何かに導かれるように、誰かに操られているかのように、その”穴”へ手を伸ばす。


スーっと、身体が軽くなっていくような感覚の強まりと共に、意識が少しずつ遠のいていく。


不思議と、恐怖心は無かった。

この世に対して、あまり未練が無いからかもしれない。


ただ、もう夏帆に会えないかもしれない、彼女の笑顔をもう拝めないかもしれないかと思うと、それだけは素直に心残りだと思った。


最後の(とき)、家族ではない異性のことを想えた自分の人生は、存外幸せだったのかもしれないと思い至ったところで、俺の意識は完全に途絶えた。






「〜〜〜〜〜」 「ーーーーー」

···ん?

周囲の”音”に反応し、目が覚める。


死んでいない。

とりあえず、生きているのか、俺は···


仰向けに倒れている俺は、白煙に包まれている状態だった。

そのため、周囲の様子は確認できていない。


「どうだ、成功したのか?」

「これで4545回目の”召喚の儀”だが、今までとは明らかに様子が違う!上手くいったのではないか!?」

「そう慌てるな、直ぐに結果は分かる···」

「気が早るのも無理はなかろう。我々にはもう猶予は無いのだ」


なんだ?複数のおっさんの声?


程なくして、白煙が消え、視界がクリアになる。


何故か全裸になっている俺は、礼拝堂のような謎の空間で、いかにも聖職者といった装束を身に纏う十数人の男たちに取り囲まれていた。






「おおー!現れた!成功だ!」

「4545回目にして遂に!」

「やったぞ、これでこの国は救われる!」


「早まるでない、まだこの者が”そう”だとは限らんであろう」


女の声?

背後から聞こえた、比較的若い女の声に反応し振り返る。


な!?


俺の背後に居たのは、20代中頃から後半位の年齢と思われる女性だった。


女盛りの色気ムンムンで、今こそが彼女の全盛期に他ならないであろうことが俺には一瞬で理解できた。


この熟れ具合は丁度食べ頃だな、と思わずスケベな思考を巡らせてしまうような、そんな男の下心を刺激する美女だった。


ウェーブのかかった長い黒髪。

造形の整った、非の打ち所の無い美術品のような顔のパーツたち。

白く透き通る、シルクのような肌。

何カップあるのか定かではないが、”3ケタ超え”も有り得る程豊満なバスト。

その胸部のサイズに準ずるように、ぶるんと張り出た美しい曲線のデカ尻。

その乳と尻の間を取り次ぐ、引き締まった腰のくびれ。


正に、童貞男子の理想を具現化したようなその美女は、他の男性陣とは異なり、肌の露出が非常に多い装束を身に纏っていた。


ていうか、明らかにマイクロビキニだった。


聖職者風の首飾りやイヤリング,髪飾り,ブレスレットを身に着けてはいたが、それ以外は普通に、装飾のあしらわれた青いマイクロビキニと言って差し支えない姿だった。


しいて言うならば、”踊り子”という表現が最も適切かもしれない。


何なんだ、この痴女は···

全裸の俺が言うのもなんだが。


まさか、素人参加型のAV撮影に巻き込まれたわけでもあるまいし。






いたって真面目な表情のまま、美女が口を開く。

「君は、人間か?」


人生で始めて聞かれたな、そんな特異な質問は。

その意図が、哲学めいた意味合いではないことは分かっていたので、ここは素直に答えるとしよう。


「あぁ、安心してくれ、人間だよ。俺は貞治(さだはる)天童貞治(てんどうさだはる)、17歳の高校2年生だ」


「テンドウ、サダハル···変わった名だな」


「結構自分の名前は気に入ってるんだけどな。まぁ、周りには、真ん中を切り取って”童貞(どうてい)”って呼んでくる奴らもいるけど」


「ドウテイ!やはり、君はドウテイなのだな!」

俺が童貞である事が分かり、声のトーンが高まる彼女。


なんで俺が童貞だと、彼女が喜ぶんだ?

男子高校生の筆下ろしが趣味だったりするのだろうか。


それなら是が非でもお手合わせ願いたいのだが···






「こっちが名乗ったんだ、そっちも名前ぐらい教えてくれないか?」


「おっと、これは失礼した。ドウテイ殿の出現に、つい興奮が抑えられなくてな」


名乗らない事より、初対面の相手を童貞呼ばわりの方が間違いなく失礼だと思うが···


「わらわは、ファンザニア王国に仕えるデカニュウリング教の教皇、”ダッチワイフール・ショーツ・パン・ティアナ”と申す。”ティアナ”と呼んでくれて構わんよ」


···なんか色々言われたが、今はそれは置いといて···


「ティアナさん、1つ聞いていいか」

「なんだ?」


「俺は、あんた達の、その、デカニュウリン?教によってここに連れてこられたのか?」


「正しくは、デカニュウリング教だ」


彼女が腕を組む。

と、その豊満な双丘が窮屈そうに身を寄せあい、より強調された形状となって俺の目に飛び込んでくる。


うおっ!すげ~乳。


「わらわ達が、この”ホワイト・コクーン”の創造主である”ドウテイ”の召喚の儀式を行った結果、その成果として君がこの場所に顕現したのだ」


そう言った彼女は、手に持っていたひどく見慣れた”ソレ”を、俺の眼前に掲げた。


「これが”至宝”と称されるレアアイテム”ホワイト・コクーン”だ」


え?これって···

「ちょっと、ソレ、貸してもらってもいいか?」

「よいぞ」


ホワイト・コクーンと呼ばれたソレを受け取り、臭いを嗅いでみる。


クンクン。

うん、この臭いは間違いなく”アレ”の臭いだ···


クシャクシャに包まれたソレを開き、内側の状態を確認する。


まだ乾燥していないこの鮮度···間違い無い。

これは、さっき俺が夏帆をオカズに致した時の、”使用済みティッシュ”じゃねーか!!!


「ドウテイ殿、君を召喚した理由は他でもない。そのレアアイテム”ホワイト・コクーン”を量産し、このファンザニア王国を、いや、”ファンザニア・オナフォール・マンコリーナ姫”を、リーナ様を救って頂きたいのだ」


···全然思考が話に追いついていないが、1つだけ確かな事がある。


使用済みティッシュを量産するという目的に対して、俺という童貞(おとこ)を引き当てた貴方達は、とても運が良い。

その点に関してだけは、俺は、誰にも負けない自信があった。


‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

これは、1人の童貞が、異世界の小国を、その国のお姫様を救う、そんなありきたりな”おとぎ話”

代表作「妹よ、俺をオカズに致すなよ!」の方も宜しくお願い致します。

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