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アメリー美人化計画

読んでいただきありがとうございます。暇つぶしにしていただければ幸いです。

 ギルバートは本邸からメイドを三人呼び寄せ、アメリーを磨くよう言いつけた。アメリーは華やかさはないが整った顔とスタイルをしている。自分の魅力に気がついていないだけだ。何故そんな事が分かるかと言うと母を見ているからだ。



社交や領地の視察に父親と出かけたあとの母の疲れ具合は酷い。息子からみても気の毒だと思ってしまうくらいなのだ。それが公爵家の美容担当のメイドの手にかかると別人レベルに若返る。


いつも感心していたがアメリーに使ってみることにした。この自分に自信の無い女性が綺麗になったらどう変わるのか試してみたくなったのだ。

メイド達の前にアメリーを連れて行き

「良く磨いてあげて、頼むよ」

と一言言うだけだった。吊るしだがシンプルなドレスも用意してある。靴もアクセサリーも用意してみた。


ただこのときの彼はアメリーに自信を付けて欲しいと思っていただけだった。


アメリーはお風呂に入れられ頭の先からつま先まで洗われた。髪も極上のシャンプーで洗われまたまた極上のタオルで乾かされた後薔薇の香りのオイルを薄く塗られた。

伯爵令嬢なのでメイドに洗われることには慣れているが褒め倒してくる。長い椅子のような物に寝かされ全身をマッサージされた。最初は顔からだった。

「お嬢様お顔に老廃物が溜まっておられます。お若いうちからケアなさっておかれるといつまでも美しくいられます。首も本を良く読まれておられるのかこうして押しますと痛みがございますでしょう」

メイドの言う通りだった。

「メグに覚えてお教えするように言っておきましたのでご自分でも気がついた時にされるといいと思います。今度は身体ですからお覚悟をなさってくださいませ。初めての方は痛さで驚かれます」


アメリーはされるがままで声を上げることもできなかった。身体じゅうにオイルを塗られてマッサージされるのだが、勉強ばかりしていたせいで肩や背中、脚に老廃物が溜まっていたらしい。終わると身体が軽くなった気がした。


「今度はもっと気持ちよくマッサージが受けられると思いますわ。奥様はいつも眠ってしまわれますの」


ギルバートが用意してくれたシンプルなドレスを着せて貰い、髪をハーフアップにされお化粧を少しされた。

「お嬢様はお肌が若くてお綺麗なので簡単なお化粧だけで華やかな印象になられます」

アクセサリーをつけてもらい鏡の前に立つと美少女が自分を見つめていた。

艷やかな黒髪と若い肌にあった化粧、顔が小さくなりプロポーションにメリハリが出ている。目がいつもよりぱっちりとしているのはどうしたことだろうか。


「これが私ですか?どんな魔法を使われたのですか?」

「とてもお綺麗です。普段からこれくらいされますとどんな殿方も跪かれますよ。宜しいですか?潤いは大切です。化粧水はたっぷりとつけてください。それからクリームです。髪もオイルで丁寧にお手入れなさってくださいませね。日焼けはもちろん禁止です」


メイド三人は満足そうな顔でアメリーを取り囲んでいた。

そこへギルバートがノックをして入ってきた。アメリーを見た途端

「ここまで綺麗になるとは驚いた」

と呟いた。

「綺麗にしていただきありがとうございます。メイドさん達の腕の良さはもちろんですがギルバート様のおかげです」

「素材がいいからだよ、せっかく綺麗になったんだ。これからお茶会にしないか」

「いいのですか?」

「もちろんだよ、君の髪は漆黒の夜のように綺麗だね」

エスコートのために隣を歩きながらギルバートが囁いた。甘い言葉を言わないといられない体質なのかなと幾分失礼なことを考えながらアメリーは頷いた。


確かにいつもよりは綺麗にはなった。しかし学院にはもっと美人が沢山いた。


「今日は間に合わせだけど今度はちゃんと似合うドレスを贈ろう。磨けば光る原石だったんだね」

最後の方は聞こえなかったがドレスを贈ろうと言う言葉は聞こえていたので、丁寧にお断りすることにした。これ以上迷惑はかけられない。

「ドレスは結構ですわ、十分良くしていただいていますしお返しできる物がありませんので」

「公爵家の婚約者として恥ずかしくないドレスを着てもらいたいだけだよ。どれだけ綺麗になるのか楽しくなってきたしね」

「私で遊ばないでくださいませ」

「さっきお返しがどうとか言ってたじゃないか、楽しんでもいいと思わない?」

「それくらいならお好きになさっていただいても文句は申しません」

「明日も手入れはしてね。本邸に来てもらって手入れを続けてもらうのもいいな」

「完全に楽しんでいらっしゃいますね」



東屋に用意されたお茶は最高級の茶葉なのだろう。砂糖を入れなくても旨味を感じられる物だった。スイーツもマカロンに苺のケーキ、ガトーショコラにクッキーと豊富に用意してあった。

「マッサージを受けるとお腹がすくのだろう?母がいつも言っている、遠慮しないで食べてほしい」

「せっかく綺麗にしていただいたのに太ってしまいますわ。それに途中で何か食べる気にはなりません」

「なるほど、飲み物を用意させよう」

「そういう意味ではありません。してくださっている方も一生懸命取り組んでくださっているのに申し訳ないと思っておりますので」

「では皆の分も用意させよう」



こうしてアメリー美人化計画はギルバート主導のもと始まる事になった。


誤字報告ありがとうございます。何度も読み返しているのですが間違えていることがあり大変助かります。

面白いと思っていただけましたら、ブックマークや星をポチッとしてくださると執筆意欲に繋がります。よろしくお願いします。


ギルバートはアメリーを綺麗にすることを思いつきました。解消にどうつながるのでしょうか。乙女心を傷つけないとは思うのですが。

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