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護衛と令嬢  作者: ゆっきー
3/6

生徒会

 その後、授業は終わり帰りのHRも終わり全員が帰宅をし始めていた。

 「また明日。レミリア」

 「ええ、また明日。霊夢」

そして霊夢様を見送るとお嬢様は生徒会室に向かっていく。お嬢様は1年生で唯一の生徒会役員である。ちなみにお嬢様は書記が休んだ時に代わりに書記をする副書記だ。お嬢様が生徒会室に入るとすでに三人の生徒会役員の方々とその護衛の方々がいた。俺は他の護衛の方と同じようにお嬢様の後ろに立つ。

 「全員集まりましたね。」

そう言ったのは花月零菜(はなつきれいな)様、三年生で生徒会長。頭がよく学園一位の学力の持ち主で運動神経もかなりよくファンも多いらしい。

 「では、生徒会の会議をはじめます。」

次に口を開いたのは綿木雷香(わたぎらいか)様、三年生で副生徒会長。零菜様とは小学校からの友達らしくとても仲がいい。学力は学園top10には入るレベルで賢い。運動は・・・まあ、あれだ。

 「今回集まった経緯を書記の真凛さん、お願いします。」

折山真凛(おりやままりん)様。二年生で生徒会書記。かなり顔がよく他生徒から告白などもされているらしい。運動神経もよくサッカーを習っていたことがあるらしい。

 「はい。今回の議題は最近近くの高校で起きている女子高生行方不明事件です。私たちの学園からはまだ被害者は出ていませんがいつ出てもおかしくありません。」

 「そう。この事件についてみんなからの意見が欲しいわ。」

 「私は護衛を増やすのがいいと思います。」

学園の原則で護衛は一人しか連れていけないようになっている。

 「それでは護衛を雇う費用がない方々からの反感を買いかねないわ。他にないかしら?」

 「集団で帰るのはどうでしょうか?」

 「遠い場所に住んでいる方もいるから無理ね。レミリアさんは何かないかしら?」

 「警察などに頼むのが一番だと思います。」

 「それでも行方不明者が出ているわ。それじゃ解決しないわ…どうしたものかしらね…」

その後もいろんな意見が出るが解決には至らなかった。

 「もうこんな時間ね…今日はここまで。みんな気を付けてね」

全員帰りだした。そして車で帰っているとお嬢様から声をかけられる。

 「雪」

 「はい。なんでしょうか?」

 「行方不明事件の犯人を確保できないかしら?」

 「お嬢様の命令とあれば。ただもしかしますとわたくしが負傷を負い明日の護衛を出来ない可能性があります。」

 「わかったわ。明日は咲夜に頼むわ。ただし確実に今日中に捕らえて警察に突き出しなさい。わかったわね?」

 「はい。わかりました。」

そんな会話をしていると館に着く。

 「それじゃあ頼んだわよ。」

そう言ってお嬢様は車を降りて館に入っていく。

 「どうされるんですか。雪さん」

運転手の川上晴斗(かわかみはると)さんにそう聞かれる。

 「命令なので完璧に遂行してみせますよ」

 「そうですか。協力できることがありましたらいつでも言ってください。」

 「わかりました。では。」

そう言って俺は車を降りて街に向かっていく。

・・・

 俺は制服から私服に着替えて外を歩く。ただ歩くだけではない。事件を調べ行方不明者の目撃情報の最も多いところを歩いている。俺は考えながら歩く。

 『今回の事件、行方不明者が多い…複数人の犯行かもしれない…叫び声などが聞かれていないことから犯人はかなり手慣れていて睡眠薬も持っている可能性もある…か』

そんなことを考えながら歩いていると路地裏からかすかに声が聞こえる。

 『口をふさがれている…事件性あり…警察を呼んでいる暇はない…足音などからして犯人の数は最低でも3人はいる…被害者は多分女性…行方不明事件との関連性大…行くか』

俺は足音を最大限押さえて声の場所まで行く。そこには3人の男性がいた。

 「おい、眠ったか?」

 「はい、完璧です。」

 「それなら逃げるぞ。」

そして男たちは女性をかかえて逃げていく。

 『ここで捕まえるより拠点を見つけてそこを潰す方がいいか?…だが危険度は上がる…あの3人が女性を数秒で眠らせられるほどの睡眠薬を手に入れられるとは思えない…手口は鮮やかだったから手慣れてはいる…裏に何かある可能性もある…』

そんなことを考えながらも男たちは車に乗り込んでいく。俺は酔っぱらったふりをして男たちに近づく。

 「おい、あんたら~ここでなにやってんの~」

 「クソ…酔っ払いか。めんどうだ。」

 「どうしますか?」

 「突き倒せ。そしたらすぐ車に乗れ。記憶は曖昧だろうから俺たちのことなんざ覚えられねぇよ。」

 「殺さないんですか?」

 「殺人を犯したら証拠が残る可能性が高い。気絶させるだけでいい。」

 「わかりました。邪魔だ、てめぇ」

俺は押し倒されその場に倒れる。倒れる瞬間俺は一瞬車に触りそのまま気絶したふりをする。

 「よし、逃げるぞ。」

車はすぐにエンジンをかけ逃げていく。車の音が消えた後俺は立ち上がり電話をかける。

 「もしもし、晴斗か?」

 〈何ですか?何かありました?〉

 「犯人らしき奴らを見つけた。拠点に突っ込む予定だ。だが、この事件…裏に何かいる可能性が高い。だから、美鈴に来てもらうように頼めないか?」

 〈わかりました。〉

 「頼んだ。場所はメールで送る。そこまで美鈴を運んでくれ。」

電話を切る。そして俺はさっき車に仕掛けたGPSを見る。車はかなり離れていた。

 「どこまで行くつもりだ?」

俺は歩きながらそんなことをつぶやく。

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