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美味しい時間

また、料理がやってきた。


フランスパンが持ってこられた。


お皿のソースが、星みたいに飾られてる。


丸い形になってるのは、お肉だ。


お花の形のお皿に、サラダがはいっていた。


満月の形の器にコーンスープが入ってる。


「わざわざ、丸の形に切るの大変だよね。」栞さんは、サラダを食べながら言ってる。


「それは、この町を表現してるから妥協したくないところ。」


「めちゃくちゃうまい。」


真矢は、喜んで食べている。


僕は、写真をとってから、それを食べた。


月も喜んで食べてる。


すごく美味しくてビックリする。


「フランスパンをソースにつけて食べてみて」


そう言われて食べるとめちゃくちゃ美味しい。


「レストランって堅苦しいのは嫌なんだけど、披露宴会場に使われるからみんな正装でくるんだよね。」


「料理は、コースじゃないけどね。」そう言って栞さんが笑ってる。


「予約がとれない理由がわかります。目も舌も鼻も満足します。」


「ハハハ、月君。面白いね。でも、私の考えてるのはそれだよ。だから、正解」


そう言って笑って話してる。


何か、美味しくて幸せ。


食べ終わった僕と月に、栞さんが紙を渡してきた。


広げると、頭以外は化け物になってる。氷雨君?


月の紙を覗くと月のお兄さんだ。


「化け物、育ってたよ」そう言った栞さんを月が見つめて話した。


「時間、どれくらい?」


「どれくらいのスピードでここまで育ったのかわからないけど。三ヶ月以内には、育つかな」


「どういう、意味?」


僕は、月に聞いた。


「栞は相手の心が見えるんだ。だから、これは俺の兄さんの心の中。兄さんが、この化け物に支配され始めてるって事」


「そんな、じゃあ氷雨君も?」


僕は、月に紙を見せた。


「そうなるね。」


「ちなみに、これが二人」


そう言って栞さんが、僕と月の絵をくれた。


化け物を飼っていると言われた僕達は、足が半分化け物になっていた。


「ハハハ」月が笑ってる。


「上手に飼い慣らしてる。」そう言って栞さんが笑った。


「あの、この化け物に食べられたらどうなるの?」


そう言った僕の言葉に、栞さんが少し考えてから…。


「金田明日香って言った」


「どういう意味?」


「渇いて渇いて堪らなくなる。その状態の先が、彼女だった。」


そう言って、お金を飲み込んでる化け物を描いた紙を渡された。


「僕には、会って話した彼女はだんだんとこれに見えていった。」


「だったら、兄さんを助けないといけないんだな。」


「でも、どうやって?」


そう言った僕と月をジッーと見て栞さんが、「もっと、二人の絆を信じるべきだよ」って笑った。


「月との絆?」


「うん、二人なら大丈夫。でも、もう少しだけ時間がいるね。今のままだと、二人も化け物に食われる。」


「それは、俺達の中の化け物か?」


月の言葉に栞さんは、何かを考えてから


「相手と自分の化け物に食われて破滅する。」って言った。


「そんな。」


僕は、固まった。


「大丈夫、月を信じて」


そう言って、笑ってくれる。


「もっと、月の愛を信じてあげて、月も星さんの愛を信じてあげて」


って、言ってくれた。


「わかってる。」


月が、そう言うと栞さんはサラサラと紙に何かを描いてる。


「大丈夫、もう少ししたら二人はこうなれるから」


そう言って紙を渡してくれた。


「これが、僕と月?」


「うん、僕にはちゃんと見えてるよ。」


って笑った。


栞さんが、描いてくれたのは穏やかな笑顔を浮かべてる僕と月。

足元を食べていた化け物は、体から離れてヒモをつけられて僕と月の隣に座ってる。


「この化け物は、どうなってるの?」


「うまく飼えるようになるって事。だから、相手に優しく出来るようになるよ。違う形でも、その人の傍にいれるから。」


そう言って、栞さんは笑ってる。


僕は、泣いてしまっていて、月の目からも涙が流れていた。





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