真子との再会
2日後ー
あれから毎日、星と飲んでた。
仕事がないから、調子に乗っていた。
星は、毎日起きたらお見舞いに行ってやっぱり目覚めないと落ち込んでいた。
俺は、真子に月の星公園で待ち合わせだと言われて待っていた。
「月、遅くなってごめんね。」
「いや、手短に話すよ。これ」
そう言って、真子はその紙を読んだ。
「一緒に死のう」
ナイフを向けられた。
「なんで?」
「苦しめられるぐらいなら、楽になろうよ。」
「真子は、幸せになるんだよ。」
「今から誰を探すのよ。誰を愛するのよ。月がいないのは耐えられなかったよ。」
「それでも、探して欲しい。」
俺は、真子に土下座した。
「幸せにできなくて、ごめんなさい。でも、真子は誰かを幸せに出来る人だからこんな事をせずに幸せになってほしい。」
そう言って頭を下げた。
「なに、それ。私は、月と幸せになりたかったんだよ。」
真子は、俺の手をヒールで踏みつけた。
「殺るなら、自分で殺るよ。」
ナイフを持って震える真子の手を掴む。
「今の月を殺した所で、意味がないよ。」
そう言って、ナイフを落とした。
「真子、ごめんなさい。」
真子は、俺の顔を覗き込んだ。
「生きて生きて、幸せになってね。私は、出来ないけど。次に月が出会う人は、出来ると思う。」
そう言って紙をかえしてきた。
「真子も生きて幸せになって欲しい。」
「なるよ。月が、ヤキモチやくぐらい幸せになるから。立って」
そう言われて、立ち上がった。
「なんか、急に馬鹿馬鹿しくなってきた。」
そう言って真子は、ナイフを鞄にしまった。
「真子」
「手ごめん。痣できるかも」
「たいした事ないよ。」
「月、私幸せだったよ。この5年間。だから、大嫌いになって別れてもらうって考えやめてよ。」
「ごめん」
「月は、すぐに自分を犠牲にするから…。幸せになれないんだよ」
そう言って真子が笑った。
「二番目のお兄さんが好きなんでしょ?」
俺は、真子の言葉に驚いた。
「出会った頃に、酔っ払った月が私に言ったんだよ。ファーストキスの話で盛り上がった時に、流星兄さんが初めてだったって胸がキュウって締めつけられて痛かったってあれは罪悪感だったのかなって」
そう言って真子は、俺を見た。
「私、言ったんだよ。それは、恋でしょって。そしたら、酔っ払った月はあるわけないって言って寝た。わからないけど、また再会したんでしょ?」
俺は、何も言えなかった。
「でも、選ばない事にしたんだよね。」
そう言って真子は笑った。
「ねぇー。月」
「なに?」
「私が結婚が決まって、結婚式をあげる時は、月が一番愛してる人を連れてきてよ。お兄さんでも、そうじゃなくても」
「どうして?」
「その日だけは、月にも幸せでいて欲しいから…。約束」
そう言って、小指を差し出してきた。
「約束」
真子は、あの頃みたいに笑った。
「私、お見合いするの」
「そうなの?」
「うん。お母さんが、落ちてる私に進めてきて。来月会ってみることになったの。」
「いい人だといいな。」
「月程のいい人はいないよ。その頬の傷痕も、誰かの為に犠牲になろうとしたんでしょ」
そう言われて、うつむいた。
「月を幸せに出来るのは、穏やかで優しい愛情だけだよ。私は、ずっとあの日月を見ていたからわかる。だから、お兄さんと離れる気持ちもわかる。だって、兄弟だから同じ愛だよね。」
「そうだよな。」
「あ、今認めたよね。ハハハ」
真子には、何でも話せたよ。
昔も今も、明るくて救われてたよ。
「ありがとな、真子。俺も幸せだったよ。」
「ううん、私も幸せだったよ。最後に」チュッて唇にキスをされた。
「さよなら、月。君は、世界一幸せになるのだよ。」
「さよなら、真子。君も世界一幸せになれよ。」
「ハハハ、大好きだよ。バイバイ」
「バイバイ」
真子は、笑いながら去っていった。
君は、世界一幸せになれるよ。
俺は、真子が見えなくなるまで見つめていた。
大好きだったよ、真子。




