表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/251

流星の嫁と子供

2日後ー


(るい)、起きて用意する方がいいよ。」


「ありがと、何時?」


「11時半」


「まじか、頭いてーな」


「味噌汁だけ飲んだら?」


あの結婚式から星に毎日相手をしてもらっていた。昨日は、特に飲みまくった。


俺は、味噌汁を飲んでシャワーを浴びた。


「スーツ似合ってるね。」


「おしゃれな店だからな」


星が、俺のネクタイをつけてくれた。


「タクシー呼んでおいたよ」


「ありがと」


「じゃあ、後でね」


「後で」


俺は、出発した。タクシー乗るまで、星が手を振ってくれていた。


憂鬱、駅前でおろしてもらった。


しばらくしたら、流星兄が綺麗な奥さんと子供二人連れて現れた。


「ごめんよ、月。待たせたな」


「大丈夫。」


「じゃあ、行こうか」


そう言ってフルールに入った。


「橘です。」「こちらにどうぞ」


そう言って、個室に連れてこられた。


「夜は、コース料理なんだけど昼間はランチをやっていてね。好きなのを頼んでくれ」


「はい。」


流星は、子供達に柔らかい笑顔を浮かべてる。


「Bランチで」俺が決めたら、流星は店員を呼んだ。


「Aが2つとお子様ランチ2つとB1つで」


「かしこまりました。」店員さんがいなくなったのを見届けてから


「自己紹介が遅くなってしまったね。こちらが妻の里美だ。娘の亜子、息子の泰佑(たいすけ)だ。」


「よろしくお願いします。」


里美さんが、お辞儀をした。


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


俺も、お辞儀をした。


「たいすけ、ジッとしなさい」

里美さんの言葉に、ドキッとした。まさか、あるわけないよな。


「リュリュ、たいすき」って言った俺の言葉が頭を過る。ないない、そんなんで流星は名前をつけないよ。


ご飯が運ばれてきて、優しそうな顔を浮かべながら食べてる流星を見て悲しくなる。


星が言ってた言葉がわかる。


拷問より、痛い。


食事は、終わった。やっと解放された。


何を話していたのか、どんな味をしていたのか、何もわからなかった。


「パパ、亜子、本が欲しい」


「見に行こうか」優しい顔にチクリと胸が痛む。


「里美、桐生(きりゅう)に車を駅まで回してもらうよ。私は、亜子と泰佑と本を見てくるよ。」


俺に話す話し方ではない。院長橘流星だった。


「私は、月さんと外で待っています。」


「はい。」


「じゃあ、行こうか」


そう言って店を出た。


流星兄さんは、子供達と本屋に行った。


俺は、駅の近くで里美さんと車を待っていた。


「お会いできてよかったです。」


「こちらこそ、よかったです。」


「………」話してる内容を理解できなかった。


バチン、頬の痛みと共にさっきの言葉が流れ込んできた。


胸が、痛くて、苦しくて堪らなかった。


「いいの見つかった?」里美さんは、流星兄さん達を見つけて駆け寄った。


「パパが、これ買ってくれた」


「亜子よかったね。」


ニコニコ幸せそうな家族。


なんの、罰だよ。


「桐生が、きたね。」そう言うと、車は目の前で止まった。


「じゃあ、あなた。また、後でね。」里美さんは、流星兄さんに抱きついて、頬にチュッとした。


「月さん、また」


「失礼します。」


一瞬だけ、里美さんの笑みが勝ち誇った笑いに見えて怖かった。 


「俺も、病院で待ち合わせしてるから」


「そうか」


ぶたれた左頬を擦りながら下を向いて歩く。


「あのさ、泰佑ってさ、違うよな」俺の言葉をすぐに理解したようだった。


「そうだ。あの日、月が言った言葉からつけた。」


「はぁ?頭おかしいのか?」


俺は、さっきの苛立ちを流星兄さんにぶつけていた。


「確かに、おかしかったのかも知れない。4年前、泰佑が産まれた時。月に会えない寂しさから名前をつけていた。いつも、月はたいすきって俺に言ってくれていたから…。泰佑って呼んでいると月に愛されている気がした。」


流星兄さんの病院の前についた。


「意味わかんないから、気持ち悪いよ。そう言うの」


言いたくない言葉が、口をついてでた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ