表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/251

関係ないでしょ?

氷雨の披露宴の中で流れた曲が、ループしてる。


「なぁ、あの歌って新婦が選曲したらしいよ。」


「へぇー。流行ってんの?」


「星は、遅れてんな!あれは、めちゃくちゃ流行ってる。結婚式でよく使われてる。」


「誰の曲?」


未来(みくる)の永遠の愛だよ。聞いてみる?」


「うん。」


僕は、真矢にイヤホンを耳にいれられた。今は、コードレスで便利。昔は、時雨と線で繋がったイヤホンで音楽よく聞いてた。


さっき流れてたサビだ。


♪二人は、一つに重なる愛のカタチ…誰にも盗めない強く固い絆…誓いのキスで完成した…永遠の愛…続いていく未来♪


いい曲なのか、いい曲じゃないかは別として、今の僕にこの歌詞はキツすぎるよ。


真矢にイヤホンを返した。


「二次会行かないんだろ?」


「真矢は、行くの?」


「行かないよ、スーツ着てるから美子とレストラン行くの、待ってるから行くわ!彼に会うまで泣くなよ、じゃあな」


「バイバイ」泣くなよって言われたのに、さっきの曲がリピートされて、僕達のテーブルに来た時の新婦の勝ち誇った顔とか、見送りの時に向けられた視線も、言われた言葉も苦しくて苦しくて泣いてしまった。


「ねぇ、ねぇ、キミ大丈夫?」


「えっと?」


「俺、(ほし)の方だったんだけどさ。今来たら君泣いててさ。めっちゃ綺麗じゃん。俺、そっちなわけ、わかるよな?ガキじゃないんだし。で、行こうか」腕を引っ張られた。


「嫌、結構です。」


そう言っても引っ張られる。月に電話しなきゃ、スマホ探そうとした手も掴まれた。


えっ?


「おっさん、離せよ」


「なんだよ、テメー」


氷雨君?何でいるの


「僕、この人の彼氏だから離さないと警察呼ぶよ」


「ふざけんなくそガキ。男いんならテメーも誘うな」手を振り払われて去って行った。


「その顔ダメだっていったよね」


「関係ないでしょ、戻りなよ」


「嫌だよ、僕は、ちゃんと」


「もう、話すことなんてないよ。」


視界に月を見つけた。


「彼氏待ってるから、離して」腕を振り払った。


「月」って呼んで走る。


振り返れなかったし、見れなかった。


苦しくて押し潰されそうだった。


月の元へ行った。


僕の気持ちを理解してくれる世界で一人だけの人だ。


人寄せホイホイって言い方面白かった。


僕は、氷雨に酷いことをしたから酷い拷問を受けた。


じゃあ、月はもっと酷い拷問を受けるよね。


その日は、僕がちゃんと迎えに行くよ。


星の輝きを出た。


「キラキラ、本当に美味しかった。」


「だろ?ホシボシもうまかったわ」


「でしょ、でしょ?また、ラーメン食べに行こうよ。」


「俺、一軒気になってるとこあって」


「どこ?」


「栞の家の太陽町(たいようまち)の方にある火の太陽ラーメンってとこ。めっちゃ並んでてマジで入れないんだよ」


「行ってみたい!今度行こうよ」


「うん、約束な」


月と手を繋いでるだけで嬉しい。


月が、笑ってるだけで嬉しい。


駅前でタクシーに乗って、二人の家まで連れてきてもらった。


「星、酒飲もうか?」


「いいね。」


「明日休みだから付き合ってやるよ。」


「ヤッター」


僕の家に月をいれた。


二人で向かい合ってビールを飲む。


「泣いていいよ。」月が笑って言ってくれた顔が、氷雨と重なって見えてすぐに泣いた。


「拷問受けるより、痛かった。」


「拷問受けた事ないだろ?」


「そうだよね。ハハハ。でも、ママに殴られるより痛かったよ。本当に」そう言って泣いた。


「忘れなくていいから」


「うん。」


「あの状態だと氷雨君来たりしないか?」


「ないよ、ないない。」


「でも、来たらどうする?」


「家にいれちゃうよね。」


そう言ってビールを飲む。


「俺もちゃんと別れられたのかな?なんか、不安だよ。」


「僕も別れられた気でいたけど、会うとダメだった。」


「向こうは、よりダメだったんだよな」


「うん」


「もし、来ることがあったらちゃんと別れろよ」


「そうする」


僕は、ビールを飲み干した。


引きづることを恐れて中途半端に終わらしたのかもしれない。


ちゃんとしなくちゃ、いけなかったんだよね。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ