過ぎていく日々と氷雨の結婚
毎日、月と一緒に飲んだ。
何も考えなかったし、中身のない話をたくさんした。
それだけでよかったし、それだけで気持ちが楽だった。
3日後ー
「今日だよな。気をつけていけよ。」昨日は、月に部屋に泊まってもらった。
「これ、鍵、渡しとくよ」
「ありがとう。」月は、前よりもちゃんと笑えるようになった。
シャワー浴びて、スーツに着替える。
「イケメンだな。綺麗な顔してる」そう言ってネクタイを締めてくれた。
「ありがとう」
「うん。じゃあな」
「行ってきます」
僕が、タクシーに乗るまで月はずっと手を降ってくれていた。
「月星花式場まで、お願いします。」
「結婚式?」
「はい」
「あそこであげれるってお金持ちなんだね。」
「やっぱり、そうなんですね」
「そうそう、最低500は使うでしょ?」
「そんなにですか」
「内緒だよ。」
そう、言ってタクシーの運転手さんは式場にとまった。
「ありがとうございました。」
そう言って降りた。
「氷雨、結婚すんだな。兄貴、まだ目が覚めてないよな」
「ああ、死ぬんじゃない?」
ズキン胸が傷んだ。
「兄貴あんなんで、結婚式ってヤバいよな」
「兄貴とは、仲悪かったからどうでもいいんじゃない」
ズキンとまた胸が痛む。
酷い言い方。氷雨がどれだけ時雨を思ってるか知らないくせに
「氷雨って金持ち?」
「ここって、最低500万だろ」
「相手が金持ちらしいよ」
「ああ、やっぱな」
酷い人達。
「あれ、氷雨じゃん」
「何してんの?」
氷雨
「来てくれたんだ」パフッ
抱き締められてますよ。
「なんで、抱きついてんの?」
「あれ、誰?」
「しらねーな。」
さっきの人達が通りすぎた。
「ちょっと、ちょっと、離して」
「ごめん。こうでもしないとこの場所にいれない」その言葉に抵抗できなかった。
どれくらいそうしてたかな。
「氷雨、着替える時間でしょ」
「ごめん。」
氷雨が離れた、隣には可愛らしい女の子が立っていた。
「兄さんの友達の矢吹星さん」
「初めまして、矢吹星です。」
「初めまして、霧島美花です。」
氷雨は、行ってしまった。
「式は、11時ですのでそれまでゆっくりして下さい。後」
そう言うと彼女は、僕に
「……。失礼します。では、後で」と去って行った。
「はい、失礼します。」彼女が去った後、涙が流れて止まらなかった。
胸が、苦しい。
月を愛してるんだから、大丈夫だと思っていたのに、結婚式だから泣いていても大丈夫だよね。
「来るの早すぎたんじゃないか?」
その声に顔をあげた。
「真矢、何でいるの?」
「はい、ハンカチ。俺も、招待されてんだよ。」そう言って招待状を見せてきた。
「いつ?」
「時雨が、まだ元気だった頃だよ。泣くの早すぎ」
「時間早くなかった?くるの?」
「見たかったんだよ。この式場、なかなかあげる人いないから」
「そっか。」
そう言って真矢は、歩き出した。
「氷雨君の結婚式が、無事に終わったら時雨に会いに行こうと思ってた。」
「そうだったんだね。」
涙は、真矢のお陰でとまった。
「氷雨君となんかあったか?」
「なんで?」
「抱き締められてんの見たから」
「時雨の病院で仲良くなっただけだよ。」
「嘘が下手だな」
真矢は、そう言って笑った。
「なんだよ、それ」
「氷雨君と付き合ってたろ?」
「え?何言ってんの?」
「矢吹が、泣くのはだいたい好きなやつの時」
「他にも泣くから」
「へー。じゃあ、俺が知らない矢吹だな。」そう言って肩を叩かれた。真矢のお陰で、無事に乗りきれそう。
11時ー 花の教会
「誓います。」氷雨は、新婦にキスをした。
涙が止まらなかった。
披露宴会場ー花の絨毯
楽しそうに話してる氷雨を見て泣いた。
真矢は、隣の席だった。
「橘月が、迎えに来るのか?」
「うん。」
「なら、よかった。」
「なんで?」
「泣いてる、お前は一人に出来ないから」
そう言って、真矢が笑った。
僕は、ずっと泣いていた。
そんな結婚式が終わった。




