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僕が幸せにするから

気づくと僕は、宝箱から(るい)の家の鍵を取っていた。


トボトボと月の家に行く。


カチャ、鍵を開けた。


ゆっくりと玄関にはいる。


月が、布団に寝転がって寝てた。


「ふざけんなー。俺を殴ってくれ」


寝言がすごい


「愛してくれよ。いい言葉俺に合ってる」どんな夢見てるの、布団をギュッーって握りしめてる。


「愛してくれよ、殴ってくれよ、傷つけてくれよ」


ギュッー反射的に僕は、月を抱き締めた。


ずっと寝言を話してる。


とまれ…とまれ…とまれ…


……………。


「もしもし、星。」って声に顔をあげた。


「よかった。とまった」


精一杯、僕を傷つけようとする。


月は、苦しがってる抱き締めてあげた。


月は、震えながら抱き締め返してくれて「うわぁー」ビックリする程大きな声で耳元で叫ばれた。


「ハァ、ハァ、ハァ」苦しそうに息をしてる。


「僕が幸せにするから…。だから、大丈夫だから…。」


「今の俺は、星を傷つけるのがわかる。」


月は、僕から離れて突き放す。


「いくらだって、傷つけてよ。」


今、月を手離したらいけない。


手繰り寄せて辿り着いたんだ。


バンッ、布団に倒された。


ズキン心臓が鳴る。怖いけど大丈夫。


「なんでわかんないんだよ。傷つけるんだよ。」


僕の首に手を当てる。


()る?」


月は、一瞬驚いた顔をして起き上がった。


「確実にいけたよ」


僕が言うと、「うるせー、黙れ」


そう言って冷蔵庫から、ビールを取り出す。


心と体が、グチャグチャなのは顔を見たらわかる。


多分、今は言葉と頭の連動も違う。


そのチグハグを僕は、利用する。


「僕を愛してよ。」


「うるせー、黙れ」


ビールを飲む手は、震えていて眉間に皺が寄っている。


「僕を愛してよ」


「てめーなんかいらねー」


嘘つき


「僕を愛してよ」


「しつこいガキだな。いらねーんだよ」


自分が言われた言葉なのかな?


「僕を愛してよ」


「次、喋ったら()るぞ」


苦しそうな顔で、僕を睨み付けた。


「いいよ、月に()られるなんて、最高に幸せな事はないよ。」


「ふざけてんのか?」


そう言って、顎を掴まれた。


「ふざけてなんかないよ。月の愛が注がれない、こんな肉体(からだ)になんて何の意味もない。」


僕は、月の目を見つめた。


ブワッて涙が(あふ)れてきた。


「なんで、なんで、こんなんになるんだよ。俺は、ちゃんと愛が」


「もってるよ、(ここ)に」


そう言って、月の胸に手を当てる。


震えながら僕の手を握りしめる。


「遠くて、掴めない」


「いいよ、遠回りしても」


月の目から、涙が落ちていく。


「そしたら、星を傷つけてしまう。」


「いいよ、傷つけて」


「したくない、流されたくない」


「それなら、闘ってよ。頑張ってよ。僕を傷つけない方法を探してよ。」


そう言ったらよりいっそう涙が(あふ)れた。


「あー、あー」


月は、苦しそうに叫んでる。 

 

そして、涙を溜めながら僕の頬に震えながら手を当てて


「星を愛したいです。」と言った。

 

「月を愛してるよ。」

 

僕は、今、月を愛してる気持ちに辿り着いた。


もう迷わない。


進むだけ…。


「ありがとう」ニコって柔らかい顔をして笑った。


「月、愛してる」


チュッ、頬にキスをしてしまった。


ドクッ、心臓が波打って氷雨の愛を手離した僕の(なか)を月への気持ちがいっきに吹き出したのを感じる。


感じた事のない幸せが、ブクブクと(あふ)れ出してとまらない。


嬉しいのに、涙が幾重にも重なり合って落ちる。


「なんで、泣いてるの?」


「言葉に出来ないぐらい幸せで嬉しくて嬉しくて、涙が止まらないの」


月は、驚いた顔をしてる。


「月にもいつか感じて欲しい。こんな気持ち」


「そんなに幸せなんだね。」月が僕の涙を拭ってくれる。


さっきより、震えがましになってる。


「うん、幸せ」


月がいる事が、このうえないくらいの幸せだよ。


僕は、月をギュッーって抱き締める。



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