心が求めてるもの
流星は、目を開けた。
「飲まないの?」
俺の言葉に起き上がった。
「今から、作る」
そう言ってフラフラと、ソファーを降りていった。
俺は、スマホを見ていた。
星の名前を指でなぞる。
心の奥底が、星を欲しがっている。
でも、その手前にある真子への愛や流星への愛で胸が痛くなる。
俺は、星にまた辿り着くまでにたくさん愛してると伝えるし、愛してももらうだろう。
でも、何回目かの愛してるできっと星に辿り着いてみせるから…。
その為には、この気持ちにちゃんと向き合いたい。
流星や真子を愛してる自分をなかった事には、出来ないのだ。
「はい、これ。」流星が、新しいワインとサーモンをもってきた。
流星は、水を飲んでる。
「いる?」
「うん。」
俺に水を投げてくれた。
「流星、愛してる」
そう言った俺のおでこに手をやる。
「なに?」
「熱が、あるのかと思って」
「ないよ。」
「みたいだね」
流星ってすごいギャップがあるよな。
俺にキスをねだる時と、普段の冷たい感じがさらに胸をときめかせる。
「意識まだもどらないの?」
「ああ、拝藤さんは今日にでも目が覚める気がしてたんだけどな」そう言いながら、流星はワインを注ぐ。
その手を見てるとドキドキする。
「なんで、もどらないのかな?」
「目の前で刺されてるわけだから…。でも、それだけじゃないんだろうな。すごく、恐怖があったんだろうな」そう言って流星は、グラスをカチンと鳴らした。
俺は、ワインを飲んだ。
「まぁ、ゆっくりでも回復してくれたらいいよ。」
「そうだな。」
そう言った俺の頭をくしゃくしゃって撫でた。
「宇宙兄さんところは、いつ行く?」
「流星がいい日でいいよ。」
「月曜日でもいいか。」
「うん。栞に連絡して休みとるよ」
「わかった。」
流星と話してると楽しいな。
流星が、チーズ食べてる指を見つめる。唇も…なに考えてんだ、俺
「エロい事考えてるか?」
流星が、俺の隣にきた。
「ば、バカ言うなよ」
俺は、動揺した。
だって、意識が戻ってないのに俺だけ楽しんでいいのかな
「意識が戻ってないのに俺だけ楽しんでいいのかな」
流星の言葉に、驚いた。
「エスパーだと思った?」
「うん。」
「俺が、月にいつも思ってたから」
そう言うと、流星は俺の頭を撫でる。
「三つ子の魂百までってよく言ったもんだよな。俺が、月に犠牲的な愛を与えたんだ。」
「そんな事ないよ。」
「あるよ。俺は、月の為なら命さえ惜しまなかったよ。それを見て月は、育ってしまったから…。それが愛だって思ってる。」
流星は、俺の頬の傷を撫でる。
「これもそうだったんだろ?」
俺は、下を向いた。
「そんなんじゃいつまで経っても、月は幸せになれないよ。」
流星は、俺の顔を覗きこんだ。
「ごめんな。ちゃんとした愛を教えてあげられなくて」
流星の目に涙がたまってく。
俺は、首を横にふった。
「これからは、月は月の幸せを考えて生きていくんだよ。」
そう言って、笑った。
流星が、離れようとしてる気がして手を握ってた。
「流星、俺から離れようとしてるだろ?」
「当たり前だよ。子離れだよ。」
「違うだろ。元通りに戻れないから離そうとしてんだろ?」
流星は、俺の目を見なかった。
「やってみなきゃわかんないだろ?また、兄弟に戻れるかもしれないだろ?進んでいった先に、あるかもしれないだろ」
俺は、泣いてしまった。
「そうなりたいけど、なれるとは言いきれない。だったら、月と俺は一緒に居るべきじゃないよね?俺は、月の近くにいると月が欲しくなる。止めたくても、今は止める方法がわからない。」
「それで、いいから。流星、一緒に居てよ。少しだけでもいいから」
流星は、立ち上がって「ちょっと部屋に行く」と言ってしまった。
流星の事受け入れようとしたのに何で突き離すんだよ。
涙が、スッーって流れていく。




