会いに行く
月の貸してくれた毛布にうずくまった。
月は、お兄さんと再会した。
多分、会いたくなかったんだと思う。
でも、僕が会わしてしまった。
だから、僕に月を責める権利はない。
でも、あの匂いは少しだけ悲しかった。
ママが、再婚した時ぐらい悲しかった。
はぁー。
今は、お互い繋がり合えないよね。
時雨と氷河が、目を覚ますまでは付き合う事も出来ない。
もし、二人が目覚めないままお爺ちゃんになったら
この愛は、終わったね。
ダメダメ…そんな事考えるな。
絶対に目が覚める。
ブーブー 真矢からの電話だった。
「もしもし」
「NEWS見たけど、まさか時雨と氷河じゃないよな?」
「その、まさかだよ。」
「えっ」
真矢は、しばらく黙っていた。
「もしもし、もしもし」
僕の声に気づいた。
「生きてるんだよな。」
「うん。意識がもどってないだけ」
「目が覚めるんだよな?」
「わからない。」
「何でだよ」
真矢が泣いてる。
「明日、また聞いてくるよ。」
「お見舞い毎日行くのか?」
「うん。僕のせいもあるから」
「そっか」
「うん。」
真矢は、深呼吸した。
「助けてあげれなくて、ごめん」
「真矢が謝ることじゃないよ」
「俺も、近いうちに見舞い行くから」
「うん。」
「ゆっくり休めよ、矢吹」
「ありがとう、おやすみ」僕は、
真矢と電話を切った。
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チュンチュンと鳥の鳴き声で目が覚めた。
「もう、朝か」
身体を起こした。洗面所に行って顔を洗って歯磨きをした。
めんどくさいな、水を飲んでから、買ってあったバナナを食べた。
シャワーを浴びた。上がってきてコーヒーをいれる。
いつ目が覚めるかわからないのだから、早く行こう。
コーヒーを飲みながら、NEWSを見た。月星NEWSがやってる。ローカル番組だ。
時雨と氷河の事件も話していた。
目を覚ましますように…。
僕は、タクシーを呼んだ。
タクシーが来たのを確認して降りた。
「星城病院まで」タクシーは、病院についた。
時雨と氷河がいるICUにきた。
氷河の家族がいた。
「あの」声をかけられた。
「はい。」
「間違っていたらすみませんが、矢吹星さんですか?」
「はい。」
「氷河から、高校の時、名前を聞いてました。」
「そうなんですね。初めまして」
「素敵な友達ができたと話してました。」
そう言って笑ってくれた。
「氷河、氷河君の容態は?」
「かわりませんよ。全身10ヵ所以上刺されてるみたいです。」
「そんなにですか…」
「犯人の女性の氷河と殺された女性の方への怒りは凄かったみたいですね。」
「そうなんですね。」
「拝藤さんも、3ヵ所刺されているそうです。亡くなった方は、30ヵ所以上刺されていたと言う話も聞きました。」
「そんなにですか。」
「金田さんは、高校の時のクラスメイトですよね。私は、氷河に一年に一回しか会えてなかったのですが何か一緒にしていたのでしょうか?」
働いていたとは、言えないよね。
「し、拝藤さんの彼女でした。多分、まだ付き合っていたはずです。」
「別れ話がもつれたのでしょうか?」
「僕にも、よくわかりません。」
「そうですよね。」
僕は、気づくと泣いていた。
僕のせいだったのではないか
「すみません。」氷河のお母さんがハンカチをくれた。
「すみません。」
「私は、少し氷河に会ってきますね。矢吹さんもよければ会ってあげて下さいね」
「はい。」
僕は、そう言って頭を下げた。
涙が止まらない。
自分が、幸せになる事を望んだ罰だ。
僕が、幸せになろうとしたら月が傷つけられた。
時雨や氷河もこんな目にあったんだよ。
ダメだったんだ。
幸せになったら…
「大丈夫ですか?星さん」
僕は、時雨の声に顔をあげた。
あっ、違う。
「氷雨君、きてたんだね。」
「はい、今きました。これ、よかったら」
そう言ってホットコーヒーをくれた。
声が、似ていて、
時雨かと思った。




