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邪魔させない

俺は、毎日栞を支えていた。


明日で家に帰る日の夜。


インターホンが鳴る。


俺に対しての警戒心が、少しとけた麻ちゃんと一緒に玄関にやってきた。


「はい」扉を開けた。


「どうも、初めまして金田明日香(かねだあすか)です。」


「誰ですか?知り合い?」麻ちゃんに訪ねるけど首を横にふる。


「橘月さんに会いに来ました。」


そう言って彼女が鞄を開ける時にキラッと光る何かが見えた。嫌な予感がした。


「麻ちゃん、ごめんだけど、栞の所に行ってくれない。」

麻ちゃんは、首を傾ける。


「ごめん。俺のお客さんだから…。応接室借りるね。」麻ちゃんは、少し戸惑いながらも行ってくれた。


「とりあえず、どうぞ。」俺は、栞が打ち合わせに使う応接室に案内した。


「失礼します。」そう言って金田さんは、後ろからついてくる。


部屋に入った瞬間、包丁を向けられた。やっぱりだ。


「大丈夫?ちゃんと()れる?ここからの方が、確実かもよ。」


俺は、結構冷静だった。


「お詳しいですね。」


そう言って鞄から紙を出した。


「調べたんだ。俺の事」


「はい。ご兄弟は、お二人共お医者様、父親もお医者様、母親は弁護士ですね。お金があって幸せそう。」ダンって刃物で紙を刺した。


「そう見えるのかな…。」俺の言葉に俺を睨み付ける。


藤堂栞(とうどうしおり)ですね。この家の持ち主。こんな大きな家に住んで恵まれた環境。羨ましくて堪らない」と笑った。


なんとなく、彼女が誰なのかがわかった。


「星の事ですか?」


「よく気づきましたね。彼は私の大切な宝なのですよ。」


そう言って俺に包丁を向ける。


「あのね、ここは人の家だからこういう事は俺の家でしてくれない?」


「時間がなかったんですよ。仕方ないですよね」ニコニコと笑った。


「そんなやり方でいける?」


「大丈夫。二回目だから、間違いなく()ってあげるから」不気味な笑みを浮かべてる。


「そう、じゃあ()りなよ。確実に…」 


俺も笑った。


彼女が、包丁を俺に近づける。


「でもさ、一つだけ約束して」


「何?」  


(ひかる)を解放するのが条件」


「のめない。」


「大丈夫。俺の保険金あげるから」


「いくら?」


「三億」


「嘘」


「嘘じゃないよ。一筆書かせてよ。」


嘘じゃないよ。親がかけてるから、三億。


「わかった。」彼女は鞄から紙とペンを取り出した。


「よくわかったね。俺がここにいるって」


「調べたから」


頬に包丁を当てられながら、この子に全財産をあげるって書いてる俺はある意味すごいな。


「そっか。執念ってやつだね。はい、これ」そう言った瞬間、応接室のドアが開いた。


驚いて彼女が、扉を見た。


「騙したのか?」そう言って俺の頬を包丁で切りつけた。


「やめて。」栞がそれを見て大きな声で叫ぶ。


「栞、大丈夫だって、確実に()ってくれるから」


俺の言葉に栞が怒った。


「ダメ。月を()らせない。」


「なにそれ、意味がわからない。」


立ち上がって栞の元に行こうとする。


「やめろよ。君の相手は俺だろ?」


そういうと止まってくれた。


「いくら?」


「はっ?」


「いくら払ったら、あんたの渇きは埋まるの?」


「どういう意味?」


「お金が欲しいからやってるんでしょ?」


「へー。わかるんだ。金持ってるから」


「わかるよ。だけど、月の人生は邪魔させない。お金なんてあげるよ。だけど、あんたに月の幸せを奪う権利はない。」


「栞、そんな事したら一生」


「いい、それでもいい。」そう言って栞は泣いてる。


「じゃあ、現金で一億用意してくれる?」


「現金は、難しい。けど、通帳ならあげる。」


「やっぱりあるんだ。」


そう言って笑ったら、パトカーのサイレンが聞こえた。


「ふざけるな、騙したのか」俺に包丁を向ける。


「今は、冷静になって刃物しまうべきじゃないか?」


俺の言葉に彼女は、鞄に入れた。


「とりあえず、今日は帰る。約束は、守ってもらうから。一週間後に、またくるから」


そう言った彼女を栞が勝手口の方に連れていった。


何なんだ、あの子









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