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大好きな匂い

何かわからないけど、心地よい匂いに包まれていた。


目を開けた、(るい)に会いたい


「月?」


「目が覚めた?」


「何でいるの?」


「電話かかってきてたから」


「電話、かけてないよ。」


「かかってたよ。」


「どうやって、ポケットに入ってたのに」


月は、少し考えてから


「俺も、鞄の中やポケットでかかってる時あるからそんな感じだったんじゃない?」


僕の目に涙が溜まってくのがわかる。


やっぱり、月は、あの日から僕のヒーローだ。


「泣くなよ。生きてるんだから」そう言って目の涙を拭ってくれる暖かい手だ。


「助けてくれたんだね。」


「うん。ちょっと声かけてくるね」


そう言って部屋から出ていった。


暖かい。


すぐに来てくれたから生きてたんだ。


時雨は、こんな寒い中どれくらいいれられてたのだろうか…。


何か、いい匂いする毛布被せられてるよね。


匂いを嗅ぐ、これって月の匂いじゃない?


体温計を見て、お医者さんが「目覚めましたか?発見が早かったので、今日帰れますから。」そう言ってくれた。


「はい。」


「しばらく休んでから、お帰りください。」


「はい」


月が入ってきた。


「服、これ」


「ありがとう。」


「ごめん。裸だったのに着せれなかった。」


はだか……見られたの


顔が熱い。


「熱出るかもな?」


月が、おでこに手をあててきた。


「だ、だ、だ、大丈夫だよ」


「そっか…」


そう言って月は、僕から手を離す。


「着替えなよ。」


そう言って月が、部屋を出てしまった。


行かないでよ。行かないで


僕は、毛布をとった。


着せてくれてるのを脱いだ。


服を着る。


行かないで、僕は月といたい。


「帰れますか?」看護婦さんが体温計を渡した。


ピピピッ「36.5分ですね。大丈夫ですよ。一番下の毛布は矢吹さんが着ていた毛布になります。」


「はい、ありがとうございます。」


「気をつけて、お帰りください」そう言って看護婦さんは行ってしまった。


僕は、毛布を取る。


涙がでる。月の匂いだ。


部屋を出た。


トボトボ毛布持って歩く。


「バカだな、星」


ギュッーって月に抱き締められた。


「俺は、いなくならないから。大丈夫だよ。そんな毛布握りしめなくたって、目の前にいる俺を抱き締めたらいいじゃん」


涙が、ポロポロ落ちる。


「お金払ったから」


月は、僕から離れた。


「手、繋ぐ?」


僕は、ゆっくり頷いた。


月は、手を繋いでくれる。


「毛布、持とうか?」


「いい。」


「なんか、恥ずかしい」


「月の毛布?」


「うん。」


そう言って手を繋いで歩いてくれる。


タクシーに乗って家に帰ってきた。


家に帰るのが、嫌だ。


「毛布持って帰ろうか」


「僕が持ってる。洗っとくから」


「洗わなくてもいいよ。」


僕は、渡したくなくて毛布を握りしめた。


それに気づいて月が、「わかった。持ってていいよ」って笑ってくれた。


「へぇー。生きてたんだ。」煙草を吸って時雨が立ってた。


僕は、月から手を離した。


「帰っていいから」月ってバレたくない。


「なんで、帰すの?話し合わなきゃ」月の前に立つ。


月が、時雨を見た。


「お前、月の星公園のやつじゃねーかよ。」時雨は、月の胸ぐらを掴んで押す。


「落ちるから、やめてよ。」月は、抵抗しない。


「俺を殺したら星が、手にはいる?」月の言葉に時雨は、手を離した。


「俺より勝ってるって意味か」


時雨は、月を睨んでる。


月は、服を直しながら「そんな気持ちは、ないよ」と言った。


「話し合いたい、星。」


「う、うん。」


「あんたも、一緒に」時雨は、月も呼んだ。


「いいけど。」


そう言って、僕の部屋にはいる。


毛布を置きにいった。


「お酒?お茶?」


「俺は、何でもいいよ。」


月が言った。


「話し合いだから、お茶でいいよ。」時雨が言った。


そう言われて、冷蔵庫からお茶をだして渡す。


心臓が、ドキドキする。


さっきの時雨を思い出して怖い。



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