何の話?
栞との晩酌が終わって、片付けをした。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
俺は、栞と別れて与えられた部屋に居た。
ブーブーブー
珍しく長く鳴るスマホの着信。
星だ。
「もしもし、もしもし」
何度言っても返事がない。
間違ったのかな?
しばらく繋げてる。
ドボン、ドボンと何かを入れる音がする。
何の音だろう?
「時雨」って声が聞こえるけどよく聞こえない。
しばらく繋げてる。
ガタンって扉があいた音がする。
「時雨、帰らないでよ。」
「時雨、寒いよ」
って、大きな声がした。
星に何かが起きてる。
俺は、栞の部屋をノックした。
「なに?」
「俺、ちょっと行かなきゃいけない用があって」
「明日までに帰ってきたらいいよ。」
「鍵借りてくよ」
「玄関の使って」
「ありがとう。」
俺は、栞の家から飛び出た。
走って、走って、タクシーを拾った。
マンションにつく。
ガチャガチャ…
閉まってるよな…
当たり前だよな。
どうしたらいいかな?
どうしたらいいかな?
あっ!!!
俺の部屋から、行けないかな?
俺は、部屋の鍵を開ける。
ベランダから、隣をみる。
頑張ってみたら、いけるか?
やってみてダメなら、鍵屋さん呼ぶかな
何とか頑張っていけた。
窓、開いてた。
よかった。
中に入る。
「星」
「星」
呼んでも返事がない。
スマホに耳を当てる。
確実にいるはずだよな。
水の音がしたから、風呂場かな?
俺は、お風呂場に行く。
カチャ…
「星、大丈夫か?」氷の水の中につけられてる。
「さむいよ、時雨」声がか細い。
俺は、星を風呂から出した。
「なんだよ。これ」
縄をほどいた。
星は、俺に倒れてきた。
服着せて、病院か…
救急車だな。
その前に体暖めないと…
俺は、星の為にタオルを取る。
体を拭く。
氷みたいに冷たい。
「時雨、助けてくれるの?」俺だって気づいてない。
スマホで、救急車を呼んだ。
俺は、体が冷たい星を抱き締めた。
ダメだな。毛布だ。
「ちょっと待ってて」俺は、走って部屋に戻って毛布をとって戻ってきた。
風呂場の星を起こす。
体を丁寧に拭いた。
「頑張って、歩いて」ガクガクしてフラフラな星を支えながら歩く。
とりあえず、裸だけと仕方ないよな。
俺は、毛布をかけた。
その上から、星を抱き締めて擦る。
早く、救急車きてくれ。
「月」
えっ?星の目から涙が溢れてきた。
「星?」
「月に会いたいよ。」ガタガタ震えながら泣いてる。
「いるよ、星」
「時雨が何で月を知ってるの?」
時雨ってあいつか?
違うよ、いないよ。
「月を傷つけないで」
「大丈夫だよ。」俺は、さらに星を抱き締めた。
救急車が、来てくれた。
服着せられなかった。
星は、毛布のまま連れていかれた。
「月星病院ですか?」
「はい。」
「後から行きますのでよろしくお願いします。」
「わかりました。」
救急隊員の方は、星を連れていった。
俺は、星の服を取る。
パンツもあったわ。
机の上に灰皿って、時雨ってやつか?
玄関の鍵を閉めた。
俺は、自分の部屋にはいってタクシーを呼んだ。
ビニール袋あった。
星の服を詰めた。
しばらく部屋で座ってたけど、荷物を持って鍵を閉めて部屋を出た。
窓の鍵、両方忘れたな
まぁ、大丈夫だよな。
タクシーに乗り込んで、月星病院まで連れていってもらった。
タクシーが、ついて降りた。
病院にはいった。
「さっき救急車で運ばれた。矢吹星なんですが…。」
名前は、隊員さんに何度も星が話をさせられていた。
「矢吹さんですね。はいはい、こちらにどうぞ」
そう言われて処置室に連れてこられた。
暖められている。
「大丈夫ですよ。」看護婦さんが俺を見て言った。
「よかった。」
「目が覚めたら帰れますから…」そう言ってくれた。
時間がかからずに星を助けてあげられたのだと思った。
何か、時雨って奴を怒らす事をしたんだろうか?
じゃなきゃ、こんな酷い事…




