しばらくのお別れ
ブーブー 栞からの電話で目が覚めた。
俺は、星を起こさないように起き上がった。
腕が、痺れてる。
まぁ、いっか。
「もしもし」
「ああ、月。来るとき頭痛薬お願い」
「それって」
「うん、後で話すから。じゃ」
そう言って電話が切れた。
「もう、行くの?」
「ごめん。起こした?」
「ううん。後、一時間ぐらいで出るかな」
「朝ごはん作るよ。」
そう言って星は、立ち上がった。
「いいよ、大変だから」
「僕が作りたいから」
「ありがとう」
そう言って星は、キッチンに行った。
これが、幸せなのかな?
何も考えなくていい。
栞が、言ってたな。
2年前ー
「月、また結婚って言われてんのか?」
「栞、俺別れなきゃダメだよな」
「いいんじゃない?好きなら。でも、何も考えなくていれるのが幸せだって事だけは忘れるなよ。」
「ああ。」
そう言われてたんだ。
「はい。どうぞ」
「ありがとう」
「ごめんね、たいしたもの作れなくて」
「全然、大丈夫だよ。うまそー」
トーストと目玉焼きとウィンナーとレタスが、ワンプレートに入ってる。
「いただきます。」星は、コーヒーを持ってきてくれて一緒に食べる。
幸せだよ。
「ニコニコしてるね。月、嬉しいの?」
「すごく、嬉しいよ。」
「どうして?」
「何も考えなくても一緒にいれるから」
「確かに僕もそうかも」
「そうなの?」
「うん。嫌われたらとか、殴られたらとか、気にしなくていいから」
「それなら、よかった。ごちそうさま」
「うん。」そう言って星は、お皿を下げて洗い出した。
俺は、星を後ろから抱き締めた。
「何?」
やっぱり女の子みたいに見える。
「ごめん。一週間分」
「うん。」星は、黙って抱き締めさせてくれた。
「タクシー呼ぶ」俺は、星から離れた。
タクシーを呼んだ。
そうだ。
俺は、鞄から取り出したものを星に渡した。
「はい、これ」お皿を洗ってる手を止めた。
「なにこれ?」
「二本あるから、香水詰め替えたやつ」
「いいの?」
「うん。あげる」
そう言って星にあげた。
「ちょっと待って」
そう言って星も何か持ってきた。
「これ、僕の香水詰め替えてるやつあげる。」
「ありがとう」
「月には、甘すぎるかもだけど」
「嗅いだら、星を感じれるよ。」
そう言って俺は、笑った。
「タクシーきたから、降りるね」
「うん。」
俺は、星を抱き締めてから家を出た。
俺が、降りるまで手を振ってくれた。
「じゃあ」
「うん、行ってらっしゃい」
そう行って俺は、出ていった。
タクシーに乗った。
「ドラッグストアで一回停まってもらえますか?」
「わかりました。」
ドラッグストアで、頭痛薬を買った。
俺は、栞の家についた。
玄関開けた。
「今日から、一週間よろしく、麻ちゃん」
「はい」さささって消えちゃったな。
栞の元に行った。
「はい、頭痛薬」
「ありがとう」
「ダメだったんだな?」
「昨日帰ってきた。どうして、親って子供の言うこと聞かないんだろうな。」
「麻ちゃんの両親」
「そう。娘が、男が怖いって言ってるのにさ。僕と別れて、お見合いだってさ。」
「やっぱり、分かってくれなかったんだな」
「うん。」
栞は、頭痛薬を飲んだ。
「はぁぁ。僕も男ならよかったよ。」
「俺みたいな男なら意味ないだろ」
「月の親は、鬼畜だな。」
「それ、親にいう言葉じゃないから…。」
「ごめん。」
「いや、全然。栞しかそう言ってくれた人いないから。ありがとう」
「月には、幸せになって欲しいのよ。あの親に狂わされた人生を取り戻させてあげたいぐらいだよ」
「栞、ありがと」
栞は、5歳からずっと一緒だった俺の幼馴染みだ。
俺の人生に何があったのかも全部知ってる。
会う度いつも俺に幸せになって欲しいって言うんだ。
「今日から、一週間だから夜飲みながら喋ろう」
「俺は、買い物してくるよ。」
「よろしく。」
俺は、栞の部屋をでた。
今日から絵を描く栞を、一週間支える。
星に出会った事も、話さないとな。




