やめろよ、マジで
何時かわかんないけど、謝る声で目が覚めた。
うーん。飲みすぎて、体が鉛みたいだ。
ゆっくり、体を起こして玄関を見る。
まだ、暗い気がする。
「ごめんなさい。」
「あの、明日の朝から仕事なのに男いれてどうするの?」
「ごめんなさい。」
「謝ればすむって、問題じゃないからわかる?」
「もう、関係ないでしょ?僕を好きなわけないよね?」
男が、二人いる?
「何言ってんの?玩具に権利がある?」
玩具?何言ってんだ、こいつ。
「好きじゃないなら、僕が誰と居ようと関係ないよね?明日香が、好きなんだから」
バチン…
「おい、せっかく腫れひいたんだからやめとけよ。こないだも、客が怒ってただろ?」
「ああ、あのおっさんがな腫れが残念ってな。」
「なぁ、星。俺は、高校生の時、星に弄ばれてショックだったよ。だって、俺。恋愛対象女の子だったんだから…。アレからずっと俺は、星が好きだよ。」
そう言って何かされてるけど、見えないし、頭痛くて、体もダルくて動けない。
声と音だけしか聞こえない。
「彼氏作っていいって許可した覚えはないよ。」
「時雨には、関係ないよ。」
「関係あるよ。俺は、星を渡すつもりないから」
「何で、明日香がす……やめて」
ドカッ
「いつから、生ぬるい愛を欲しがるようになった?」
「時雨、やめて」
ドカッ
「こうされたら、喜んだだろ?星」
「星が、悪いんだよ。」
「時雨、氷河、やめ……てよ」
「あいつに教わったのかつまんない愛」
ドカッ
「何で、こんな酷い事するの?」
「酷い、あの頃は笑ってたよ。」
ガタン…
星が、押し倒された。
頑張って起き上がって、守ってやらなきゃ…。
「やめてよ。」
「黙れ。」
「わからないなら、体に思い出してもらわないとな。」
俺は、ゆっくり起き上がった。
体が、鉛みたいで重くてダルくて堪らない。
「やめ……て」
「生ぬるい愛は、いらないだろ?」
「時雨、離して」
「氷河、やってやれ」
ズボンを脱がされそうになってる。
「やめろよ、マジで」
俺は、そう言って近づいた。
足元にいた男は、手を止めた。
「お前も、離せよ。」
星の腕を押さえつけてた男も、手を離した。
「殺すぞ、テメー」
「やってみろよ。」
俺は、星を起こした。
「ふざけんな、もういいわ。」足元にいたやつは、出ていった。
「お前、前に会った事ないか?」
「はっ?お前みたいなやつに会った事ないし」
そう言うと男は、立ち上がった。
「明日、9時だからな。ちゃんと仕事しろよ」
そう言って星に金を投げつけた。
「それの為に、きたわけ?」
「お前に何か関係ない。」
「次、星になんかしたら俺どうするかわかんないから…」
「ふざけんな、キモ男」
そう言って出ていった。
「大丈夫?」
星は、俺の顔を見ない。
「こっち向いて」
俺は、星の顔を向けた。
目にいっぱい涙が、溜まっては流れてる。
口から血がでてる。
「口の中、きれた?」
うんって頷く。
「ごめんな。すぐ動けなかった」
星を抱き締めた。
「離して」
そう星が、言うから離した。
「もっと、見せて」
「嫌だよ。最悪だよ。あんなの聞かれて」
「星が、悪いわけじゃないよ。」
星は、立ち上がって洗面所に行った。
頬が腫れてた。氷がいるよな。
俺は、星の冷蔵庫勝手に開けて氷を取り出した。
グラスに氷をいれて、洗面所に入った。
洗面所の鏡の前で、頬を見ていた星は驚いて俺を見た。
「冷やさないと」
「見ないでよ。」そう言って星は、その場に崩れ落ちた。
「ダメだよ、冷やさないと」俺は、星の顔をあげさせる。
また、涙が溜まってる。
わけわからないけど、こうしたくて俺は、口に氷を含んだ。
星のジンジンと熱をもった頬に、その氷を押しあてた。
「ヒャッ」って星は、声を出した。
俺は、氷を噛み砕いて、キンキンに冷えた舌で星の頬を舐めた。
「ダメだよ。」
ダメだって、顔してないよ。
そんな顔したら、止められなくなるよ。




