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一緒に過ごそう

俺は、マンションの下に降りてタクシーに向かった。


「すみません。キャンセルで」


「えぇ、お客さん困るよ。」


「すみません。キャンセル料払いますんで」


「いらないけどさ。」


「受け取ってください。」


「じゃあ、2000円もらっとくよ。」


「すみません。」


俺は、タクシーの人にお金を渡した。


(ひかる)の行動が、理解できない。


あれは、何なのだろうか?


俺を好きだと思っていいのか?


はぁー。何なのかな?


俺は、星の部屋に戻った。


「あのさ、急にどうしたの?」冷たい言い方しちゃったな。


「わからない。ごめん。」


箒とちり取り置きながら言われた。


俺は、靴を脱いで星の家に上がった。


「わからないって言われても…」


星は、俺にお酒を出してきた。


朝の九時だよ。


「酔わそうと思ってる?」


「一日休みなら付き合ってよ。記憶なくなるぐらい」


「えっと…それでどうするの?」


「寝るの、一緒に」


「いや、よくわからないんだけど」


そう言ってるのに、お酒を並べてくる。


缶のハイボールがたくさん並べられた。


「これ、おつまみ」


お菓子やさきいかが並べられる。


よくわかんないけど、飲んで食べろって事な


俺は、お菓子を開けた。


「乾杯」そう言ってお菓子を食べてお酒を飲む。


「その子に興味沸いた事ないの?」


「栞の事か?」


「うん。」


「ない、一回も」


俺は、スマホの栞の写真見せた。


「モデルさんみたいだね。」


「そうそう、星の森でも有名だった。女子も男子もファンクラブ作ってたぐらい。ハハハ」


「栞さんが、美術部有名にしたの?」


「かもな。震えるぐらい絵もうまいしな。」


「へー。すごいね。」


ヤキモチ妬いてたりするか?


「すごいけど、性格は男。栞は、高校の時は俺が好きだって言ってたんだけど。25歳で働き出した時には、彼女がいたわ!」


「女の子と付き合ってんの?」


「うん。23歳の時に結婚しようと決めた相手がいたらしいけど。何かずっと物足りなかったらしい。25歳の時に、酔った勢いで仲良くしてる女の子にキスしたら意外に楽しかったから、会うたびやってたら付き合う事になったから。ずっといる。」


「へー。女の子と付き合ってる人に関わった事ない。」


「そうか!栞、面白いぞ。マジで、男みたいで楽しいから。ビールないなら部屋から取ってきていい?」


「あるよ。」そう言って星は、ビールをくれた。


「あのさ、月には言うけど。昨日の相手仕事だから。」


仕事?


「どんな仕事?」


「それは、言えない。」


星は、目を伏せてる。


「あのさ、俺も正直に話すけど23歳からホストやってた。数えきれないぐらい女の子抱いた。俺、星が思うほど綺麗じゃないから。それだけは、わかってくれ」


だって、星が自分は汚いものみたいな目をするから。


言うしかなかった。


星は、顔をあげた。


「どんな仕事かは聞かないよ。ただ、それで汚れてるって思うなら。俺だって汚れてるから…。だから、それで俺を避けるなら。それは、違う。」


そう言ったら、星は


「僕の仕事知らないでしょ」って言った。


「何しててもいいよ。俺は」


俺の言葉に、星は涙を浮かべる。


「汚れてるって思うなら、それでいいから…。ただ、そんな理由で俺を拒絶するのだけはやめて」


星の目から涙が、スッーって流れてきた。

やっぱり、それで拒絶したんだな。


「僕は、汚れきってるよ。」


「どれ、見せてみ」


俺は、星の手を取った。


「暖かくて、綺麗な手だな。」


俺は、手を優しく触った。


星の目から涙が、幾重にも重なりあって落ちる。


頬に手をあてる。


「涙の色、汚れてないよ。」


俺は、涙を拭った。


「汚いって勝手に思ってるだけだよ。そんな事ないよ。ここは、ずっと拒んでたんだろ?」


俺は、星の胸に手をあてる。


「だったら、星の方が俺よりよっぽど綺麗だよ。俺は、罪悪感なんてなかったし、むしろ嫌悪感抱かれて罵られて最後には最低って頬を叩かれる。それが嬉しくて堪らなくて欲しくて欲しくて、何度も何度も求めた。」


歪んだ愛の終着点が、あの日々で見えたんだ。


止めたくても止められなかった。


それを欲しがる、自分に吐き気がした。


俺の目から涙が流れてくる。



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