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帰宅と2日間(月と流星)

店から歩きながら、駅に向かった。

久々に電車で、実家に帰ってきた。

俺は、(ひかる)に(三日間帰れません)とだけメールをしておいた。

同じ文章が、星からきていた。

栞にも、(三日だけ、流星といたい)と伝えた。栞は、次くるときは連絡してとだけ言ってくれた。


「まだ、飲める?」


「ああ」


酒は、俺の化け物も流星の化け物も制御できなくさせそうな気がしたが飲まずにはいられなかった。


グラスにワインを注いで、流星がくれた。


「ソファーで飲もうか?」


そう言われてソファーに座る。


流星は、チーズも皿にのせてもってきた。


隣に並んで、座る。「乾杯」


カチンとグラスを合わせて飲みだすと流星はすぐに口を開いた。


「月と一生一緒にいれるなら、何もいらないのに」


「俺もそうだよ」


流星は、優しい笑顔を浮かべる。


「一緒にいれないのは、兄弟だからだと思っていた。」


そう言いながら、流星は俺の唇を指でなぞりだした。


「でも、違った。兄弟だからじゃない。月といると苦しい。月を家に閉じ込めて、俺の身体の一部にしてしまいたい。そんな気持ちが沸き上がってきて、止められない」


そう言って唇に唇を重ねてきた。


それが、痛い程わかる。


キスをされただけで、胸にズキッと痛みが走る。


流星は、唇を離す。


「このまま、傍にいると寿命が縮まるのがわかる。死ぬことよりも怖いのは、月を殺してしまう事だ。」


そう言って、また軽いキスをした。


「そんな衝動に突き動かされながら、傍にいる事は出来ないんだよ。わかる?」


「わかるよ」


俺の言葉に、また流星は軽いキスをした。


「一緒にいたいのに、いれない。でも、俺は、月のお兄ちゃんとして傍にいたい。こんな風に出来なくていい。」


そう言って、またキスをする。


「お兄ちゃんとして、愛してくれないか?」


「わかってる。」


俺の言葉に流星は、俺の首にかかってるネックレスを触った。


「月と過ごした日々は、幸せだったよ。でもね、激しかった。心がくるくる回転して思考も身体もついていかなかった。」


「うん」


「幸せなのに、あんなに苦しく辛いなんて事があるのかと思うほどだった。」


「うん」


「もう二度と月以外に感じることなどない。でも、ずっといれる程の(もの)じゃないよ。ずっと、(ここ)を火で焼かれてるようだよ。熱くて、痛くて、苦しい」


そう言って、流星は軽いキスをする。


「だから、一緒にはいれない。いると何をするかわからない。」


「わかってるよ」


俺の言葉に流星の目に涙が(あふ)れてくる。



「月、死んでもずっと愛してる。月以外に、こんな(きもち)を感じることはないから」


そう言って、俺の頬を撫でる。


「兄弟として一緒に居て、もう失いたくないから」


そう言って泣きながら笑ってる。


「わかったよ」


俺は、流星を抱き締めた。


それから、二日間は毎日流星はそんな話をしてきた。


明日の夜で、終わる。


今ならちゃんと兄弟に戻れるかもしれない。


華君のお陰で、穏やかな時間を過ごすことが出来た。


一緒に居たいけど、いれない。


流星が兄弟だからだと思っていたけど、俺は何より流星を傷つけるのが怖かったんだ。


流星に()れられると、もっとを期待してしまう。


軽いキスをされると、それだけ?って思ってしまう。


思考が、どんどん乗っ取られていくのが怖い。


気づくと俺は、流星を()ってしまいそうで怖い。


昔見た、映画で灰や骨をボリボリ食べているのを見た。


あれと同じだ。


俺も流星を胃袋におさめたいと思う。


自分(おれ)の一部にしたいと思う。


例えば、それが実現したらどうなる?


俺の飼ってる化け物が、それだけで満足するようには思えない。


喰っても喰っても、足りないのなんてわかりきった事だ。


流星に対する(きもち)は、どんな事をしてもされても満たされる事はなく耐えず餓えてるのだ。


俺は、明日の夜まで、流星と過ごす。


これが、恋人として過ごせる最後の時間だ。


大切にしたい。


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