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氷雨との時間

僕の胸の中で、眠った氷雨を布団に寝かせた。


気づかなかったけど、右手の手はとにかく傷だらけだ。


こんなに苦しくて、痛かったんだね。


僕は、氷雨の手の傷を撫でる。


キスを求めてくるのは、僕が月を求めたあの時と同じだと思う。


僕は、立ち上がって部屋を出た。


冷蔵庫を開けて考える、何か作ってあげたい。


スーパーあるかな、けん…


ブーブー


「もしもし」


「月だけど…」


「うん、どうしたの?」


「今日帰れない。」


「僕も帰れない。」


「氷雨君?」


「うん、奥さんを殴って時雨の所に住んでるって。月は、お兄さん?」


「うん、昨日死のうとしたって今は眠ってるんだけど…。」


「助けてあげたいんだね?」


「うん、ごめん。」


「謝る必要なんてないよ。」


「うん、明日には帰るから。後、あのさ」


「うん。」


「俺、明日流星を海の華に連れていこうと思ってる。」


「華君に見てもらいたいの?」


「うん、お昼に連れて行きたいと思って」


「僕も、氷雨を連れていきたい。聞いてみていけるなら行くよ。」


「じゃあ、もし大丈夫なら海の華でじゃあまた」


「うん、じゃあね」


そう言って、電話を切った。


スーパー検索と、結構近い。


僕は、鞄を持って時雨の家を出た。


時雨の家から歩いて10分ぐらいの場所にあった。


何がいいかな?

お肉がいいよね。お米ないから、チンするのにしようかな?


しょうが焼き作ってあげようかな?


生姜と豚肉と…。お会計をして、お店を出た。


華君に会ったら、氷雨の中の化け物を知れる気がする。


助けてあげる方法を見つけられそうな気がする。


そう考えながら、時雨の家に帰ってきた。


ガチャ…。ドアを開ける。


「よかった。よかった。」


あっ、抱き締められて袋を落としてしまった。


「ごめん。」


「大丈夫。卵割れちゃったけどね。起きちゃった?」


「うん。起きたら、いなくて」


そう言って氷雨は、袋を拾ってくれた。


「ごめんね。ありがとう」


氷雨は、キッチンに袋を持っていってくれた。


「卵で、黄色くなってる」


そう言われて袋を覗くと本当だった。


「大丈夫だよ。全部今日使うから」


そう言って、袋から中身を取り出すと氷雨が洗ってくれる。


「目が覚めたらいなくて焦った。また、いなくなってしまったんだと思った。今日だけは、星は居てくれると思ってたから…怖くて寂しくて不安だった。」


そう言ってポロポロと泣き出してしまった。


「今日は、泊まっていくよ。明日は、仕事?」


「頑張ってたんだけど、この二日間が一番しんどくて限界だったから休みとったんだ。」


「それなら、明日外でランチ食べない?」


「いいの?」


「うん。後、しんどいのは心もだけど体に栄養つけてないからじゃない?あっち、座ってて」


そう言って、僕はご飯を作った。


出来上がった料理を氷雨に渡す。


「待って、これ飲まなきゃ」


あの日飲んだ、ワインを持ってきた。


「愛星だよ。」


そう言って氷雨は、僕にグラスに注いだワインを差し出す。


「乾杯」


久しぶりに氷雨とご飯を食べる。


氷雨は、食べながらずっーと泣いてる。


「煙草は、解禁したの?」


「ううん。兄さんが氷河さんが目覚めるまで禁煙するって言うから僕も継続してる。」


「そうなんだね。」


「うん。」


そう言って笑った氷雨は、少しもどってきた気がした。


「兄さんに、殴った事聞いてきたんだよね?」


「うん、聞いた。」


「何でかな…そんな事するつもりなかったんだけど。三月の半ばに子供が産まれたんだ。そしたら、だんだん僕の中に怒りとか憎しみとか悲しみとかとにかく黒い感情が沸きだしてきて気づいたら殴ってた。」


「うん。」


「止めたくても止められなくて、二度目に殴った時に僕は家をでた。必死で止めたけど次は彼女を本気で殴ってしまいそうだったから…。」


そう言って氷雨は、頭を抱えながら泣いている。


僕は、氷雨をただ見ていた。


今は、まだどうして、あげるのが一番いいのかわからなかった。



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