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海の華のOpen

あれからの日々は、あっという間だった。仕事と荷造りに終われていた。2月中には、引っ越しがしたかった。


2月14日 海の華openー


晴海君と華君のopenに、初詣メンバーは集まっていた。


美咲さんは、お店を従業員に任せて来ていた。


「やっとだな。」嬉しそうに笑ってる。


みんなが、座ったのを確認すると華君がギターを弾き始めた。


その演奏にみんな黙り込んだ。


やっぱり、華君の背負ってるもの、覚悟も違う。


演奏が終わると、俺達のテーブルにやってきた。


「openおめでとう、乾杯」


そう言って、乾杯をした。


お任せの料理を口に運んでると華君が俺と星に近づいてきた。


俺達の手をとる。


「やっと、飼えるようになったんだね。」と笑った。


「鎖に繋いだな。」


栞もそう言ってきて、俺と星はお互いの顔を見た。


「化け物をペットにしたのか?」


俺の言葉に華君が、近づいてきて俺の胸に手を当てて


(ここ)からいなくなって、ペットになったよ」って笑った。


「でも、安心しちゃダメだよ。飼い慣らしたつもりでも、歯向かってくることもあるから」


そう言って華君は、俺のグラスに自分のグラスを合わせた。


「そういう怖いことを言うなよ」美咲さんが、華君の頭をわしわし撫でる。


でも、もし流星兄さんが化け物にかわっても助けられるかもしれない。


そう思うだけで、嬉しくなった。


「もしかしたら、流星さんを助けられる気がした?」


栞に言われて、頷いた。


「だったら、いつか、会いに行ってみなよ。」


「そんなのわかるかな?」


「必要とするのは、愛が枯れた時でしょ?」


そう栞に言われてわかった。


流星兄さんの愛が枯れるのは、子供が産まれてからだ。


「僕も氷雨君をいつか助けられるかな?」


「ああ、星なら大丈夫だよ。」


「違う形でもいてあげれるなら、嬉しいよ。」


星が、柔らかい笑顔を浮かべてる。


華君が、ギターを弾きにいく。


「いつか連れてきたいな。」


「僕も連れてきてあげたい」


そう言って、星と顔を見合わせていた。


華君に会う事は、流星兄さんにとってプラスになる気がする。


「華に会わせたいの?」


そう栞に言われて頷いた。


「あの音聞くと華の後ろに背負ってる化け物が踊るんだよ」


って栞が笑ってる。


「やっぱりすごいよ。23歳には思えないよ。」


「そりゃそうだよ。華は、大変な人生(みち)しか選ばない子だから…。でもやっと、華が幸せになれる気がしてる。」


「それって、このお店?」


「うん、華にとってギターを弾く事は、息を吸って吐くのと同じ事。僕もそうだから、わかる。だけど、昨年、腕を切りつけられて華はどす黒い闇に飲まれた。」


その言葉に驚いた、そんな風には見えなかったから…。


「そうは、見えなかっただろ?それは、晴海と詩音のお陰。華は、あと少しで化け物と闇に飲み込まれてしまいそうだった所を助けたのは、晴海だった。」


そう言って、栞は晴海君を見てる。


「ギター上手いのは、華だけじゃない。晴海が教えた。でもね、バンドを組む約束をしていた彼氏が晴海のギターには叶わないって目の前で死んだんだ。それからは、晴海にとってギターは恐怖と絶望しか与えないものに変わった。でも、あの日、華の為に弾いたって詩音から聞いた。」


そう言って華君を見つめてる。


美咲さんが、いつの間にか隣にきていた。


「栞ちゃんは、お喋りだな」


って笑った後で


「ギターを弾いた後、錯乱した晴海を華が止めたんだよ。」


って言った。


「ギターを弾けなくなった晴海は、思うように息も出来なくて。好きなものが恐怖や苦痛しか与えないなんて悲しいね。だから俺は、晴海に料理を教えたんだよ。そしたら、また息が出来るようになった。」


って、笑ってる。


この人達の背負ってるものは俺達とは違う。


なのに、こんなに真っ直ぐで歪んでいない事がすごい。


「暗い話はなしだ。楽しもうね」


そう言われて、気持ちを切り替えた。


星は、まやたく君に時雨さんの話をしていた。


鳴り響くギターの音を聞きながら、俺達は思い思いの時を過ごしたんだ。




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