みんなで飲む
俺と星を抱き締めてくれた、華君はフワフワした雰囲気をまとっている。
本当に天使に思う。
「兄貴、飯作りに行こう。」そう言って晴海君が呼んでる。
「ああ、じゃあ準備するから華よろしくな。栞ちゃん」そう言って行ってしまった。
「僕に、興味があるの?」俺を見て言ってる。
「どうやったら、化け物に食べられないように出来る?」
俺の言葉に華君は、
「君は、食べられないよ」って言って足元を見つめてる。
「君じゃなくて、月、こっちが、星さんでまやたく君で美子さん」って栞が言った。
「ああ、ごめんね。月君と星君は、ちゃんと紐に繋がろうとしてきてるよ」って笑った。
「わかるの?」
星が聞くと栞が…
「華は、僕よりもっと人の心が見えてる。で、化け物がついてる人以外には人見知りする。」
だから、まやたく君と美子さんと麻ちゃんとは話さないんだ。
「しおりんも、化け物飼ってるのに言わないでよ。」
「華も、相変わらず背中に背負ってるよ。」
「ハハハ、やっぱり育ってきてるでしょ?」
「ちゃんと、背負ってるから大丈夫。」
「どうやって、コントロールしてるの?」
星の言葉に、栞は「絵を描いてるからだよ」って笑った。
「この中のグチャグチャしたものは、何かにぶつけなくちゃね。」そう言って、華君は胸をトントンって叩いた。
「受け止めてくれる人がいるって幸せだね?普通は、誰にも言えないから」
華君は、俺を見つめてから、星を見てる。
「二人なら、きっと止めてあげれるよ。」ギュッーって俺と星を、華君は抱き締めてくれた。
そう言って離れて、「とめたい人がいるんでしょ?大丈夫だよ」って笑ってくれた。
「できたよ。華、みんなにギター弾いてあげなよ。」
「いいよ。」
そう言って美咲さん達が、料理やお酒をもってきた。
グラスにワインを注いでくれる。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。乾杯」
そう言って、乾杯をした。
お酒を飲むと華君が、ギターを引き出した。
学芸会レベルではない。
鳥肌と涙が止まらない。
星を見たら、星も泣いてる。
「すごいな、星。背負ってるもんが違う」
「僕も思った。華君は、すごい気持ち背負ってる。」
腕がうまく動かせなくなっても、沢山の傷をつけられても、誰かを救ってあげたい。
その気持ちが伝わる。
優しい光が注がれているみたいに暖かいものが、包み込む。
パチパチパチパチ…終わった瞬間。
みんな拍手した。
「照れる」そう言いながら、俺達の元に戻ってきた。
華君は、ご飯を食べてる。
「兄貴のご飯は、やっぱり美味しいね。」
そう言って華君は、食べてる。
「華に興味あるなら、ここに食べにきてあげてよ。海の華って名前だよ。」美咲さんが笑った。
「きてみようかな」
「おいで、おいで。華も気に入ってるみたいだから」
そう言って笑った。
それからは、みんなで楽しくお酒を飲んで笑った。
「真矢、それ美味しい?」「うん」「これ食べなよ」「いいね」
って、思い思いに話を楽しんでいる。
楽しい時間は、終わってしまった。
みんなとお店でバイバイをして晴海君と華君が、俺と星を送ってくれる。
「愛してる人は、別にいるんだね」
車に乗って華君に言われた。
俺も星も、泣いている。
「愛してるけど、一緒にいれないなんて辛いね。」
涙がどんどん流れてくる。
「僕も、もった事あるよ。」そう言って腕の傷を撫でてる。
「腕を傷つけた彼はね、僕に言ったんだよ。愛してるけどいれないって華を殺すからって…。で、しおりんにも別れろって言われたんだけどね。僕は、別れなかった。別れたくなかった。」
そう言って、声が震えてる。
「若いから、馬鹿なんだよね。」
「何歳?」
「23歳。」
って、笑ってこっちを向いた。
「わからなかったんだよ。いれないなんて感情。」
「だから、そうなるんだよ。」晴海君がそう言って車を止めた。
俺と星は、車から降りた。
「頑張ってね」そう言って華君が抱き締めてくれた。
「また、会いましょう。」そう言って晴海君が笑った。
「ありがとう」そう言って、星と俺は二人が小さくなるまで見送っていた。




