見られてしまった。
10時までには、くると時雨から連絡を受けた。
頭が痛いけど、洗面所で顔を洗って歯を磨く。
身支度を整えて、家の下に迎えに行った。
階段を上がってきたら、扉の前に彼がいた。
なんて、タイミング。
最悪だ。
部屋に入る。
お風呂場を案内する。
その後は、何も考えてなくて。
流れ作業みたいで…。
気づくと目に涙が溜まってた。
いつもは、涙なんかでないのに…
泣き顔を誉められた。
見れた事に喜んでる。
「また、よろしく。」
耳元で囁かれた。
吐き気がする。
彼を送りにいくと、早めに女の子がついていた。
名前を聞くと、早く来てしまったと言った。
僕は、気にせず案内する。
家の前で、また月に会ってしまった。
最悪だ。
僕は、気にしてないフリをしてドアを開けた。
また、お風呂場を案内した。
やる事は、同じで流れ作業だった。
何も感じない。
涙が、溜まってくる。
泣き顔を誉められた。
この子も喜んでくれてる。
「また、お願い」
そう言われた。
彼女も帰っていった。
月に、会いたくない。
シャワーを浴びる。
汚い
汚い
今度のは、もっと汚い
お風呂から上がって、別の布団をひき直す。
気持ち悪くて、いつも新しいので寝る。
だって、ずっと
僕は、月が好きだったんだよ。
あの日から、ずっと…
やっと、会えたんだよ。
目を閉じた。
もういい、今日は飲むって約束
行かない
行けない
部屋を見にきた時に、このマンションは壁が薄いと聞かされた。
嬉しかった、月を感じられるから
僕は、簡単にやめれると思っていた。
だから、気にしてなかった。
でも、やめれなかった。
全部、聞こえてたよね。
眠ってしまおう。
考えるな
.
.
.
.
.
ピンポーン。インターホンの音で目が覚めた。
絶対に、時雨だ。
震える体を起こして、玄関にいく
体が、カタカタ震えてる。
怖いけど、開けなきゃ…
ガチャ「はい。」
「7時なのにこないから」
「あっ、はい」
「震えてる?寒い」
「大丈夫だから」
いたのは、月だった。
「じゃあ、行こう」
そう言って月の部屋についてきた。
目を合わせられない。
「さっきさ、これ作ったんだ。味見してみてよ。」
「カボチャ?」
「うん。甘くて美味しいよ。」
「いただきます。」
僕は、食べる。
涙が、でてきた。
聞こえてたはずなのに、優しくされてる。
「泣く程、美味しい?」
「うん。」
僕が頷いたら、笑ってくれた。
ビールを差し出された。
何を考えてるのかがわからない。
「乾杯」
「乾杯」
沈黙が、続く。
「水もらっていいかな?」
「うん。」
そう言ってミネラルウォーターを渡してくれた。
うまく会話が、続かない。
それを破ったのは、月だった。
「星は、モテるんだね?」
「えっと…」
あれは、モテてるんじゃなくて買われてるだけ。
「ごめん。気に触ったかな?」
「う、ううん。」
欲しいのは、月だけだよ。
「これからも、あんな感じ?」
寂しい顔をした。
期待しても、いいのかな?
「あっ、うん。」
傷つけたくないけど、月を汚せない。
「そっか」
そう言った目から涙が流れてきた。
なんで?
泣いてるの?
「あっ、ごめん。なんだろう。ごめん。」
そう言ってティッシュで涙を拭いてる。
僕にたいして、何か思ってる?
好きだって思ってくれてる?
「両方いけるんだね。」
「あっ、うん。そう。」
「へー。スゴいね」
軽蔑されたかな?
「そうかな」
月は、ビールを飲み干して。
新しいのを取りに行った。
どういう感情なのか、読み取れない。
なんて言えばいいかわからない。
ただ、僕は月が欲しい。
月に触れたい。
それだけ




