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※この物語はフィクションです

男が一人、自ら命を絶とうとしている。


どうやら、何か言いたいことがあるらしい。


ヒマだし、聞いてみようか。

男は、鏡の前に立っていた。


鏡に写った自分を見ている。


目を見ている。


睨むような目であった。


諭すような目であった。


自分で自分の目を見ながら、心の中で、自分に話しかけていた。





お前の人生を、どうにかできるのは、お前だけだ。


お前の人生が退屈なのであれば、お前のせいだ。


お前が、お前の人生を退屈にしている。


お前の人生が楽しくないのであれば、お前のせいだ。


お前が、お前の人生を楽しもうとしていない。


気を使い、遠慮をし、本音を言わず、控えめな行動に徹し、自分を騙し続けている。


生きていて、何が楽しいのか。


最後に心の底から笑ったのは、いつだ。


不安がなく、憂いがなく、心配がなく、気にすることがなく、笑えたのは、いつだ。



楽しくない。


なんて、楽しくないんだ。



こんな人生、もういやだ。



壊せ。


壊せ。


何もかも。


壊せ。


壊せ。


何もかも。



力が欲しい。


何もかもを壊せる、力が欲しい。


全部、ぶっ壊したい。



全部、壊してもいいじゃないか。


最悪、死ぬだけだ。


そうだ。


最悪、死ぬだけだ。


どうってことない。



死ね。


死ね。


死ね。


死ね。


いつか必ず死ぬんだ。


死ね。


死ね。


死ね。


死ね。


もう死ね。


すぐ死ね。


もうすぐに死ね。


今すぐに死ね。


これから死ね。


さっさと死ね。


いい加減死ね。


死んで、死んで、死にまくれ。


絶対に死ね。


必ず死ね。


間違いなく死ね。



死んで終わりだ。


死んだら終わりだ。



さぁ死ね。


やれ死ね。



全部が終わる。


死んだら終わる。


壊すまでもない。


何もかも終わる。



それで、いいじゃないか。


そうだ、いいじゃないか。


死ねばいいじゃないか。


死んだらいいじゃないか。



簡単なことだ。


当たり前のことだ。


死んで、終わりにしよう。





男は鼻息を吹いた。


どうやら、自分に話しかけ終わったらしい。


相変わらず、鏡を見ている。


突然、笑みを浮かべた。


満面の笑みである。


「さて、それじゃあ死にに行くとしましょうかね」


鏡に写った自分に声をかけると、鍵もかけずに自宅であるアパートを出た。



この物語はフィクションです。

自殺は絶対にやめましょう。

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