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魔族会談

ここは、エルが暮らす国から遠く離れた場所に位置する。

高々と築かれたその建物はまるで国中を見下ろすかの様である。

その中では6人の魔族と1人の魔王による会議が行われていた…


「現在、人界には宗教による三大勢力が存在する。ということは皆様もすでにご承知の上だとは存じますが、

1つは、「魔術(スペル)こそが至高の力である」という教えを重んじ、崇拝する『アルロ教』

それに対となる形で現れた、「技能(スキル)こそが最強である」と考える『クラール教』

そしてその2つの勢力を中立する形で存在している『フェール教』」

「ここで私から提案なのですが、このフェール教に攻撃を仕掛けるというのはいかがでしょうか?」


「フェールだと?フェールは三大勢力の中でも1番でけー勢力だぞ?んなもんどー考えてもリスクでかすぎだろ!」


「うむ、確かにリスクは大きい。だがやってみる価値はありそうだな…」


「は?」


「なるほどのう、儂は賛成じゃ。

確かにフェールを滅ぼすことは、はっきり言って不可能に近い。じゃが、フェールは三大勢力の中立的立場に現状位置している。機能を弱体化さえできれば、「アルロ」と「クラール」の勢力が大きくなり衝突する可能性が上がる。

さすれば宗教戦争が起こり人族全体の力を減衰させることができる可能性があるということじゃな?」



「はい。その通りでございます。さらに勇者の出現が確認されていない今、仕掛けない手は無いと考えます。」


「...なるほどな。そういうことなら、否定はしねー」


「ふーん。私も賛成よ!でも、具体的にはどのくらいの勢力で何処に攻めるの?

それによっては逆にこちら側の力が弱ってしまう可能性も十分に考えられるわよね?」


「明確には決定しているわけではないのですが、上級魔族を送り込んでしまえば成功率はかなり上がります。

しかしそこで巨大な戦力である上級魔族を失うリスクは確かに高いです。

かと言って、下級魔族や中級魔族だけを送り込むようでは、おそらく期待する戦果は得られないでしょう。」


「じゃあ、どーすんだよ!!」


「そこで考察した結果、魔獣を送り込むことが最適ではないかと考えます。

そして、攻め入るのは商業都市「メラトリス」

ここは、魔獣の素材や魔石などの売買によって国を回しています。そしてフェール教の重要都市といえましょう。

フェールはギルドと呼ばれる組織を中心としてできた宗派です。

そのギルドの資金源となるこの都市を落とせばフェールの経済をある程度麻痺させることが期待できると考えております。」


「魔獣か...確かにリスクも小さく、数によっては大きな戦果を期待できるかもしれない...

だが、大量の魔獣の意志を統率するのは難しいのではないか?」


「いえ、そこに関してはては問題ありません。

先ほども申し上げたようにメラトリスは魔獣や魔石の売買が盛んな都市です。もちろんその都市周辺には多くの魔獣が生息しております。その中に同族統率系の称号(ネーム)を持つ個体が数体確認されております。その数体を操りさえすれば多くの魔獣の統率が可能です。」


「同族統率系の称号(ネーム)か...それならば問題なさそうだな。」

全ての準備を完了させるには、どれほどの期間が必要だ?」


「1月もあれば完璧に遂行可能だと予測いたしております」


「素晴らしい案ね!私、頭のいい人は好きよ♡」


「話は纏まったようだな。

魔王様!そのように進めていく形でよろしいでしょうか?」


「え?あ、うん。いいんじゃない?」


「ではこれよりメラトリス侵攻計画を始動する!異議のあるものは?」


「異議なし」「異議なし」「異議なし」「異議なし」「異議なし」


「では、今日の会談はここまでとする。

今後の行動は随時追って連絡することとする。解散!」


「やっと終わり?じゃあ帰るね!バイバーイ」

シュン!

「一瞬で消えたな...」


「では、私も失礼する」


「マジほんとむかつくよなー。あの魔王何のためにいるんだよ?ずっとボーとしてるだけじゃねーか」


「まーまー、あれでも実力だけは本物だからな」


「一遍喧嘩売ってみねーか?」


「やめておけ、死ぬだけだ。俺も少し前に聞いた話だが、魔王に逆らった奴が一瞬で塵にされたらしいぞ」


「そりゃ恐ろしいな...」


「それにお前も大した発言してないだろ?あんまり人に文句言える立場じゃないしな!はっはっは」


「...なんもいえねー...」


「お前も実力だけは確かだから幹部まで登ったんだろ?頭はちょっとあれだがな!はっはっは」


「うっせーな!おれだって戦場に出れば頭回んだよ!」


「はいはい、そこのさっきから五月蠅いガキンチョは静かにしてな!用は済んだから私はもう帰るよ!」


「誰がガキンチョじゃ!コラー!」


「そーゆーとこがガキだって言ってるのよ」


「あん?やんのかこの阿婆擦れ女!」


「あん?」


「やめんか二人共。もう解散と言われたじゃろ?今日のところはおとなしく帰りなさい。」


「ちっ、爺が言うんじゃしゃーねーな、今日のところはこのぐらいにしといてやる...」


「そうね、爺が言うなら…」


「皆、これから忙しくなるじゃろうから気を引き締めてな!」


「はい!」「はい!」「はい!」「はい!」

春休みに入ったので投稿頻度上がるかもです!

次話も是非読んでくださいね!

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