「鑑定」という能力の可能性
ー「鑑定」がLv.2になりましたー
キターーーーーー!!!
ついに来ました!「鑑定」のレベルアップ!!!
8年間待ち続けやっとこの時がやってきました!!
よし!早速ためしてみるぞ!!
まずはあそこにいるスライムからだ!!
「鑑定」
スライム 種族:魔獣 Lv.3
お!種族!と...レベル?の表示が増えている!!
スライムの種族は魔獣だったのか...
それにこのレベルは何のレベルだ?
種族としてのレベル?それともスライムという個体のレベルなのだろうか?
まあ、そんなことは一度おいておく。今度は自分を鑑定してみる
「鑑定」
エル 職業 剣士 種族:人族 Lv.5
「剣士 Lv.12」「神の加護」
生命力 22/16 +15 魔力 20/20
攻撃力 18 +14 魔攻力 17
防御力 21 +17
回避力 20
幸運 10 +10
「剣術 Lv.11」「短剣術 Lv.6」「物理軽減 Lv.6」「鑑定 Lv.2」
俺にも種族とレベルが増えている!!それに職業?これは称号とは違うのだろうか?
それにすべての基礎能力値が上昇している!
これまでは「剣士」のレベルアップによる+値の上昇しかなかったのだが...
これはおそらく種族の隣のにある「Lv.3」という数字が関係しているのではないだろうか?
スライムを倒したことによる、このレベルの上昇によって基礎能力が上昇し、8年間いくら使ってもレベルの上がらなかった「鑑定」のレベルが上昇した。
こう考えると筋が通る。
ならば今するべきことは明らかだ
まずはこのスライムどもを倒しまくる!!!!
「よし、今のでちょうど20匹だな!エル!今日はここまでだ!帰るぞ!」
「僕まだスライム倒せるよ?」
「今日は、ここまでだ、そろそろ時間だ」
そうか、もう時間か、スライムに夢中でまったく気にしていなかった...
稽古はいつも90分ほどで終わる。
父の仕事があるからそれ以上は出来ないのだ
「それと、父さんは明日、朝から仕事が入ってるため稽古は休みだ!
だからと言って一人で魔物狩りをしに行くのは無しだぞ!」
「えーー」
「分かったな?」
「はい...」
仕方ない、1日くらいこれまでの8年に比べれば...
そういえば、父のことを鑑定していなかった...
「鑑定」
小さな声で囁く
アジェル 職業:剣士 種族:人族 Lv.72
72!?嘘だろ???
こんなにもレベル差があるのか...
なるほど、薄々気づいてはいたが、俺、めちゃくちゃ弱くね!?
―――――――――――――――翌朝――――――――――――――――――――
「行ってきまーす」
父があのバカでかい声で家を出発する
エルは家の窓から父の後姿が見えなくなるのを確認する。
行ったか?よし、俺も行くとするか!
「行ってきまーす」
「エルどこ行くの??」
「ちょっと遊びに行ってくる」
え?どこに行くかって?もちろんスライム倒しに行く!!
約束はもちろん忘れたわけでは無いが...
自分がこんなにも弱いと分かった今、鍛錬せずにどうやって「勇者」になれようものか!いやなれない。
弱いからと言って俺は勇者になることを諦めたわけでは無い!なぜなら...
俺にはこの「鑑定」というチート能力!...
...になると思われる技能があるからだ!!
ならばそのレベルを上げる以外にすることなどないのだ!
レベルが上がっていくあの興奮を覚えてしまった俺を止められるものはもはや何もない!
今までの稽古場を通り抜け
森の奥へと駆け抜ける。昨日来た時よりも大きく感じる木々の間を抜けスライムの生息地に到着する。
今日も色とりどりのスライムがあちらこちらにいる。
「鑑定」「鑑定」「鑑定」「鑑定」
スライム 種族:魔獣 Lv.3
スライム 種族:魔獣 Lv.3
スライム 種族:魔獣 Lv.4
スライム 種族:魔獣 Lv.3
1体だけLv.4か、個体差はあまり無いな。
ならば、片っ端から殺るだけだ!!
「加速」!
パシュッ
それからはひたすらに切り続けた。
何体倒しただろうか?
気づけば上り始めたばかりだった太陽は西に傾いている。
その頃には初めは4発でやっとだったスライムが2発で倒せるようになっていた。
よし!今日はこのくらいにしとくか。
森のさらに奥に視線を移す
その奥は木と木の感覚が少しずつ狭くなり先がはっきりとは分からない
父の話によればこの先にはスライムよりも強い魔物が出るらしい
「少し覗いてみるだけ」
そう言ってエルはどこか気味悪い森の奥へと足を踏み入いれていく