表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

 歯医者さんのドアをあけ、スリッパ入れのドアを開け、待合室のドアをあけ、ようやく受付嬢の前に辿り着く。

 なんかもう、それだけで疲れた気分だよ。


 さて、何と言えばいいのだろうか?


「すみません、初めてだと思うんですけどどうすればいいですか?」

 すみません、ものすごく不思議そうな顔で見ないでください。


「予約はされてますか?」

「いえ」

「予約されてかれますか?」

「えっと、いつが空いてますかね?」

「2週間後になりますね」


 受付嬢の言葉が一瞬聞こえなかった。


「え? もう1回お願いします」

「予約が可能なのは2週間後からになりますね」

「2週間後、ですか」


 マジですか。

 前に来た時には予約なんて必要なかったのに……いるのか。

 歯医者さんは余ってるって話じゃなかったのか、あれは都会だけの話だったのか。


「すみません、歯が痛くて2週間も待てないので……すみません」


 受付嬢は目線を落としたきり、何も言わない。


 ……帰っていいんだよね? ね?

 引きこもり歴10年以上のあたしに、それとなく空気を読むなんて高度な技能は搭載されてないんだよ?


 顔をあげた受付嬢が、

「あれ? 何でまだいるの?」

 みたいな眼で見てくるから、いいっぽいな。


 よし、帰ろう。


 というか、次の歯医者さんを探そう。



「1番早くて、2週間後になりますね」


 3軒目の歯医者さんであたしは諦めた。

 これ以上遠くの歯医者さんだと、通うのが大変になる。

 これから何度も通院することを考えると、2週間は我慢するしかないっぽい。


 なんだよ、大繁盛じゃないかよ歯医者さん、こんちくしょー。


 それなら家から一番近い歯医者さんがいいやと、最初の1軒目に戻って予約を入れてもらうことにした。

 評判もいいしな。



「1週間後の午後4時が空いてますが、どうされますか?」

「お願いします」


 ……あれ? いつの間にか1週間減ってないかい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ