世界のすべての恵まれてない女性のために
女性が秘魔法で男性に自分を賛美・称賛させるショートストーリーです
世界のすべての恵まれてない女性のために(http://hmho.blog.fc2.com/)にて公開中
私はようやく"それ"を召喚した。長い試行錯誤の末に成功したのだ。そして"それ"を野々村道子へ送った。
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野々村道子は高校の卒業式直後からクイーンズカフェのこの店でバイトを始めたのでバイト歴3年と少しになる。
高校1年生のころから憧れてたクイーンズカフェの制服を着るために、アルバイトが解禁になってすぐにバイトを始めたのだ。
ハイウエストで少し長めのスカート丈のクイーンズカフェの制服は、野々村道子は昔の西洋の女性のように感じてた。
きっと白馬に乗った王子さまは、こんな服を着た淑女を迎えに来るんだと想像してた。
今日、野々村道子はバイト中に店長に呼ばれた。
契約社員にならないかという話だった。クイーンズカフェの各店舗は基本的には社員3名とバイトでまわす。
社員は、店長、副店長、マネージャーの三人。基本的には開店から閉店までの時間帯にこの三人の誰かが店に居た。たまに本部社員が応援に来る。
契約社員になれば、副店長にまではなれる。そして副店長までなら、ほとんどの勤務時間は制服を着てホール係をやっていられる。
給料が上がることも魅力だが、野々村道子には今までより長時間クイーンズカフェの制服を着ていられるのも魅力だった。
野々村道子はその場で店長に「なりたいです」と伝えた。
「じゃあ、マネージャーと一緒のシフトの時に社員としての仕事を教えてもらってね」と店長に言われた。
ひと通りの社員の仕事を覚えたら野々村道子を契約社員に推薦してくれる。店長はそう約束してくれた。
その時の野々村道子の店のマネージャーは珍しく男の人だった。店舗で働く社員の人の男性の割合は2割弱くらい。
そもそも、クイーンズカフェで働きたい女性の話は聞くが、男の人が働きたい職場なのかは野々村道子にも疑問。
クイーンズカフェのキッチンの仕事も覚えればアルバイトでもできることだけ。そうなると男の人より主婦の方が得意な分野だった。
野々村道子はマネージャーのことを痩せて背の高い無口な若い男というイメージしかなかった。
なんだか自信が無さそうな態度が自分に似てるのかも。野々村道子はそう感じてたために、逆にマネージャーを面白みのない男の人だと思っていた。
マネージャーは去年の春に理系の大学を卒業して入社したらしいと聞いたことがある。そうなると野々村道子より少し年上なんだろうか。そもそも野々村道子とマネージャーは仕事で必要最小限の言葉しか交わしてない。
そう言えば、野々村道子と早番で同僚の若い主婦が「マネージャーと野々村さんとお似合いかも」と言ったことがあった。高校生のころの野々村道子ならそれだけで顔を真っ赤にしてたはずだ。でも何も感じなかった。
「野々村さん。店長に野々村さんに仕事を教えてと言われたんだけど」
「ああ、はい」店長に言われた次の日にマネージャーが野々村道子に話しかけてきた。
「社員になるなら少しキッチンの勉強もしますか」
「できればやりたくないです。料理は得意なんで大丈夫です」
野々村道子は思わずやりたくないと言ってしまった。せっかくの仕事中に制服から着替えるのがイヤだったから。慌ててフォローのつもりで「料理は得意」と言ったが、それもウソだった。似た年令の女性と同じくらいの料理はできると思う。でも、得意とも上手とも思ったことはない。
「そりゃそうだよね。どうせキッチンは社員になる時の研修でやるから。やっぱりそうだよね」
マネージャーはびっくりするくらい簡単に引き下がった。自分に自信がないから。気が弱いから。男のくせにダメな人だ。野々村道子はそう思った。
何が「そりゃそうだ」なんだろう。バカじゃないの。そう思いながらも野々村道子は少し安心した。
マネージャーはこの店でただひとりの男性社員。そのためか遅番しかしない。遅番は午後4時までに出勤すれば良いらしい。午前10時から6時間勤務の野々村道子とは2時間しか一緒に働かない。
そしてマネージャーは土日はほぼ出勤してる。土日祝日はほとんど休みの野々村道子とマネージャーは週に3日しか顔を合わせない。
嫌われたって平気なんだ。野々村道子は強くそう思った。
それからひと月近くマネージャーは何も言って来ない。注文を通すような業務で必要な最低限の会話しかない。マネージャーは怒ってるのだろうか?でも会話がないのは以前からのことだ。
店長も知ったら怒るだろう。店長は30代の女性で優しい人。でも、やっぱり仕事には厳しい。マネージャーが報告したらきっと怒るだろう。店長に起こられてないのはマネージャーが報告してないからだろうか?それとも契約社員にする話は流れたんだろうか?
野々村道子は色々と考えたせいで、仕事に出るのに気が重くなった。
「契約社員にはなりたくありません。今まで通りが良いです」そう言えば良い。早く店長に叱られないか。そうすればそう言ってやるんだ。野々村道子はそう思った。
そんなある日、マネージャーが早出でお昼少し前に店に来た。
野々村道子と同じ早番のホール係の若い主婦が、こどもの発熱とかで急に店を休んだのだ。だから珍しくマネージャーはホール係をやった。気まずい思いを抑えて野々村道子はマネージャーとランチの混雑状況で働いた。ようやく忙しい時間帯を乗り切った時にマネージャーが近づいてきた。
何か言われる。野々村道子は身構えた。
「野々村さんはホール係は完璧だよね。店長もそう言ってたよ。僕が野々村さんに教えられること無いですって言ったら」
褒められた。野々村道子はそう思った。叱られたんでも、嫌味を言われたんでも無い。褒められた。しかも店長にまで。
今まで悩んでたのがウソのように気分が晴れた。「褒めてくれたんだ」そう思うだけで嬉しい。
その一瞬で野々村道子はマネージャーに親しみを感じた。その後もこれといった会話はなかったけど、6時になって帰るころにはマネージャーのことを少し男として意識した。優しい男の人なんだ。野々村道子は男性に褒められた経験を思い出せなかった。
その直後に野々村道子のひとつ年下の従妹が遊びに来た。野々村道子がクイーンズカフェでバイトを始めたのを1番羨ましがった従妹である。その従妹と一緒に野々村道子はクイーンズカフェに食事に行くことにした。従妹には前にも誘われていた。仕事中の自分を見られることが恥ずかしいのと同じくらい仕事時間以外にお店に行くことが恥ずかしいので断っていた。
しかし、今回は客席でマネージャーの仕事ぶりを見たい。その気持ちが優先されて、むしろ野々村道子の方から誘う形でクイーンズカフェに向かった。
許せない。
何を話してるのかは聞こえない。でも、マネージャーはバイトの女子大生と何かいっぱい会話してる。近所のお嬢様女子大の子だ。店長も副店長もいないから私語ばっかりしてる。私とはほとんど会話しないのに。仕事のことしか話さないのに。バイトの女子大生はニコニコと笑ってる。何か楽しい話を二人でしてるんだ。キッチンのマネージャーの顔は見えないけど、きっとニヤケた顔で笑ってるに違いない。
野々村道子は激怒した。
そして激怒した野々村道子のところへ"それ"が届いた。
野々村道子は"魔の間"にマネージャーを呼び出した。
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「ようこそ私の"魔の間"に」
「……、」
「返事はハイ」
「ハイ」
「私に向かって跪きなさい」
「ハイ」
「そして、私のことは野々村道子様と呼びなさい」
「ハイ、野々村智子様」
「私のことを10回称賛することを許可します」
「ハイ」
「野々村道子様は、入店するお客様の案内が的確です」
「野々村道子様は、初めて入店するお客様へのメニューの説明がわかりやすいです」
「野々村道子様は、仕事中にお客様に対する物腰が柔らかです」
「野々村道子様は、お子様のお客様に対して優しいです」
「野々村道子様は、ご高齢のお客様に親切です」
「野々村道子様は、仕事中もキッチンに心配りされてます」
「野々村道子様は、新人への教育がお上手です」
「野々村道子様は、凛々しくお仕事をされてます」
「野々村道子様は、制服姿がお似合いです」
「野々村道子様は、制服姿のお姿がステキです」
「野々村道子様は、制服で立たれるとすごく上品です」
「まあ、マネージャーは私の許可なく11個も言ってしまいましたね」
「申し訳ありません」
「それでは、女性としての私を10回賛美することを許可します」
「ハイ」
「どうしてもと言うなら、10回以上賛美することも許します」
「ありがとうございます」
「野々村道子様は、笑顔がとてもすてきです」
「野々村道子様は、世の中の男性にとって理想の女性です」
「野々村道子様は、私にとっても理想の女性です」
「野々村道子様は、…、…、…、…」
「野々村道子様は、…、…、…
こうして"魔の間"での時は野々村道子が満足するまで続くのでした。
(永遠に続く)
作者は超エロい小説だと思ってます。
エロいと思っていただけた方の感想をお待ちします。
前振り部分の長さはこれくらいで良いでしょうか?
クライマックスの長さはこれくらいで良いでしょうか?