教祖様のご指名
にゃんまんだぶ……猫の念仏。
「ネコネコアザラシ……ネコネコアザラシ……この怨み……はらさせてもらう……ネコネコアザラシ……ネコネコアザラシ……」
『ネコネコアザラシ』。
これは占い師であり呪術師でもある彼の決め台詞……というか呪いの言葉だった。
「オンキリキリ……ネコネコアザラシ! カーッ!」
『オオーッ!』という歓声がギャラリーから上がる。
無理もない。
彼は『何もない空間に星を作り出し、肉きゅうの上に乗せた』のだから。
「この星は『死の星』……この星からは何匹たりとも逃げられない……残念ですニャトソンさん……」
「えぇー!?」
……どうやら彼の次のターゲットは私のようだ……いやいやいやいや!
「死にたくニャイ!」
「無理です。私の力からは絶対に逃れられない……私は偉大なるオス……」
彼は星を握りつぶし、粉々になったものを私にフゥと吹いた。
『かわいそうに……』
『にゃんまんだぶ……にゃんまんだぶ……』
『でも正直、俺じゃなくてよかったぜ……』
ギャラリーからは勝手な声が上がる……私の身にもニャれ!
「ニャ……」
……
「ニャんでこんなことに……」
ニャトソン死亡まで……
残り12時間……