ニャーロック・ニャームズのニャー冒険
「僕のミスだ」
ニャームズは責任を感じ、落ち込んでいた。
「ニャームズ。君は悪くない。しかし人間はケビンをひき殺しても何もなく、ボブは噛みついたら処分されるんだな……」
「ニャトソン……僕は散歩に行ってくるよ……少し長くなる。君はここでフジンと待っていてくれたまえ」
言い回しが気になったが私は従うことにした。
「なんにつかおー♪猫につかおー♪ニャーにつかおー♪」
「にゃあ……」
【宝くじ】というものに当たったというフジンは朝から騒がしかった。
「やっぱり捨て猫の為に使おう2億くらい」
フジンの言っていることはわからないが嬉しそうなのでヨシとしよう。
「……うにゃ?」
つけっぱなしだったテレビにニャームズの姿が映った。
【動物を愛する人の前に現れて幸運をもたらす猫ですか……】
【えぇ。不思議ですね。世界各国で目撃されているそうです】
【そして飼い主に幸せをもたらしたら去っていく……なんだか憎たらしい程粋な猫ですね】
【皆さんも不思議なオリエンタルショートヘアーを見かけたら……優しくしてあげて下さいね? きっとあなたに幸運をもたらしてくれるでしょう……】
やっぱり言っていることはさっぱりわからない。
○
その後ニャームズは散歩から帰ってくることはなかった。
私もフジンもドーサツも必死になって探したが見つからなかった。
ニャームズはどこにいったのだろうか?
ニャームズがいつも座っていた安楽椅子には今でも彼のお気に入りの毛布が置かれている。
2014年。ニャーランド誌掲載。