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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
アンコー・ストリート・ジュラシックパーク
71/203

アンセム小学校最後の卒業生

※パーソニャルコンピューター……猫のパソコン。

 ……再びニャームズの隠れ家。


「驚きました。恐竜と不気味なピエロですか……さすがのニャームズ先生でも推理には手間がかかったのでは?」


「いやあ実はこの事件で僕は推理はほとんどしていないのです。ただ運がよかった。ん? そういえば……偶然とは恐ろしいね。ちょっとテレビをつけよう」


 僕がテレビをつけると黒人の男がスピーチをしていた。


「○○国の大統領ですな? 確かアンコー・ストリートも○○国だ。確かに偶然とは恐ろしい……」


 モーガンはなにやら勘違いをしているようだ。


「違うよ。今回の事件にはこの『エリック大統領』も一枚かんでくるんだ。驚くぜ?」


「ええっ!?」


「ハッハッハッ……」


 モーガンの驚きようったらないな。

 猫目が開き、シッポがボワボワになってしまっている。


「先生! はやく続きを……恐竜とピエロ……そしてエリック大統領がどう繋がっていくというのです?」


「落ち着きたまえよ」


 僕は極上の紙巻きタマネギに火をつけ、焼きタマネギの香りを肺一杯に取り込んだ。


「どこまで話したかな……? そうだ。僕はニャーをでたあとすぐに山に向かった」


「それで恐竜はいましたか?」


「いなかった。ただアンコー像は無くなっていた」


「ほうっ! 恐竜に食べられましたかな!?」


 アイラ・ウイスキーが回ってきたのか興奮の為なのかモーガンの顔は紅潮していた。


「どうかな? それで僕は街で唯一の図書館に向かった」


「図書館に? なぜ?」


「恐竜とアンコー像について調べに。あの図書館は実に猫に優しい図書館だった。テレビのボリュームを下げよう」


『ーー!!』


 テレビでは大統領がある言葉を連呼していた……。




……




「にゃっ!」


「にゃっ!……じゃねぇよ……まったく……」


「にゃっ!」


「ハイハイ……」


 僕は図書館の職員に抱っこされて二冊の本を肉きゅうで挟み、引き抜いた。


「にゃっ!」


「はいよ」


 そしてテーブルに本をおいてもらい、開いて貰った。


「しかしこの恐竜の本はなんだ? 今まで貸し出し0だったのに。一人が借りて、猫三匹が読みたがるとは」


 前の二匹はリッキーとトーマスだろう。

 唯一この本を借りた人間というのも気になる……あとで調べよう。


「ふむふむ……ブラキオサウルスにプテラノドン……そしてアンコー像だ。『二十年前、アンコーストリート百周年記念に街で唯一の小学校『アンセム小学校』最後の卒業生3人によって作られた手作りの木の像である』……か。へぇ。アンコー像は木製なのか? 恐竜は木を食べるのかな?」


「なんだこの猫は……まるで本を理解してるみたいだな……」


「にゃっ?」


 どうやら目立ちすぎたようだ。

 一度すみかに戻ってパーソニャルコンピューターで調べ物をすることにした。




……




「おかしいな……」


 僕はブルーライトカットメガネを外した。


「出店の出店表にくじ引きなんてないぞ?」


 この段階で僕は裏路地周囲の猫達の聞き込みを終えていた。


「証言から計算すると……たった五分だ。裏路地のくじ引き屋は五分間だけ存在したんだ」


 続いて僕は特殊なルートで図書館のデータベースに侵入した。

※いわゆるハッキングだが、これには目をつぶって欲しい。


「恐竜の本を借りたのは……『マリオ・ルキアーノ』か……ん?」


 マリオ・ルキアーノ……一つ前のページに戻る。


「マリオ……」


『あなたは知っていますか? アンコーストリートにあった小学校のことを……アンコーストリートの歴史を知ろう!』

というホームページだ。


「……偶然?」


『山の上の小学校『アンセム小学校』は生徒数減少と老朽化により取り壊されてしまいましたが、卒業生達は今もこの街で……』


「気になるな」


 アンセム小学校ホームページの画像をクリックして拡大した。


『最後の卒業生……気弱な『マリオ』君。お調子者の『トッティ』君。3人のリーダー!『ミラクル・オグマ』!』


「……」


 アンセム小学校最後の卒業生のオグマか……面影がある。

 一応調べるが、これは例のすねかじりのオグマに間違いないだろう。


「最後の卒業生『マリオ』『トッティ』『オグマ』……ね」


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