NWニャトソン
「……」
「ごくっ……」
モーガン氏は私が改稿した原稿を読んでいる。
自分が書いたものを目の前で読まれるといのは緊張するものだ。
「……うん。結構です。それでは来月号から連載という形で進めていきましょう」
「やった!」
私はナタリーと肉きゅうを合わした。
これで私も小説家というわけか。
「それじゃあ作者名は『ニャトソン』でかまいませんか?」
「あっ、少し足してもいいですか?」
これに関しては決めていたことがある。
「NWニャトソンでお願いします」
「NWニャトソン? かまいませんが……」
これには意味がある。
小説を書き上げたのは私だが、ニャームズとナタリーの協力なくして作品は完成しなかった。
二匹の(ダブル)『N』……
少し格好付けすぎただろうか?
「『あのニャームズ氏の冒険がついに語られる……期待の新人NWニャトソンが贈る真実の冒険記『ニャーロック・ニャームズのニャー冒険』!』あおり文句はこれでいきましょう!」
「それは少し恥ずかしい……」
「いえいえ……これで百万部はかたいな……十万文字超えたら単行本化も検討しましょう。もしかして人の目にとまるほどの人気作になるかもしれませんよ」
「ひ……人の目に?」
話がトントン拍子で進み、私はなんだか怖くなった。
人の目か……人間が猫の世界のお話を読んで面白いと思うのだろうか? うむ……どこか携帯小説サイトにでも投稿してみようか?
「参ったなぁ……」
というわけで作者名をご覧ください