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ニャーロック・ニャームズのニャー冒険。  作者: NWニャトソン
帆立町フォーチュン・テラー
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ニャスとマーニャン

「キャッツメイトだニャトソン」


「……ニャンちきしょう!」


 ニャームズが鰹が丘に帰ってきて一週間……ニャー探偵としての仕事は全てニャルバロッサが請け負い、ニャームズはいつも暇だった。


「もう一勝負だニャームズ」


「何度やったって同じさ」




 この頃の私はニャームズの住処で毎日ウィスキーを飲み、テレビを見ながら『ニャス(猫版のチェス)』を彼とたしなみ、日がな平和に暮らしていた。


「……しかしニャームズ。君はこのままでいいのか? あのニャルバロッサとかいう生意気なヤング・キャットに好きなようにさせておいて……っと」


 私は駒を動かした。


「かまわないさ。事実町は平和だし、大きな事件も起きてない。彼氏もまぁまぁ優秀なんじゃないかな?……っと」


 ニャームズが攻めてきた。


「うむ!? しかしケーブがかわいそうだ。彼は町のために働くのが生きがいのような男だぞ?……どうだ!」


 最近のケーブは濡れた犬のように元気がない。


「……それは何ともいえないね。ドーサツに仕事がないのはいいことだろう? それに……なにか大きな事件が起きたら僕だって黙っちゃいないさ……ほうらキャッツメイトだ!」


 いつの間にやら詰んでいた。


「やられた! ニャンチキショウ! べらぼーめ! あーおもしろくない! やめだやめっ! マーニャン(猫版のマージャン)だったら勝てるんだけどなぁ!」


「ハッハッハッ! なにをやったって僕が勝つさ!」


 ニャームズは自信家である。

 そして腹ただしい事にそれに見合うだけの実力がある雄だった。

 ……だからこそ余計に腹が立つ。


「ふんにゃっ!」


 私はふてくされテレビを見て、ニャームズはウィスキーをまったりと楽しみだした。


『……続いてのニュースです。帆立町でまた拳銃が見つかりました。通報者は『エイブス人』の男性で……警察は……』


「……エイブス人?」


 ウィスキーを飲んでいたニャームズがニュースに視線を移した。


「どうした?」


「いや……」


 ニャームズは小骨が喉にひっかっかったような顔をしている。


「……?」


「ニャトソン君。君さえよければ少し散歩に付き合って欲しいのだがね?」


 ニャームズは肉きゅうをポムポムと叩いたりグニグニとこすりあわせる。

 何かに興味を持ったときのニャームズのくせだ。


「今のニュースが気になるのか? 私は当然かまわないが……」


「まだなんとも説明できないよ。早速いこう。テレビはつけっぱなしでかまわないよ」



「ん? わかった」


 私は走り出したニャームズの背中を追った。




『続いてはスポーツです。

Hー1初代王者のイケ・グスタフ・オーブレイム選手が○○日未明行方不明になりました。イケ選手は連続KO負け記録を更新中でこのままでは二軍リーグに落ちてしまうことから、精神的に不安定だったとコーチの○○氏は語り……』

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